マーク金井blog

2023年10月16日ゴルフの上達に欠かせない「道具」の話 第28回「こだわるべき数字とは!?」

 

かつてドライバーは「1番ウッド」と呼ばれた。諸先輩方には何を今さらと怒られそうだが、最近ゴルフを始めた人たちにとって「1番ウッド」は、完全に昔話である。

 

 

 

 

なぜなら、今のドライバーには「1」なんて刻印は打たれていないからだ。

 

 

 

 

あえて「1」と書かなくても、問題なくゴルフができている。これが今日のポイントである。過日、お気に入りのUT(21°)よりも飛んで、ドライバーよりも飛ばないフェアウェイウッドを、「色々持っているコレクション」の中から改めて探してみていたのだが、「そういえば」と思い出して、ブリヂストンのJ’sメタル(初代)の4番ウッドを引っ張り出してきた。

 

 

 

化石のような古いメタルヘッドだが、シャフトは日本シャフトのレジオフォーミュラに替えてある。最近、思うところあってわざわざ組んだ実験クラブだ。「そういえば」、このクラブが一番思った方向と高さに飛んでくれていたな、と思い出したのである。

 

 

 

改めて打ってみたが、やはり出球の感じは以前感じた通り。イメージした感じでボールが出ていってくれる。インパクトでボールに当たるタイミング、球離れのタイミングも心地よい。ステンレスメタルだがキン!と弾く感じがなくて、今使っているティショットクラブにも似ているような気がした。

 

 

 

ソールには「4」「17°」と刻まれている。ロフト17°の4番ウッド(バフィ)である。

 

 

 

1990年代初めのメタルウッドの4wと、今現在の最新4wを比べたらどうなるか? なんてことからはもうとっくに卒業している。それをすれば、ほら、やっぱり昔のクラブは全然飛ばない!というレッテルを貼るだけになることがわかりきっているからだ。

 

 

4番ウッドとして考えると、○○○ヤード飛んでいなければならない、今の4番と同レベルに飛んでいないとならないとなってしまうが、そういうコトからはもう卒業しているのである。

 

 

 

 

「4」と書いてあろうが、「17°」とあろうが、そのクラブで出る距離をきちんと把握する。そして、その「距離」という数字を持って、愛用セットのどこに差し込むのかを考える。そういう感覚になっているのである。距離的には、最新のクラブからすればキャリーは7wくらいだろう。弾道が低めなぶんランが出るので、それよりは飛ぶ感じになるはずである。

 

 

 

個人的には、「4」「17°」も書かれていなくてもいい数字。世の中にはもっと飛ぶ「4」もあれば、もっと高く上がる「17°」があると思うが、それを手にしたとて…である。書いてあるから比べたくもなる。ゴルフクラブ選びの楽しみ、基準は、○番で○○○ヤードだけではない。「よくわからないけど、構えやすいし、打感が気持ちいし、だいたい意図した方向に飛んでいってくれるんだよね」、そんなふうに感じられる自分だけのモノを手にする喜びだってあるのだ。

 

 

 

古くても、最新でも。安くても高くても。不人気でも人気でも。○番って書いてあっても、なくても。とりあえず関係ないではないか。コースに出た時に、残り○○○ヤードだからコレで打つ!ということがわかってさえいれば、気持ちよくゴルフができる。実際にあえて「1」と書かなくても、問題なくゴルフができているのだから。

 

(書き手/高梨祥明)

 

 

もっと遠くへ!ではなく、狙った距離にコントロールして打つゴルフの面白さ。マーク金井のYoutubeチャンネル「オルタナゴルフ」素人のゴルフ・スコットランド編もぜひご覧ください。

 

 


2023年10月15日超私的な提案  難易度が低いコースで腕を磨くとっておきの方法とは!?

 

 

9月の下旬から12日間ほどスコットランドに行ってきました。6月に続き2度目の再訪となりましたが、今回は東海岸はノースベリックのみで、西海岸のリンクスを巡礼。

 

 

 

第1回に全英オープンを開催したプレストウィック、2024年に全英が開催されるロイヤルトルーン、全英を何度も開催したターンベリー、そしてキンタイヤ半島の先端に位置するマクリファニッシュをプレーしてきました。

 

 

7日間で7つのコースをプレーしてきました。今回も目標はボールをできるだけ無くさないこと、バンカーにはできるだけ打ち込まないことを意識してのプレーを心がけ、その結果、無くしたボールは2個、バンカーに入れたのは5回。リンクスならではの雨と強風下でのプレーが続いたことを考えると上出来でした。

 

 

 

10月3日の夜に帰国し、翌日は朝4時に起きて赤羽ゴルフ倶楽部にて早朝プレー。リンクスと違って河川敷にはポットバンカーも無ければ、深いラフもありません。赤羽の方が難易度は高くありませんが、超私的にはプレーの難易度を上げています。

 

 

具体的に言うと、ラフに打ち込んだらペナルティを科してプレーします。リンクスに比べると河川敷のラフは脱出は難しくありませんが、ティショットでもセカンドでも左右に曲げたら(ラフに入れたら)、その時点で打損するようにしながらプレーするのです。

 

 

 

YouTube動画でも紹介してますが、

 

 

ティショットもセカンドもフェアウェイ(花道)にボールを運んだら+1点、ラフ(林、池、OB、ワンペナ)ならば-2点。パーオンすれば+1点、ボギーオンは±0、ダボオンしたら-1点、トリプルオンなら-2点、、、

 

 

 

 スコアだけでなく、ボールをどこに運んだかをジャッジしながらプレー。

 

 

 

 

これをやり始めてからは赤羽の難易度がグッと上がります。7月ぐらいからこのプレーを始めたおかげでティショット、セカンドの精度が上がり、その成果がリンクスのラウンドでも大いに役立ちました。説明するまでもありませんが、赤羽でのフェアウェイキープ率が上がれば、リンクスのフェアウェイキープ率も上がってくるのです。

 

 

 

 ゴルフは確率のゲームです。

 

 

 

フェアウェイにボールを運ぶことができれば、難易度が低いコースだけでなく難易度が高いコースでもスコアメイクに苦労しません。フェアウェイはフェアなウエイ(場所)だからです。

 

 

 

リンクスがどれぐらい風が強いかについてはYouTubeの動画にアップしてます。こちらもご覧いただけますと幸いです。

 

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2023年10月10日ゴルフの上達に欠かせない「道具」の話 第27回「選択肢とは何かを考える」

 

「選択肢が増えるほど選べなくなる(Jam study/決定回避の法則)」というのは、我が身に照らしても「心理だなぁ」と認めざるを得ない。しかし、ゴルフクラブに関してもそうかと言えば、答えは「No」である。たくさんの新製品を前にしても、コレかな? それともアレかな?と迷うことが少ない。コレじゃない、アレでもないとすぐに取捨選択をすることができるのだ。

 

 

 

それはなぜか?

 

 

 

自分が欲しいゴルフクラブのイメージがはっきりしているからである。

 

 

 

例えば、ドライバーの場合は「最大飛距離」ではなく、フェアウェイの幅に打っていける「正確性」が欲しい。そうなると、驚くほど飛距離が出る!というドライバーほど、自分の選択肢からは除外される。なぜならば、キャリーが伸びれば伸びるほどインパクトでの打ち出し方向の管理がシビアになるからだ。

 

 

 

例えばまったく同じ角度で右に打ち出したとしても150ヤード、200ヤード、250ヤード、300ヤードと距離が出る毎に、目標からのズレ幅は大きくなる。飛ぶクラブほど常にスクエアインパクトできる技量が求められる。そういう感覚を持っているのである。現在発売されているドライバーはすべて「飛距離」を伸ばすために開発されたもの、として考えると、フェアウェイの幅に打っていける「正確性」が欲しいと望んでいる私自身にとっては、今一つ選択肢に乏しいと感じられる状況。それが冒頭、たくさんの新製品を前にしても、コレかな? それともアレかな?と迷うことが少ないと書いた理由である。

 

 

 

「選択」とは、選んだ結果が違ってくるからこそできるものである。

 

 

 

今のドライバーはどれを使っても同じようによく飛ぶ。平均して高レベルになっているから、たくさんあるほど一本に絞るのが難しいのではないだろうか? よく飛ぶドライバーが欲しい多くの人にとっては、より取り見取り過ぎて逆に大変な時代であるといえよう。逆に、最大飛距離じゃないんですよ、僕が欲しいのは!と思っている人にとっては、いまいち最新に興味を持ちにくい時代といえる。選択肢がないからこそ「ちょっと前のドライバーの方が狙い打ちはしやすかったよな……」と、自ら選択肢を現在+過去へと広げていくことになるわけだ。

 

 

 

マーク金井がオルタナゴルフで提案している、“ヤングタイマー”モデルや短尺スチールドライバーがまさにそれだ。

 

 

 

誤解のないように書いておくと、古いのが良くて、今のドライバーがダメだと言っているわけではない。最大飛距離が欲しいならば、最新ドライバーの中でから選んだ方がいいのは明白。でも最大飛距離狙いではないのなら、過去にも使いやすいモデルはあるよね、と言っているだけなのである。

 

 

 

どのラーメン屋がおいしいだろう?と悩むのも「選択」。今日はラーメンにしようか、和食にしようかと悩むのも「選択」である。今のゴルフクラブ開発、とくにドライバーはどちらかといえば、うまいラーメン屋を探す「選択」。和食派には選びようのない感じといえば、わかっていただけるだろうか。
(書き手/高梨祥明)

 

 

マーク金井のYoutubeチャンネル「オルタナゴルフ」では、なぜあえて古いモデルを選択肢としているのか? その理由にこそ興味を持っていただきたいと思います。まずは「素人のゴルフ ドライバーは飛ばなくていい」からご覧いただければ幸いです。

 


2023年10月06日ゴルフの上達に欠かせない「道具」の話 第26回「最大飛距離はどうすれば手に入る?」

マーケティングリサーチが行き届き、望まれているパフォーマンスが高度な設計技術と製造技術によって具現化される。令和の御代にゴルフに興じる我々は、数百年に及ぶゴルフの歴史の中で最も進化したゴルフギア手にプレーを楽しめる超絶ラッキーな世代である。

 

 

 

設計・製造の発達は、プレーヤーニーズが同じであるならば、同じような「正解」を導き出す。例えば「もっとボールを遠くへ飛ばせるクラブが欲しい!」と望めば、各ブランドが定められたルールの中で、最善を尽くして「もっと!」を叶えよう努力する。その結果に生まれるのが、ゴルフ道具の「同質化」だ。

 

 

 

どのブランドの製品を使おうとも、そのパフォーマンスは高いところで平均化してくるのである。これを「つまらない」と切り捨ててはならない。成熟とはそういうものだからである。定められたルールの中で考え抜かれ、かなりいいセンまでいっている優れたゴルフ道具を我々は今、手に出来ているのである。

 

 

 

では、この先、いかなる新製品を手にしてもこれ以上飛距離を伸ばしようがないのだろうか? ある意味ではそうだと言える。しかしながら、多くのアマチュアにとっては「まったくそうではない」とも断言できる。我々はもっと、もっと遠くへボール飛ばすことが可能だ。なぜならば、いま現在、我々はあまり効率的にボールを飛ばせていないからである。

 

 

・持っているパワーを効果的にクラブスピードに変換できていない。
・エネルギーロスの少ない打点でボールをヒットできていない。
・狙った方向にボールを打ち出せていない。

 

 

 

もったいないことだらけ。現状の飛距離とは単にその結果である。

 

 

 

せっかくゴルフの歴史上最も進化した素晴らしい道具を手にしているのだから、自分自身の正確性、効率を少しでも上げてやれば、確実に飛距離は伸びていく。同じクラブを使って、ツアープレーヤーがあれほどの飛距離をマークしているのがその証明だ。効率が飛距離を引き上げるのだ。

 

 

 

毎日のようにラウンドをしているマーク金井でさえも、一日の終わりには「フレループ」や「ゴルフの竪琴」を使ったコソ練を欠かしていない。これはスイングを整え、効率を上げるため。短尺スチールもインパクト効率を高めるための手段だといえる。

 

 

 

ゴルフクラブにはエンジンが付いていないから、効率を高め、ロスを減らすことでしかボールを遠くへ飛ばすことはできない。そして、人それぞれの最大飛距離は、道具の進化だけでは生み出すことができないのである。

(書き手/高梨祥明)

 

 

 

アナライズでは「効率」をテーマにした各種セミナーを開催しています。「フレループや「ゴルフの竪琴」などの練習器を使用した効率的な練習法についてもレクチャーしていますので、ぜひご参加ください。


2023年09月20日ゴルフの上達に欠かせない「道具」の話 第25回「床の上で生まれる先入観」

 

 

「構えた時に刃が浮くようなウェッジは、トップしそうで怖い」

 

 

とよく言われる。ウェッジはソールにバウンス効果を持たせてあるため、構えた時に「刃(リーティングエッジ)」が浮くのは当たり前で、むしろ刃が浮かないウェッジの方が地面に刺さりそうで“怖い”のではないか? と思うのだが、一般的には刃が浮いて見えると怖い人の方が多いのだという。

 

 

 

もちろん、フローリングとかゴルフショップの床でウェッジを構えれば、それは刃が浮く状態になるだろう。なぜなら、この場合、地面が硬くヘッドが潜らない状態であるからだ。ゴルフ場のフェアウェイやラフ、バンカーの砂がお店の“床”のように硬ければ、そもそもウェッジというソールにバウンス効果を持たせた特別なクラブは誕生しなかっただろう。硬い床はそれ自体がバウンス(抵抗)であるから、クラブ側に潜らせない工夫を施す理由がないのである。

 

 

 

でも実際には、ゴルフ場の地面は“軟らかい”。地面側に抵抗がない場合は、クラブ側に抵抗を持たせておかないとヘッドが地面に刺さって(潜って)しまう。とくに軟らかい砂がたっぷり入ったバンカーでは、ソールにバウンス(抵抗)があった方が簡単に脱出できる。だからわざわざバンカー専用に、サンドウェッジが開発されたわけである。

 

 

 

こうやって道具が生まれた背景を改めて考えてみると、「構えた時に刃が浮くようなウェッジは、トップしそうで怖い」とは思わないのではないだろうか?

 

 

シャフトを飛球方向に傾けて構えれば、刃は浮かなくなっていくがそれはバウンス効果をゼロにしてしまうアドレスである。ウェッジをウェッジで無くしてしまう、もったいない行為といえるだろう。ウェッジで「ハンドファーストインパクト」をイメージするのも、そういう意味ではどうなのかな?とも思う。

 

 

 

ゴルフショップや家のリビング、練習場のカスカスなった薄っぺらマットの上で構えれば、コースで活躍してくれるサンドウェッジほど刃が浮くような感じになるだろう。でも、実際にそのウェッジをゴルフ場で構えた時にも同じような感じに見えるのだろうか?

 

 

 

ゴルフ場ではたいていボールが芝生の上に乗っかり宙に浮いている。その状態で刃が浮いて見えるのだろうか?刃が浮くことも、バウンスが跳ねることも実際のゴルフ場ではほとんどない。ゴルフ場の地面は、意外に“軟らかい”。だからクラブ側に抵抗を持たせる必要があるのである。

 

 

(書き手/高梨祥明)

 

マーク金井監修の「mmアイアン」「mmウェッジ」はしっかりとバウンス効果が発揮されるワイドソールを採用。ヘッドの潜り過ぎを防ぎ一貫性あるインパクトを実現します。

 

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