マーク金井blog

2014年01月01日大幅値引き販売はゴルファーにとって本当にメリットがあるのか?

新年あけましておめでとうございます。2014年の元旦、皆さんはどちらでお迎えでしょうか?

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昨日のブログに登場したミックスジューチュ

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マーク金井は実家がある地元大阪に滞在しており、このブログも大阪で書いています。大阪と言えば量販店のつるやゴルフ本店がありますが、ローカルなお店も結構あります。南にはスポーツタカハシ、北にはゴルフマップというユニークなお店があります。どこもゴルフクラブが所狭しと並んでいて、どこもかしこもバリュー(価値)はお値段。スキー同様、大量在庫で値引き販売というのがゴルフクラブ販売のスタンダードとなっています。定価で販売しているゴルフショップはほとんどありません。新製品は30%引きが当たり前。ひとつ前のモデルとなるマークダウン品は40〜50%引きが当たり前です。そして、昨年小売り販売されたクラブの比率を見ると‥‥

マークダウン品>現行品
現行品<マークダウン品

という図式になっています。販売ベースで考えれば、昨年ゴルフクラブを購入した人の過半数は定価の40%引き以上でクラブを手に入れているわけです。

では、ゴルフクラブは安く買えることが本当にいいのか?
ゴルファーにとって安く買えることが本当にメリットがあるのか?

例えば、5万円のドライバーを購入するとしましょう。マークダウン品であれば2万5000円〜3万円で購入できます。買い物としてはかなりお買い得感がありますし、衝動買いしたくもなってきます。しかし販売する側として考えればどうでしょうか?

リアルの販売店にとっては値引きが大きい=粗利が減る。
薄利多売にすればいいという考え方もありますが、ゴルフクラブは消耗品ではありません。クラブをしょっちゅう買い換える人を除けば、年に1度も買うことはない商品です。結果‥‥

販売店においては、
粗利が減る=経費削減
経費削減=人件費の削減
人件費の削減=接客サービスの低下(アルバイトの増加)

加えて、大幅値引き販売が主流になってしまうと、流通は体力勝負になってきます。資金力がある大手しか生き残れなくなってしまいます。個人でやっているお店が生き残りづらくなります(すでに減っています)

クラブメーカーにおいては
マークダウン=仕入れ価格の見直し(値下げ)
仕入れ価格が下がる=粗利が減る
粗利が減る=クラブ開発費の削減

ここからはマーク金井の推察ですが、5万円で販売する前提でクラブを作るのと、2万5000円で販売する前提でクラブを作るのとでは、開発費、製造原価にかなりの影響が出ます。ユーザーにとっては5万円のクラブを安く購入しているという感覚ですが、販売側、メーカー側から考えると2万5000円のクラブを売る前提で、コスト計算している可能性が高くなってきます。もし、マーク金井の推察が当てはまるならば、ユーザーは2万5000円のクラブを買っていることになるのです。これではお買い得感というのはほとんどありません。

今、アウトレットモールが国内の至る所にありますが、アウトレットが当たり前になれば、メーカーはアウトレット用の商品を作る。これと同じことがゴルフ業界においても蔓延する可能性が出てきます。もしこの仮説が当たり前になってしまえば、高いモノを安く買っているのではなく、安いモノを普通に購入するだけのことになります。インターネットが市民権を得た今、抜け駆けしてどこかのお店だけが他のお店を出し抜いて「他より安く売る」なんてことはできません。ひとつの店が安売りすれば、それを追従していくお店が必ず登場します。そうなれば、安売りが安売りでなくなります(笑)

いくらが適正価格なのかは議論が分かれるところですが、新製品が出ていきなり30〜40%引き、半年前ぐらいのモデルが40〜50%引きというのは決して健全なマーケットでないことだけは事実です。そして日本ならではなのが、クラブの価格設定。日本では価格のカテゴリーが明確にありません。メーカーによって値付けは様々で、そして米国に比べると高価格帯のクラブが多いです。アメリカのようなリーズナブルな値付けをしているのはPINGぐらいでしょう。

なんでもかんでも米国を追従するのが良いとは思いませんが、ことゴルフクラブの販売価格に関しては、米国式の方がマーケットが健全です。例えば、ドライバーだと、主な価格帯は3つ‥‥

399ドル
299ドル
199ドル

どのメーカーもほぼ横並びでこの価格帯でクラブを販売していますし、小売店もこの価格を遵守しています。もちろん例外もあって、売れないクラブはマークダウンが入りますが、基本的にはゴルフクラブが日本のように大幅値引き販売されることはありません。

1円でも安く購入するというのは消費者として賢い選択ですが、その度が過ぎると安く買っているつもりが、実は安い商品を買わされているというリスクも増してきます。さて、2014年はどんな風にゴルフクラブは売られていくのでしょうか? これかもしばらくは良くも悪くも「大幅値引き販売」が続くでしょうが、少なくともアナライズはこれに追従しません。ゴルファーに安いクラブを提供するのではなく、ゴルファーのスコアが良くなるクラブ、スイングが良くなるクラブを提供したいと思っています。40%安いクラブを提供するよりも、スコアが40%良くなるクラブを提供した方が、ゴルファーにとって本当にお買い得だとマーク金井は思っています〜。

それでは皆様、今年もよろしくよろしくお願いします〜。

(▼▼)b

今アナライズでは

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よろしくお願いします。


2013年12月31日超私的な2013年ゴルフクラブランキング〜(▼▼)b

今年も残すところ後1日、大晦日となりました。マーク金井は毎日仕事して、毎日遊ぶ人間なので基本休みはありせんが、唯一例外なのが年末年始。大晦日と元旦の2日間だけではお休みします。今年はブログとメルマガを大晦日に執筆しますので完全休業は元旦だけになりそうです(笑)。こんな風に書くとワークホリックな感じがしますが、実際は大違い。仕事の合間に9ホールプレーしますし、仕事の合間に芝居をしょっちゅう観に行きます。仕事しながら遊ぶとも言えますし、遊びながら仕事しているとも言えます。要するに、飽き性なんでしょう〜。フリーになって25年近く経ちますが、この生活をずっと続けてます。

さてさて、今日のエントリーは大晦日の定番テーマ、ランキングがテーマ。もちろんマーク金井ですからゴルフクラブのランキングをやりましょう。まずはドライバー。GDO毎週新作ドライバーを試打しています、ゴルフ雑誌などでも試打しているので、おおよそ主力ドライバーは全部打ってます。そんな中、
きわめて主観的なトップ3を上げると、

ドライバー部門トップ3

ブリヂストン ツアーステージGR
ヨネックス イーゾーンXP
フォーティーン CT-112

タイトリストの913、ピンのG25、テーラーメイドのSLDRとかもいいドライバーで、飛距離性能も高いんですけど、超私的なランキングとなるとランク外になりました。これらのドライバーはヘッドの座り方が独特。ヘッドをポンと地面に奥と、コロッとフェースが開く方向にヘッドが回転します。フェースをスクエアにするにはヘッドを宙に浮かせることが求められます。これが、マーク金井的には減点材料になってしまいました。逆に言うと、ランクインした3モデルはいずれもヘッドの座りがGOOD。ヘッドをポンと地面に置くと、フェースが目標を向いてくれます。ここのモデルについては‥‥

ツアーステージGR

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重心特性的にはごくごくオーソドックス。ものすごく低重心ではないし、重心距離も普通。スペック的には際だってませんが、とにかくヘッドの挙動が安定していて芯を喰いやすいドライバー。そして、ルール適合モデルの中ではフェースの弾きが強く、ボール初速が出ます。

イーゾーンXP

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マーク金井がレッドデビルになってお手伝いしてますが、このドライバーの特徴はカウンターバランスグリップ。グリップ重量は50gのままですが、グリップエンド部分が20gと重くなっています。この効果で重いヘッドでも振り切りやすくスイングに好影響が出るクラブに仕上がっています。クラブ重量が300gを少し超えていて、軽すぎないのも高評価につながりました。

CT-112

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最初試打した時はそんなに好印象ではなかったのですが、片山晋呉プロがずっと使っているので、興味をもって中古クラブを購入。スピーダー569を装着し、46.5インチに仕上げたらぶっ飛びドライバーになりました。超ハイバックな形状は好みが分かれますが、長尺にした時でもヘッドの挙動が安定します。
長尺にする時、カウンターに仕上げると振りやすいドライバー。マーク金井は60gのヘビーグリップを装着し、今年、フジクラの生中継試打で自己最高飛距離を更新しました。

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アイアン部門トップ3

ピンG25
タイトリストAP1
フォーティーンTC777

ドライバーに比べると、アイアンをちゃんと試打する機会は少ないです。ちゃんと言う意味はライ角が合っていない状態で試打することが少なからずあるからです。ちなみに、神田のスタジオで試打する時、ライ角調整できるモデルは試打の時にグイッとネックを曲げて適正ライ角で試打します(笑)

G25

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先般、一目惚れしたS55と比較試打してみて改めてG25がいかにやさしいか思い知らされました。シード選手の塚田プロも使ってますが、とにかくミスに強い。大型ヘッドですがバンス角もちゃんとあります。重心距離が長いので、フェースをシャットに使う人と相性が良いアイアン。そして何より、ライ角が豊富に選べるのがGOOD〜。

AP1

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これは来年発売されるモデルの方です。マーク金井のエースアイアンはタイトのVG3(2代目)ですが、これの良い所どりしたアイアン。G25と同じく大型ヘッドでミスに強く、そしてバンス角もちゃんとありました。タイトというとプロ、上級者向けのイメージが強いし、そういったモデルが売れています。しかししかし、スコアアップを本気で目指すならばAP1はオススメ。ステンレス鋳造ですが、ライ角調整も可能だという情報を得てます〜。

TC-777

見た目はごくごく普通のキャビティ。バックフェースは拍子抜けするぐらいシンプル。誰でもデザインできそうな顔つきですが、打ってみるとバランスが素晴らしいアイアン。キャラクター的にはGRと同じく、どこかを特化させるのではなくて、バランス重視。重心深度が深いので、それがやさしさ、ミスの強さを生んでいるのが実感できるアイアンです。軟鉄鍛造なのでライ角調整できます。フォーティーンの中ではバンス角を感じさせてくれます。

ウエッジ部門トップ3

キャスコ ドルフィンウエッジ

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クリーブランド スマートウエッジ

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リンクス EKBウエッジ

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今年はユニークウエッジの当たり年です。ドルフィンは最初試打時には、特に印象がありませんでした。マーク金井が使うにはライ角がフラット過ぎ、肝心のソール(ネック側)が前々使えなかったからです。中古で購入してライ角調整して使ったら、「なんだこりゃ〜」ってぐらいバンカーショットがやさしくなりました。スマートウエッジは最初みた時、「あっ、やられてもうた〜」って感じ。マーク金井が作りたいウエッジを先にこされたからです。EKBウエッジは手前味噌ですが、バンカーショットに特化させたおかげで(フェアウェイから使用禁止)、多くのアマチュアゴルファーから支持いただきました。

今年もいろんなクラブを試打してきましたが、2014年も年明けから大手メーカーが次々と新商品を出してきます。ガンガン試打して、ガンガンブログにアップしていきます〜。

来年もよろしくお願いします。それでは皆様、よいお年を〜(▼▼)b

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よろしくお願いします。


2013年12月30日クラブ選びの極意となる竹林隆光さん語録‥‥

今年も残すところ後2日。大掃除も済んで後はお正月を迎えるだけの人も多いでしょう。マーク金井は昨日から地元大阪に滞在。2日が仕事始め。ゴルフの予定はありませんが、天気が良ければ2日か3日に近場でハーフプレーを予定しています。

さて、今日のエントリーは竹林隆光さん語録です。竹林さんはこれまで様々なメディアに登場していますが、クラブ選びについては斬新なアドバイスも多々ありました。そこでマーク金井が大好きな竹林語録をいくつか紹介したいと思います。

竹林語録その1
「バランスなんてインチキですよ」

バランス計

バランス計

今でも多くのゴルフクラブにはD0とかD2とかバランス表記されています。また、ゴルファーの多くは自分のクラブ総重量を知らなくても、バランスは知っています。「自分はD1がちょうどいい」なんて思っているゴルファーも少なくありません。しかし、竹林さんもいろんな所でおっしゃってますが、バランス理論はすでに崩壊しています。理由は単純、昔と違って、シャフト重量、グリップ重量のバリエーションが豊富になったからです。

バランス理論が成立していたのは、ドライバーのヘッド素材がパーシモン、シャフトがスチールのまで、グリップの重さもほとんど変わらなかった頃までです。シャフト、グリップの重さが同じであれば、バランス理論は成り立ち、バランスを知ることでヘッドの効き具合、クラブを振った感じを揃えることができました。

しかし、今はシャフトは40g〜80gと倍ぐらい重量が異なります。グリップにおいても軽いのは30g弱、重いのは55gぐらいあります。こうなってしまうとバランス理論は成り立ちません。

軽いヘッドに軽いグリップを装着したD1と、重いヘッドに重いグリップを装着したD1とではまったく振り心地が異なります。また、バランス理論はシャフト重量も影響があるので、40gのシャフトを装着したD1と70gのシャフトを装着したD1とでは振り心地が異なります。竹林さんもおっしゃってますが、今のクラブの振り心地を正しく知るには‥‥

ヘッド重量
シャフト重量
グリップ重量
クラブ総重量

この4つの重量を知ること。竹林さんはヘッド重量と総重量を知ることが大事だとおっしゃってますが、マーク金井はそれにプラスしてシャフトとグリップの重さも重要視しています。なにしろ、今どきのドライバーときたら、この2つを軽くすることで総重量を軽くしたがるモデルが増えてきたからです。

竹林語録その2

「不思議に感じるのは、どれが一番スコアが良くなりますか?という質問がまずないことなんですよ。」

これぞ至極の名言です。この言葉の前に、アマチュアゴルファーに対する質問は「どれが自分に一番合っていますか?」「どれが一番飛びますか?」というのが圧倒的に多いんですねと、竹林さんは語っています。

マーク金井は8年前から神田にスタジオを作り、クラブ診断をのべ1000人以上行っていますが、まったく同じ質問を受けます。スコアを良くするクラブを求めるゴルファーは非常に少なく、自分に合ったクラブを教えてほしいという質問が圧倒的に多いです。竹林さんは、そんなゴルファーに対してこんなアドバイスを送っています。

「どのようなクラブを選んだら一番スコアが良くなり、また、なお一層の上達が期待できるかということが本来、クラブに求めるべき一番大切な本質だと思うのですが、そうした本質を求める人はほとんどいないんです」
(ゴルフクラブの真実より引用)

手前味噌ですが、マーク金井はまさに一番スコアが良くなるクラブしか設計しません。ゴルフは数をいかに減らすかが大事だからです。SSウエッジしかり、SSアイアンしかり、EKBウエッジしかり、ナチュラルパターしかり。スコアが確実に良くなるクラブを作ることにこだわったのも、知らず知らずの内に竹林さんの影響を受けたのかも知れません。

明日はいよいよ大晦日。もちろんブログは休みません。2013年を締めくくるエントリーを書きましょう〜。

(▼▼)b

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2013年12月29日クラブデザイナー竹林隆光さんへの追悼ブログ‥‥

株式会社フォーティーンの創業者、竹林隆光さんが12月27日、心不全のためにご逝去されました。享年64歳です。

竹林さんと言えば、ゴルフ業界で知らない人はいないクラブデザイナーです。ゴルフクラブが感覚だけで作られていた頃から、クラブを精密分析してクラブを設計。中空アイアンを作ったり、タラコと呼ばれる元祖ユーティリティクラブを設計されてます。革新的なクラブを作ることでは、日本を代表する、いや世界を代表するクラブデザイナーです。

その一方でゴルフメディアにも精力的に登場し、ゴルフクラブのメカニズムについて紐解いていただきました。マーク金井は1989年からゴルフ業界に入りましたが、入ってそうそうに竹林さんに取材をしました。当時、アルバの編集部員でしたが、フリーに転身してからもことあるごとに高崎や吉井(どちらもフォーティーンの本社)に出向き、クラブの選び方、クラブの目利きについていろんな話をこれでもかってぐらい伺いました。2005年にマーク金井はアナライズを設立しましたが、そのきっかけを作っていただいたのも、他ならぬ竹林さんです。クラブを計測&分析する会社を設立したくなった素地を作っていただきました。

竹林さんとの出会いは本からです。ゴルフ雑誌「チョイス」で企画された記事を読んでお名前を知り、クラブに対する基礎知識を学びました。今でも、「上手なクラブ選び」(1985年刊)と「ゴルフクラブの秘密」(1987年刊)の本は手元にあります。

この頃、ドライバーはパーシモンが主流でした〜

この頃、ドライバーはパーシモンが主流でした〜

 

どちらも1980年代に書かれたもので、ドライバーのヘッドは木製のパーシモン、シャフトはカーボンシャフトが出始めの頃です。この頃はまだ重心距離、重心高、重心アングルといった重心に関する具体的な記述はありませんでしたが、これまでのクラブ本と違って物理的な記述が多々あって食い入るように読み漁りました。

竹林さんが数値を全面的に出してきたのは1990年を過ぎたくらいから、ドライバーのヘッド素材がチタンになってきはじめた頃ぐらいではないかと記憶しています。マーク金井が今でもしょっちゅう読んでるのが1995年7月号のゴルフ雑誌「チョイス」です。

この頃のチョイスは隔月発売〜

この頃のチョイスは隔月発売〜

レイアウトも斬新でした〜

レイアウトも斬新でした〜

 

ここでは、今どきのゴルフ雑誌以上にクラブヘッドの数値が細かく紹介され、数値の見方も細かく説明されています。具体的に言うと、

ヘッド重量
ヘッド体積
新重心の高さ
有効高さ率
リアルロフト
フェース厚
重心高さ
重心距離
重心深度
LD値
ヘッド厚
フェースプログレッション
重心角(重心アングル)
フェース角(フェース向き)
慣性モーメント

ここでは大ヒットした初代セイコーSヤードも紹介されており、数値的にもアマチュアに使い勝手が良いことが証明されてました。初代のSヤードはフェース角が+2.5度と超フック。スライサーにやさしい理由が数値で分かるように解説されています。そして数値でユニークなのがLD値。Lが重心距離でDが重心深度。この2つを掛け合わせたものがLD値で、LD値が大きいほど捕まりが良くて方向性が良く、しかも飛ぶ可能性が高いと解説されています。マーク金井は重心距離と重心深度の数値の差が少ない方がヘッドの挙動が安定すると解説することが多いが、それを最初に教えてくれたのが竹林さんです。

そして、時間は少し空きますが今でもクラブ選びのバイブル本として位置づけているのが「ゴルフクラブの真実」(パーゴルフ新書 2008年刊)。新書なので写真やイラストは1点も入っていません。すべて竹林さんの一人語りの本ですが、その内容はクラブの本質や概念を説明した上で、さらにクラブとはいい関係を築くとはどういうことなのかという、クラブとスイングのマッチングについても書かれています。具体的に言うと、

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重心距離が長いクラブにはシャットフェース
重心距離が短いクラブにはスクエアフェース(フェースの開閉)

竹林さんは5年以上前から重心距離の違いでスイング理論は変わることを力説されています。マーク金井はそれを追従したくて、いろんなメディアで竹林さんと同じことを語っています。他にも「自分にぴったりなクラブはない」等と歯に衣着せぬ発言が多々ありました。

数えだしたらきりがありませんが、ゴルフクラブがここまで進化してこれたのは竹林さんの影響が非常に大きかったと思います。ゴルフクラブがこれからどんな風に進化するかは予測が付きませんが、少なくともヘッドの数値、重心位置に関しては竹林さんのフィロソフィーを継承していくことは間違いないと思います。

2014年もいろんなクラブが登場してくると思いますが、そろそろクラブメーカーもスイングとクラブの関係性について触れてもよい頃だと思います。どこのメーカーが最初に手を上げるかは大いに興味ありますが、もし、どこもクラブとスイングの関係性についてアナウンスしないのであれば、オイラがアナウンスします。来年もいくつかのクラブをリンクスから登場させますが、自分が設計したクラブに関しては、ヘッドのスペックをきっちり紹介しつつ、「こんなスウィングにはこのクラブが合いますよ」とアナウンスしていきます。

竹林さんがお亡くなりになられたことは非常に悲しいことですが、それと同じくらい悲しいのが‥‥

クラブによってスイングは作られ、
クラブによってスイング理論が変わる

という現実を知っているアマチュアゴルファーが少ないことです。竹林さんから何も託されていませんが、今年もオイラはクラブがスイングに及ぼす影響ついては、多くのメディアに訴えかけていきたいし、本も執筆していきます。不遜なのは重々承知してますが、それが何よりもの竹林さんへのご供養になると思っています‥‥合掌

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アナライズは31日から3日までお休みします。30日までのご注文分、在庫があれば31日に出荷できます。よろしくお願いします。

 


2013年12月27日ヤマハインプレスRMXツアーモデルを解体してみた!!

マーク金井と言えばサングラス、サングラスと言えばマーク金井と言われるようになって10年ぐらい経ちました。その間、ずっと愛用しているのがオークリーのサングラス。最初はフレームが一体成形のMフレーム Mフレームが生産中止後は、レーダーをかけています。オークリーを使う理由は単純、デザインが秀逸なのもさることながら、ホールド感が優れているからです。眼鏡というと掛けるものというのが常識ですが、ことオークリーに関していえばフレーム全体が頭にフィットします。この類い希なるフィット感のおかげでスイング中にサングラスがズレることはまずありません。

そんなオークリーフリークが、昨日初めて原宿の直営店に行ってきました。オークリーはサングラスだけでなく普通の度入り眼鏡も販売しています。視力の細かい検診、目の解体をやっていただいた結果、約40分間の診断で分かったことは‥‥

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軽い近視でした〜(▼▼)b

軽い近視でした〜(▼▼)b

 

軽い老眼と、軽い近視。視力は右目が0.8、左目が0.7。そして左目は軽い乱視でした。そこから黒目の位置のチェック、鼻の高さのチェック。マーク金井の場合、黒目の位置の左右差は2ミリほどありました。それにしても、目の状態をここまで解体してもらったのは初めての経験。そして、視力矯正の眼鏡をかけると景色がガラッと変わることを生まれて初めて経験しました。遠くの景色がくっきり鮮やかに見えると、もう裸眼に戻れないかもです(笑)

さて、今日のエントリーは「リヘッド革命」がキーワードになっているインプレスRMXツアーモデルのヘッド性能についてです。初代もそうでしたが、2代目となる今回もRMXシリーズはヘッドだけでも購入可能。初代はヘッドが1種類のみでしたが、2代目はヘッドが3種類ラインアップ。その中でももっともハードなのがツアーモデルです。

ツアーモデルのメーカー公称値は‥‥

ヘッド体積 435cc
ヘッド重量 未公表
重心距離  34mm
重心深度  33mm
フェース高 51mm
重心高   30mm
重心アングル 未公表
フェース向き ±0度

それに対して、実測値は‥‥

ヘッド重量 197.5g
重心距離  35.25mm
重心深度  33mm
フェース高 50mm
重心高   32.75mm
重心アングル 19度
フェース向き ±0度

ヘッド重量はスリーブ込み〜

ヘッド重量はスリーブ込み〜

 

ネジを入れ替えると重心距離だけでなく、重心高さも少し変わります〜

ネジを入れ替えると重心距離だけでなく、重心高さも少し変わります〜

個体差、そして計測方法によっても数値は若干変わりますが、このツアーモデルに関しては、メーカー値と測定値に大きな誤差はありません。しいて上げるならば重心高が実測値の方がやや高いと感じるぐらいです。数値的にユニークなのがフェース高。ツアーモデルですがディープフェースではありません。今どきのドライバーの中では、シャローフェースな部類です。

では、肝心のヘッド性能はどうなのか?

昨日、赤羽で実践投入しましたが、ツアーモデルらしさを強く感じたのがヘッドの挙動。重心距離は短めですがスイング中にヘッドが返る度合いが希薄です。真っ直ぐ打つつもりでスイングしたらフェード弾道になりました。これはひとえに重心の浅さ、そして重心アングルの少なさが影響しています。このブログでも何度か書きましたが、重心距離に対して重心深度が浅いとヘッドは返りづらくなります。そして何より、重心アングルが小さいとヘッドが返りづらくなります。重心アングルが19度というのは市販ドライバーの中でも少ない部類です。今どきのドライバーの重心アングルの平均値は22〜23度。25度を超えてくるとヘッドが返りやすくなって(例外もあります)、20度を下回るとヘッドが返りづらくなってきます。

そして歴代のヤマハのツアーモデル(かつてのVシリーズ)同様、このRMXツアーモデルも低スピン弾道が打ちやすいなっています。重心高はことさら低くありませんが、スピンが少ない弾道がオートマチックに打てます。このあたりは謎な部分もありますが、打点位置をチェックすると、そうじてフェース上側になります。フェースの上側に当たりやすいので(結果、縦のギア効果で)、スピンが減った弾道が打ちやすくなっているのでしょう。

これまでのツアーモデル(Vシリーズ)と異なり、今回のツアーモデルはチーピンが出づらくなっているのも好印象です。インサイドからあおって打っても怖い球が出ないので、プロ、上級者だけでなく中級にも扱いやすくなっています。ただし、これまで同様、ボールが楽に上がるクラブでもありませんし、リアルロフトも多くありません。マーク金井は迷わず10度をチョイスしましたが、このツアーモデルは10度でも球が上がりすぎません。9度はかなりのハードヒッター向けというのはこれまで通りですね〜。

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クリスマスプレゼントしてます。この機会にぜひ

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