毎月21日前後というのは、ゴルフ月刊誌の発売時期。今月も月刊ゴルフダイジェスト、ワッグル、月刊ゴルフクラシック、そして隔月発刊のビジョン72が出ました。マーク金井も2誌ほど連載原稿を執筆していますが、ゴルフ雑誌のメイン企画となるのはレッスン記事。例えば、部数が一番多い月刊ゴルフダイジェストの目次を開いてみると‥‥
250ヤードなんて楽勝さッ! 秘密の”インパクトゾーン”
朝イチの「大叩き」なぜ起こる? 横田真一の研究レポ
ハンク・ヘイニー特別レッスン
30パットを切ろう! 「15歩」が今日の基準
今度の週末に「この100球」アイアン練習法
自然がいいんだ!「カラダの仕組み」を考えればスウィングはこうなる
読者が自分でプロに聞く「読者記者」がゆく
井上透がズバリ解説 レッスン用語「五里霧中」
江連忠のプロジェクトE
アダム・スコット「マジカルショートゲーム」
片山晋呉と横田真一の「ゴルフ」ってなんだろう
鶴見功樹「プリンシプル・オブ・GOLF」
芹沢信雄「1番ホールの木の下で」
石渡俊彦「頑張れ! 60代」あの頃に復活プロジェクト
高松志門×奥田靖己の1行レッスン
(月刊ゴルフダイジェスト11月号から引用)
ざっと書き上げ上げましたが、月刊誌1冊だけで15本ものレッスン記事が掲載されています。30日で15本の記事があるということは、2日に1つのコンテンツを次々と消化していかないと、全部を読破することはできません。紙媒体はインターネットに比べると情報量が少ないと言われてますが、ことレッスン記事に関しては、紙媒体は情報量が非常に豊富なメディアです。
さて、このレッスン記事。どのプロもアマチュアに上手くなってもらいたいと思って一生懸命アドバイスを送っています。マーク金井はゴルフ雑誌の編集者を経て15年間レッスン記事のライターをやってましたが、プロからのアドバイスはいずれも的を得たものばかりで、目から鱗が落ちることもしょっちゅうありました。しかしながら、ゴルフ雑誌を読んでゴルフが上手くなれるかどうかと聞かれたら‥‥スイングに関するレッスンでは‥‥
正直、難しい部分もあります。
これはゴルフに限ったことではありません。ギターを覚える、ピアノを覚える、スノボやスキーの滑り方を覚える。クルマやヨットの操縦を覚える‥‥
何か新しい技術を身に付けることに関して言うと、本(言葉)だけでは限界があるからです。写真やイラストが入っても限界があります。「やっぱり見た目が9割」(竹内一郎著 新潮新書)にこんなくだりがあります。
「時計」という言葉は「時間を表す道具」という意味を持っている。色んな種類の時計の、「時間を表す」という本質的な部分を表現している。難しい言葉で言うと「概念化」という。昔の人が「時間を表す道具はすべて『時計』という言葉で表そう」という約束を作ったのである。
言葉は「概念」を伝えることに秀でている。
概念を伝えられるという意味では、言葉は非常に便利です。しかし、見たことがない物や経験した事がないことに対しては言葉には限界性があります。例えば、象。象を一度でも見たたことがあるならば、「鼻が非常に長くて、耳が巨大な動物」と言われれば、まず例外なく象を頭に描けるでしょう。しかし、象を一度も観たことがない人に、このような説明をしても象は頭に思い浮かびません。自分が見たことがない物、経験したことが無い事に関しては、人は形や動きを具体的にイメージできないからです。
ゴルフのレッスン記事に関してもしかり。動きを正しく理解している人がレッスン記事を読むと、「なるほど、これはいいアドバイス」だとか「この教え方は的を得ている」と理解できますし、カラダの動きもイメージできます。しかし、例えば、ゴルフの初心者には言葉だけのアドバイスでは動きをイメージするのは非常に難しい。そして勘違いが多々生まれます。頑固なスライスに悩んでいる人もしかり。アウトサイド・イン軌道が体に染みついている人の場合、インサイドから振り下ろすことは「概念」としては理解できても、いざ実践しようとすると具体的な体の使い方をイメージしづらいし、動きを勘違いしやすいからです。
では、ゴルフ雑誌のレッスン記事は役にたたないのか?
そんなことはありません。自分で読んでみてヒントに感じることがあれば、そのヒントを元にスイングを変えてみて下さい。その時、大事なのはiPhoneとかで自撮りすること。イメージと実際の動きとの間にどんなギャップがあるのかをチェックすれば勘違いは発生しません。また、動きが何も変わっていないのであれば、頭で分かっているつもりだけです。動きが変わっていないということは、無意識の内にゴルファーはレッスン記事(アドバイス)に対して拒絶反応を示しているわけです。
レッスン記事のアドバイスを自分のモノにしたいのであれば、それをきっかけにしてプロやインストラクターから直接レッスン受けることを強くお勧めしたいです。独学よりもプロやインストラクターから直接レッスンを受けた方がコストはかかりますが、ゴルフは確実に上達できます。次回はレッスンの上手な受け方についてじっくりお話しましょう~。
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PS.ボールをたくさん打ってもスイングは変わりません。ボールの行方や自分のフィーリングが邪魔をするからです。悪い癖を直したい、本気で正しいスイングを会得したいと思うならば‥‥身体の動きをチェックしやすい方法で練習しましょう。マーク金井はゴルフの竪琴を使っているのは、これが一番身の動き、そして正しいハンドアクションを会得できるからです~。