マーク金井blog

2013年08月25日やさしいアイアンと難しいアイアンの見極め方とは‥‥完結編

早いもので8月も下旬に突入。あと1週間で9月に突入します。そして早いものでこのブログの毎日更新も150回を越えました~(笑)

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さて、今日もやさしいアイアンについてです。大事なことなので繰り返しますが、やさしさの基準は人によって違います。そして、ゴルファーによってはやさしいクラブが必ずしも打ちやすいとは限りません。人間は慣れた道具にやさしさを感じ、慣れていない道具には違和感を感じる分だけやさしく感じないからです。ただしゴルフクラブの歴史を振り返れば、クラブはやさしい方向に進化し、やさしいクラブに慣れた方が有利です。その証拠に、パーシモンで飛距離で460CCチタンドライバーよりも飛距離を出すプロはいません。アイアンにおいても小顔のマッスルバックでゼクシオよりもミスショットを減らせるアマチュアはいません。「進化は変化」「変化は進化」新しいクラブがすべて良いとは限りませんが、プロ、アマチュアを問わず、やさしいクラブに慣れた方がゴルフがやさしくなるし、スコアアップもしやすくなります。

やさしさを見極めるチェックポイントは‥‥

見た目にヘッドが大きい
重心距離が長い(40ミリ以上)
慣性モーメントが大きい(2800gcm2)
重心深度が深い(6ミリ以上)
(数値は5番アイアン)

2013年モデルのアイアンで、この4つの数値が大きいのは‥‥
リンクス SSアイアン

重心距離 35.6mm
慣性モーメント2785gcm2
重心深度13.4mm
LD値  477.04
バンス角 5.5度

フォーティーンTC-330

重心距離 37.1mm
慣性モーメント2372gcm2
重心深度7.7mm
LD値  285.67
バンス角 未発表

ピンG25

重心距離 44.5mm
慣性モーメント2801gcm2
重心深度4.9mm
LD値  218.05
バンス角 3度

LD値とは、「重心距離×重心深度」で、この数値が大きいほどミスヒットした時にヘッドのブレが小さく、プレーヤーは芯が広い(正確にはスイートエリが広い)と感じます。ヘッドのブレにくさ(ミスに対するやさしさ)については慣性モーメントの数値で判断されることが多いですが、慣性モーメントの数値が大きくても重心深度が浅いアイアンは当たり負けしやすい特性があります。

マーク金井的には、このLD値の方が体感(フィーリング)と数値が連動していると思っています。ちなみに、従来モデルのアイアンでLD値がズバ抜けて大きいのは‥‥プロギアの
初代egg(2008年)

重心距離 39.3mm
慣性モーメント2770gcm2
重心深度13.8mm
LD値  542.34
バンス角 未発表

今から5年前のアイアンですが、LD値の大きさは他に類がありません。ただし、eggはモデルチェンジごとに重心距離が短くなり、このためLD値が小さくなっています。二代目eggⅡ(2010年)は重心距離が35.7mmと短くなったためLD値が460.53となっています。

そして、アイアンのやさしさで見逃せないのがバンス角。バンス角とはソールの出っ張り角のことで、これが大きいほどダフりのミスに強くなります。SW同様、アイアンでもバンス角が大きいとソールが地面に跳ねやすくなるからです。ただし、バンス角が大きいアイアンは練習場ではやさしくありません。人工マットだと地面が硬いために、バンスが多いと(ソールが跳ねすぎて)、トップのミスが出やすくなるからです。フォーティーンTC330、エッグはどちらもワイドソールでミスに強く設計されていますが、バンス角は非常に小さい。恐らく、練習場での扱いやすさを考慮しているのでしょう。

対して、リンクスのSSアイアンとピンのG25はどちらもワイドソールでありながら、バンス角も大きい。練習場での扱いやすさよりもコース(天然芝)で打った時、ダフりのミスに強く設計されています。

マーク金井が現在使っているアイアンは
リンクス   SSアイアン
ピン     G25
タイトリスト VG3

マーク金井もこの3本を使用中

マーク金井もこの3本を使用中

の3モデル。いずれのモデルもバンス角が大きいのが特徴。そしてライ角、ロフト角が調整できます。バンス角については、ダフりに強いだけでなく、スイングにも良い影響を与えます。その理由については次回じっくり説明しましょう~。
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2013年08月24日やさしいアイアンと難しいアイアンの見極め方とは‥‥

今週21日は月刊ゴルフ雑誌の発売日、月刊ゴルフダイジェストワッグル、そしてゴルフクラシックが出ました。そして一昨日の木曜日にはアルバが発売されています。マーク金井も欠かさずゴルフ雑誌をチェックしてますが、今回注目したのがゴルフクラシックの「アイアンのヘッドデータ」特集。10年以上続く長寿企画ですが、数値(計測値)でクラブの性能をチェックできるのはものすごくありがたいです。理由は単純、クラブヘッドを単体で入手するのは大変だし、ましてはヘッドを1個1個計測するのはものすごく手間がかかるからです。

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では、アイアンのヘッドデータはどこをどうみれば、クラブの性能を伺い知ることができるのか?

ゴルフクラシックでも丁寧が解説がなされていますが、その前に知ってほしいことはがあります。それは「やさしさ」の定義。ゴルフクラブは「やさしい」というキーワードが頻繁に使われますが、「やさしい」というのは非常に抽象的な言葉です。辞書で調べてみると‥‥
「易しい」(やさしい、やさしさ)

形容詞。たやすい。わかりやすい。反対語は難しい。

要するに「やさしい=簡単」ってことになりますが、ゴルフの場合、一般的には「ミスに対して寛容」というのも「やさしい」と同義語になっています。その証拠にやさしさをアピールするクラブには、スイートエリアが広いとか、ミスヒットに強いというキーワードが広告コピーに使われています。では、アイアンにおけるやさしさとは何なのか? ゴルフの腕前によってもやさしさの定義は異なります。ゴルフが上手くない人にとって求めるやさしさと、ゴルフが上手い人にとって求めるやさしがが違うからです。

まずは、ゴルフが上手くないアマチュアの場合、やさしさを見極めるチェックポイントは‥‥

スイートエリアが広い(芯を外しても飛ぶ)
飛距離が出る
ボールが上がりやすい
捕まりが良い(スライスが出づらい)
ダフっても飛ぶ
トップしても上がる
要するに‥‥

たやすく飛んで
たやすく上がって
たやすく捕まって
たやすくグリーンに乗る

というアイアンが、多くのアマチュアにとってやさしいアイアンになります。

そして、これらがすべて満たされてしまうアイアンを手にすると、ゴルフが上手いアマチュア、そしてプロは「やさし過ぎる」なんて言葉を口にします。マーク金井的には「やさし過ぎる」というのは最高の褒め言葉だと思いますが、何故かゴルフが上手くないアマチュアの中には、この「やさし過ぎる」クラブを毛嫌いする人が少なからずいます。

では、計測スペックのどこを見れば、やさしさの度合いを具体的に伺い知ることができるのか?

スイートエリアの広さについては、以下の項目で分かります。

見た目にヘッドが大きい
重心距離が長い(40ミリ以上)
慣性モーメントが大きい(2800gcm2)
重心深度が深い(6ミリ以上)
(数値は5番アイアン)

この4つの要素が大きいほど芯を外して打っても距離が落ちませんし、ヘッドがブレにくい分だけ方向性が安定します。ちなみに見た目にヘッドが大きいというのを加えているのは、「人は見た目が9割」と同じ理屈。みために大きいヘッドは何となくやさしく感じ、安心感が増してくるからです。

2013年モデルのアイアンで、この4つの数値が大きいのは‥‥

リンクス SSアイアン

重心距離 35.6mm
慣性モーメント2785gcm2
重心深度13.4mm
                     

フォーティーンTC-330

重心距離 37.1mm
慣性モーメント2372gcm2
重心深度7.7mm
 

ピンG25

重心距離 44.5mm
慣性モーメント2801gcm2
重心深度4.9mm

ゴルフクラシック10月号から(全て5番アイアンのデータ)

ミスに対するやさしさをを求めるならば、この3モデルがぶっちぎりに高性能です。手前味噌ですが、リンクスのSSアイアンは重心深度が13.4ミリ。これは普通のアイアンの2倍以上あります。リンクスSSアイアン、練習場では性能差が分かりづらいですが、コースで使うとその差は歴然。ゴルフ雑誌、EVENの担当者は、このアイアンで生まれて初めて100を切りました~。

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2013年08月23日国内メーカーはなぜロフトが多い3Wを作らないのか?

今週発売中の週刊ゴルフダイジェスト‥‥

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普段は買物の連載でマーク金井が登場しますが、この号では他に2本の企画を手伝っています。1本はテーラメイドのタイアップでSLDRの試打インプレッション。このSLDR、重心は浅くて重心アングルも18.5度と非常に小さいにもかかわらず、同社のロケットボールズ(RZB)に比べるとヘッドの挙動がニュートラル。グローレほどは捕まりませんが、ロケットに比べると捕まります。テーラーの契約選手の多くがR1からSLDRにスイッチしているみたいです。

写真 (95)

そして、もう1本手伝っているのが「3Wはロフト17度が良い」。このブログでも書きましたが、マーク金井が今使っているエース3Wは初代ロケットボールズの3HL。HLはハイローンチの略で3Wにもかかわらずロフトは17度もあります。ロフトだけを考えれば4Wとか5Wに近いですが、ヘッド体積は3Wと同じなのでヘッドが大きく、そしてシャフトも3Wと同じ長さです。

ロフト17度~

ロフト17度~

さて、この3Wのロフト。

アメリカでは昔から17度とかのロフト設定があったりしますが、日本メーカーではほとんどありません。現在市販されているモデルとしてはフォーティーンの兄弟会社であるコンセプトのW422ぐらいです。ロフトが多い3Wがほとんどないので、週刊GDでは3Wを止めて4Wや5Wを使いましょうと締めくくっていました。

ロフトが少ない3Wについては国内メーカーでも作っている所がけっこうあります。ざっと上げてみてもロイコレPRGRBSダンロップなどは15度未満の3Wを出しています。外ブラもツアースプーンとか3+というネーミングでロフト13~14度の3Wをラインアップしています。

では、なぜ国内メーカーはロフトが多い3Wを作らないのか?

国内メーカーのクラブ開発者の多くは、アマチュアがFWで飛距離を稼ぐためにはロフトが必要なのはとうの昔から知っているはずです。ダンロップなどはロフト17度のドライバー(ゼクシオセブンティーン)を出したぐらいですから、ロフトの必要性は重々理解しているはずです。週刊GDではアマチュアの飛距離がロフト別でどう変るのかを比較してましたが、クラブメーカーならばすでにこんなことは検証ずみ。ボールが低スピン化していること、FWが低スピン化していることを考えれば、3Wはロフト17~18度ぐらいが適正なことは分かっています。にも関わらず、国内メーカーはロフト17度の3Wは市場投入してません。

ここからはマーク金井の推測ですが、恐らく国内メーカーは「3Wは15度」というルールに縛られているのではないでしょうか? ドライバーは表記ロフトとリアルロフトにギャップを作っても、なぜか3Wとなると表記ロフトとリアルロフトに差がほとんどありません。このため、アベレージ向けドライバーなんかだと‥‥同一モデルの3Wと比較すると、

ドライバー
10.5度表記(リアルロフト12.5度)

3W
15度表記(リアルロフト14.5度)

なんてモデルもあったりします。結果、ドライバーは球が上がりやすい反面、3Wはボールが上がりづらいなんてことになっています。ちなみに3Wの場合、リアルロフトが増えない理由としてフェースアングルの設定があります。ドライバーと違って、3Wの多くはスクエア、もしくはオープンフェース。オープンフェースになっている場合、リアルロフトはフェースが開いた分だけ減ってしまうからです。例えば、アスリート向けのFWを作るのが上手いロイコレロマロの3Wだと、フェースアングルが-2度前後あったりします。フェースが2度開いていると‥‥15度表記の3Wのリアルロフトは13度ぐらいまで減ってしまう。ヘッドスピードが速い人が使えば吹き上がらずに飛ぶ3Wになりますが、ヘッドスピードが遅い人が使うとボールは上がりません。ただし、ティアップして打つとドライバー並に飛びます。

もしマーク金井がメーカー担当者ならば、ロフト表記しない3Wを作るでしょう。そしてユーザーから聞かれれば、ロフトは15~17度ぐらいなんてファジーに応えると思います。昔、あるメーカーはインパクトロフトと言う表現をしてましたが、それを使えるならば「インパクトロフトが15度」になるスプーンだと応えるでしょう。

17度がFWで一番飛ぶならば3Wではなく、4Wや5Wを使えばいいじゃないか‥‥もちろんこれが正論ですが、ゴルファー心理としてはキャディバッグに3Wを入れたいもの。3Wがバッグに入っているだけ優越感に浸れることを考えれば、ロフトが多い3Wはマーケットがあるとマーク金井は見ています。そして、もちろんこんなことを書いているということは、ハイ‥‥すでにロフト17度の3Wを作り始めています。国内メーカーにもどんどん17度の3Wを作ってもらえたら、日本のゴルファーは今よりもっと3Wを活用できるし、ゴルファーのハンデも確実に減らせるでしょう~。

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2013年08月22日シャフトの「弾き系」と「粘り系」を見極めるポイントとは‥‥

昨日は、新製品「SLDR」ドラコン大会のイベントに参加してきました。場所は新橋のテーラメイド&アディダス。撮影がメインとはいえ、結果が張り出されるというので‥‥必死のパッチで打ったら313ヤードが出ました。設定が強い打ち下ろしホールなので常識外れの距離が出ましたが、体感的にもSLDRの飛び性能はかなりのもの。アナライズの神田スタジオでR1と打ち比べてみたら‥‥SLDRの方が5~8ヤードぐらい飛びました。

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そしてここだけの話ですが、こっそりSLDRに自分が作ったシャフト「W65+」を装着してみたら、この数字よりもさらに5ヤードほど伸びました。

とまあ50過ぎたオッサンの自慢話はこれぐらいにしておきましょう。ここからは昨日の続きです。マーク金井がシャフトを評価する場合、以下の項目についてシャフトを評価してます。

硬さ
トルク感(ねじれの大小)
しなり感(しなりの大小)
しなり戻りのスピード
手元の挙動
中間部の挙動
先端部の挙動
一番しなりを感じるポイント(キックポイント)
粘り系なのか弾き系なのか

この中でも、もっとも評価が難しいのが「粘り系」なのか「弾き系」なのかの見極めでしょう。それでいて、クラブメーカー、シャフトメーカーのカタログを見ると、「このシャフトは弾き系」とか「弾くシャフト」などがキーワードとして多々採用されています。そして、多くのシャフトは弾きをアピールしています。粘りを積極的にアピールしているシャフトはそう多くありません。粘るという言葉は「飛び」と直結しづらいのが影響している感じがします。

では、マーク金井はどんな風にして、シャフトの「粘り系」と「弾き系」を分類しているのか? 数値とフィーリングの両方を考慮してシャフトをジャンル分けしていますが、ジャンル分けのベースとしているのは手元剛性と中間剛性の変化量の差を見ています。昨日のブログで中調子のシャフトは以下のように2つのパターンがあると書きましたが、これが判断基準になっています。具体的に言うと、

中間部分が軟らかい中調子→粘り系
中間部分が硬い中調子→弾き系

ということになります。中間部分が軟らかい中調子シャフトというのは、トップからダウンの切り返しでムチのようにクニャッとしなり、しなりの量も総じて多めです。ムチっぽい動きをするシャフトは切り返した時に粘り感を感じるために粘り系になるのです。もちろん、例外もあって中間部分が軟らかくても弾き感があるシャフトもあったりします。対して、中間部分が硬い中調子シャフトというのは、トップからダウンの切り返しでシャフトのしなりが少なめです。ムチのようにクニャっとしならず、シャフトが棒っぽい感じになります。このタイプはしなり戻るスピードが速くなるために弾き系(弾き感)があります。もちろん、こちらも例外があって中間

部分が硬くても粘り感があるシャフトもあったりします。
粘り系と弾き系の違いを本当に知りたいのであれば、USTマミヤのシャフトを打ち比べると、はっきりと違いが分かります。

アッタスGOGO→中間部分が軟らかい中調子→粘り系
アッタス4U→→→中間部分が硬い中調子→→→弾き系

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です。ちなみに最近リニューアルしたフジクラのスピーダーですが、マーク金井的にはこれは粘り系とジャッジしました。中間部分が軟らかく、ムチのようにピュッとヘッドが走るシャフトだからです。ただし先端側のスピード感が非常にあるので、表現としては粘り系ではなくて走り系のシャフトと言えるでしょう。プロやセミプロ、トップアマの中にはスピーダーを弾くシャフトという人も少なくなですが、そういう人は「走り感=弾き感」と感じているのでしょう。大事なことなので繰り返しますが、マーク金井はトップからダウンの切り返しの挙動がどうなのかで、「粘り系」なのか「弾き系」なのかをジャッジしています~。

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2013年08月21日マーク金井がシャフトを試打する時に考えていること‥‥

2013年のPGAツアー(レギュラーシーズン)は先週の「ウィンダム選手権」で幕を閉じました。石川遼プロは上位に食い込めず惜しくもシード権を逃したのに対して、松山英樹プロはシード権を手に入れました。8月の暑い盛りに2013年が終わるなんてちょっと不思議な感じですが、米ツアーは秋から新しいシーズンが始まります。

このタイムスケジュールに合せているのかどうかは分かりませんが、ゴルフクラブ、シャフトのモデルチェンジのタイミングが早まっています。テーラーメイドはSLDRを8月に、キャロウェイは2代目のレガシーブラックを9月に発売されます。ピンも新しいアスリート向けアイアン、「S55」が出ました。

テーラーメイドの新しいドライバー SLDR

テーラーメイドの新しいドライバー SLDR

シャフトも新製品が目白押しで、フジクラからは新スピーダー三菱レイヨンディアマナWUSTマミヤアッタスGOGO、そして、手前味噌ですが、アナライズからも50g台のウッド用シャフトが2機種、「W55N」と「W55H」がラインアップに加わりました。

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クラブについてはこのブログでも追々試打レビューをしたいと思いますが、今回はシャフトの目利きについて書きたいと思います。マーク金井がシャフトを評価する場合、以下の項目についてシャフトを評価してます。

硬さ
トルク感(ねじれの大小)
しなり感(しなりの大小)
しなり戻りのスピード
手元の挙動
中間部の挙動
先端部の挙動
一番しなりを感じるポイント(キックポイント)
粘り系なのか弾き系なのか

クラブに比べるとシャフトは数値と実際のフィーリングが異なることも珍しくありません。マーク金井がシャフト特性を評価する時は、デジタル(計測値)とアナログ(フィーリング)の両側面からジャッジしていますが、試打者によって評価が分かれやすいのが、

一番しなりを感じるポイント(キックポイント)
粘り系なのか弾き系なのか

の2つ。これは試打者によって評価が分かれます。加えて、この2つはシャフトメーカーと試打者の評価が分かれやすいです。

では、なぜ評価が分かれるのか?

キックポイントについては計測値と試打した時のフィーリングが異なることが影響しています。シャフトメーカーの多くは、シャフトに負荷をかける計測器を用いてキックポイントを計測します。手元側にキックポイントがあるものは手元調子、先端側にキックポイントがあるのものは先調子。そして、そのどちらにも属さないのが中調子です。結果、クラブメーカーが表記する中調子については、2つのシャフトが含まれます。

それは‥‥
中間部分が軟らかい中調子
中間部分が硬い中調子

です。同じ中調子でも、この2種類のシャフトは振り心地(フィーリング)が正反対。砂糖と塩、醤油とソースぐらい違います。なので、マーク金井は中調子のシャフトを評価する時、必ず、中間部分が硬いのか、中間部分が軟らかいのかをジャッジします。ここをちゃんとコメントしておかないとシャフトの特性が分からないからです。逆に言うと、中調子をひとくくりに考えてしまうと、シャフトの特性、ゴルファーとシャフトの相性を読み間違えるリスクが発生します。クラブメーカー、シャフトメーカーは誤解を招かないために客観的な数値(計測値)でキックポイントを表記していますが、親切なメーカーはカタログやネット上で、コメントで中間剛性をフォローしています。

おーっと、テーラメイドの撮影の時間が迫ってきました。この続きは明日~。

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PS.マーク金井が設計したリンクスのナチュラルパターのセカンドロットが入荷しました。このパターはロフトが7度。ロフトを多めに設定することで捕まりが良く、そしてハンドファーストに打ちやすくなっています。わずかですが在庫がございます。次の入荷は1ヶ月後ですので、ご注文はお早めに~。

まだ8/8入荷分は在庫あります。ご予約はこの写真をクリック