腑に落ちる。その通りだな、と思うことである。
今日はゴルフ業界で盛んになっている各種「フィッティング」の中で、個人的にものすごく“腑に落ちた”ことについて紹介したい。それはタイトリストのボールフィッティングでのこと。US本社でボールフィッティングのリーダーとして活躍する敏腕フィッターが次のようにアドバイスをくれたのだ。
「ベストスコアに近づきたければ、とにかく使用するゴルフボールを固定してください。
少なくても一年間はボールの銘柄を変えないでプレーするのです」彼はその前段、私のキャディバッグを指差しポケットに入っているゴルフボールを全て出すように言い、「何種類のゴルフボールが入っていましたか?」と問うたのだ。私のバッグには4種類のブランド、銘柄の異なるゴルフボールが入っていた。
「これではショートゲームはうまくいかないでしょう」と彼は続け、とにかく使用するゴルフボールを決めましょうとアドバイスをくれた。確かに、パッティングやショートアプローチなどでゴルフボールの違いは明確になる。打感、打音、飛び出すスピード、角度、フェースへの乗り感。そしてスピンの入り方、解け方。素人でもわかる明確な違いが各モデルにはある。
「それぞれパフォーマンスが異なるゴルフボールで、イメージ通りに一貫性のあるショートゲームを得ることができるのですか?」
そう言われた時に、ものすごく“腑に落ちた”。
確かにそうだよなと思ったのだ。どんな一貫性の高いゴルフクラブを手にしても、肝心のボールがその都度ちがっていれば、一貫性ある結果など望むべくもない。クラブ選びの大前提としてはまず、使用ボールが決まっていて、そのボールでイメージするパフォーマンスが得られやすいゴルフクラブを選んでいく。そういう順番になるのが普通なのである。普通とは、ツアープレーヤーや上手い人の常という意味でもある。
さて、皆さんのキャディバッグからは何銘柄のゴルフボールが出てくるだろうか? OBやウォーターハザードに打ち込んでボールが無くなる度に、キャディバッグをガサゴソして出てきたボールでとりあえずプレーを続けているのではないだろうか?
そして、グリーンまわりに行って「アレ?さっきとアプローチやパットの感じが違うな」と思っているのではないだろうか? それは自分がうまく打てなかったせいではなく、ゴルフボールの性能差かもしれないのだ。
ゴルフはプレーヤーである自分が最も変わりやすい。ゴルフクラブもなんだかんだ、常に良いもの探し、試しているので不確定。その上、ゴルフボールには頓着しないのでは定まりようがない。
ラウンドでバタバタしないゴルフを目指すためにも、まずは使用するゴルフボールを特定し、固定化したい。少なくても一年、同じモデルでプレーしてみていただきたいし、できれば「マイボール」を持参し、いつものボールでクラブフィッティングや試打比較をしてみて欲しい。とくにパターやウェッジは「マイボール」で試すことが大切である。
(書き手/高梨祥明)
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