マーク金井blog

2013年09月02日難しいクラブで練習した方が上達が早くなるって本当なのか?

月初めにはゴルフ漫画誌が2つ発売されますが、マーク金井が欠かさず読んでいるのがゴルフコミック(秋田書店)。ゴルフ漫画の月刊誌で、レッスン、ギア物、そして本格的な研修生の群像劇‥‥ゴルフ好きにはたまらない内容がてんこ盛りされています。

(表紙はちばてつや先生)
ギア物が好きなこともあってマーク金井が真っ先に読むのが「プライド」。弱小クラブメーカーを舞台に、女子プロの世界が描かれるストーリー漫画ですが、ギア情報はかなり本格的。今回も高反発規制についての図解が分かりやすく描かれてました。

さて、今日のテーマもクラブとスイングの関係についてです。スライスを矯正するには強いフックフェースのドライバーが良いと昨日書きましたが、クラブが及ぼす影響は他にもあります。例えばアイアンを手にした時、

スイング軌道が不安定な人
ミート率が悪い人
100がなかなか切れない人
練習場シングル
メンタルが弱い人
プレッシャーに弱い人
ザックリ、トップが出やすい人

もし、このどれかひとつでも当てはまるならば、できるだけやさしいクラブを使って下さい。

ヘッドが大きい
キャビティ構造(フェースの裏が凹んでいる)
ソールが幅広い
バンス角が強い

こういったクラブはスイートエリアが広くてミスに強いです。大きなヘッドは見た目に安心感があります。バンス角が強いアイアンはダフり強く、ダフっても距離が出ます。要するに、上記の要素を満たすと結果オーライが出やすくなりますし、ミスしても良い結果を得られます。誤解を恐れずに言うと、楽にボギーペースで回れない人は、やさし過ぎると感じるアイアンを使って下さい。

ピンG25

ピンG25 ヘッドが大きく、深いキャビティ、強いバンス角

アマチュアの中には「やさしいアイアンを使ったら」上達できない。難しいクラブを使った方が上手くなれると思っている人が少なからずいます。そして、そう思っている人の多くは、ミスに強い(スイートエリアが広い)やさしいアイアンを使ったら‥‥いいスイングした時と悪いスイングした時の見分けがつかないと思っています。

確かにその通りで、やさしいアイアンは芯を外してもヘッドがブレにくい(慣性モーメントが大きい)ので、ミスしてもミスが手に伝わりません。ミート率の善し悪しを確認するのはやさしくないです。

しかしそれを差し引いても、マーク金井は90を切れない人にはミスに強く、やさしいアイアンをお勧めしています。理由は単純、その方がスコアが良くなるだけでなく、スイングも確実に良くなってくるからです。

では、なぜやさしいを使うとスイングが良くなるのか?

それを解く鍵は難しいアイアンにあります。例えば、50年以上前から作られているマッスルバック。マッスルバックはヘッドが小さくて、慣性モーメントも非常に小さい。芯を喰った時の手応えは最高です、芯を外すとヘッドのブレが大きく、飛距離、方向性が悪くなります。加えてマッスルバックはヘッドの操作性が高いのでシャンクも出やすい。こんな難しいアイアンを90以上叩く人が使うと、こんなスパイラルに陥るのです。

美しいクラブは美しい球を打つのが難しい・・

美しいクラブは美しい球を打つのが難しい・・

芯に当たらないミスショットが続く

思い通りにボールが飛ばない

距離が出ない

芯に当てたくなる

クラブをしっかり振ることよりも

芯に当てることが優先される

難しいクラブを使うと、スイングの軌道や体の動きをチェックすることよりも芯に当てることに意識が向かうのです。結果、スイングの形(フォーム)を矯正するのが非常に難しくなるのです。

対して、やさしいクラブならば芯に当てたい欲が薄れていきます。ミスに対する許容範囲が広ければ、それだけでミート率の呪縛から解放されるのです。そして、当たるという安心感があれば、スイングの形(フォーム)を意識しながら練習できます。また、心理的に余裕ができればいろんな事を試せます。

ちなみに、やさしいクラブでもスイングの良し悪し、軌道のチェックは可能です。iPhoneやスマホで自分のスイングを自撮りすればいい。最近はスイングチェックのアプリが多数出ているので、これらを利用すれば、芯に当たるとか当たらないに関係なく、スイングを客観的に分析できます。そして、矯正したい場所が分かれば、それを自撮りしながら動きを矯正すれば良いのです。

マーク金井がゴルフを始めた40年前は、「2番アイアンが打てないとシングルになれない」なんてことがまとこしやかに言われてましたが、今、そんなことを言うプロは1人もいないでしょう。全米プロシニアを制した井戸木プロでさえ、アイアンは6番からです。クラブが変わればスイングが変わります。ゴルフは成功体験をたくさん重ねた方が、回り道しないで上達できるのです。
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PS.マーク金井が設計したリンクスのSSアイアン。ゴルフクラシック10月号(只今発売中)、ではアマチュアのお助けクラブと高い評価をいただきました。見た目はかなり独特ですが、打てばやさしさが実感できます。ナイスショットが3発続けば、見た目の違和感は吹っ飛びます~。ユーティリティよりもやさしい4番、5番は1本売りもしてます~。

マーク金井の作ったSSアイアン↑写真をクリック


カテゴリー クラブセッティング, スイング、ゴルフ練習法

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