3月26日のブログで「ゴルフ雑誌を読んでも上手くなれない理由」を書きました。今日は練習しても上手くなれない理由について、マーク金井なりの理由を書いて見たいと思います。
・運動神経が鈍い
・センスが無い
・才能が無い
・自分はゴルフに向いていない
等々、多くのゴルファーは上手くなれない理由を上げるでしょう。このブログを読んでいる皆さんも、一度や二度は(いやそれ以上かも)、こんなことを思い浮かべているのではないでしょうか?
確かに、ゴルフが上手くなるのは容易ではありません。ピアノやギターを弾けるようになること、スキーやスノボを滑れるようになることと同じぐらいの努力(練習)は必要です。クラブの進化とともにドライバーやアイアンの飛距離は格段に伸びてきましたが、スコアが飛躍的に良くなっていません。ある調査によると100をコンスタントに切れるアマチュアは4割以下。シングルになれるアマチュアは5%にも満たないそうです。週末の練習場に行けば待ち時間ができるほど混んでいるにもかかわらず、アマチュアゴルファーの腕前は30年前も現在も、ほとんど変わっていません。
では、なぜアマチュアは練習しても上手くなれないのか?
かつてのブログで、ゴルフ上達を自転車に乗ることに例えました。自転車は一度乗れてしまうと、練習しなくても、何年も乗らなくても乗れてしまいますが、ゴルフはそうは問屋が卸してくれません。乗れたと思った次の瞬間、全然乗れないということが多々あります。こういうアマチュアの人達のことを、「自転車に乗れているようで、実は自転車に全然乗れてない」と述べました。そして、自転車に乗れているかどうかの判別法、判別ドリルをブログで紹介しました。
では、なぜアマチュアは自転車に乗れないのか?
いくつか理由はありますが、その最たるものは「ナイスショットの呪い」でしょう。
プロ野球チーム楽天イーグルスの元監督野村さんの有名な言葉に「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」というものがあります。これは成功した理由は言葉で説明できないことが多いが、失敗した原因は分析が可能だという意味です。
ゴルフにおける成功は「ナイスショット」。練習場で一生懸命ボールを打っているアマチュアの大半は、ミスショットの分析が非常に甘く、ナイスショットを打つと「これで良いのだ」と分析しがち。そして、ミスショットしたらすぐに次のボールを打ちます。そして、ナイスショットが出たら喜び、ミスショットが出たら、すぐに次のボールを打つ。まるでスクラッチ宝くじを買うかのように、当たりクジ(ナイスショット)を何度も引こうとしています。
察しのいい人はもうお分かりでしょう。そうです、アマチュアの大半は「ナイスショット=いいスイング」「ナイスショット=上達」だと思い、ナイスショットを増やそうとします。しかし、野村監督が言うように勝ち(ナイスショット)は根拠が無くても出ます。その典型がホールインワンでしょう。100を一度も切ったことがないアマチュアでもホールインワンを出した人はかなりの数でいます。逆に、シングルハンデの上級者でもホールインワンを一度も出したことがない人も多数います。ボクもホールインワンを初めて出したのは昨年。ゴルフを始めて35年以上経ってからやっと出ました(笑)
ナイスショットは理由が無くても打てます。アウトサイド・インのカット軌道でもインパクトで上手く調整できれば真っ直ぐ飛びます。インからあおって打ってチーピンが出るようなスイングの持ち主でも、上手く修整動作が入れば目の覚めるようなドローが出るのがゴルフ。しかし、自転車に乗れていないスイングの持ち主の場合、そのナイスショットをコースで続けては打てません。ナイスショットが偶然の産物だからです。
では、どうすれば上達できるのか?
ナイスショットではなくミスショットに向き合うことです。スライサーならスライスと向き合い、チーピン打ちの人はチーピンに向きあう。具体的に言うと、スライスした時のスイング、チーピンを打った時のスイングがどうなっているのかを自分の感覚ではなく、画像や動画でチェックする。そして、悪い動き、悪い形を修整する。スイングの善し悪しをジャッジできるドリルをやってみる。かつてのブログでは、そのひとつとして‥‥
「ひざ立ち」打ちを紹介しました。
これは、50年以上前からある古典的なドリルですが、チーピンに悩んでいる人は、ボールをちゃんと打てないどころか、ボールの手前50センチぐらいを平気でダフります。ハンデ10ぐらいの人でも、チーピンに悩んでいる人ならば空振りしまくります。普通に打つ時と違ってごまかしがきかないからです。
ゴルフ上達に特殊な才能は求められませんし、運動神経も自転車に乗れるぐらい人ならば十分に備わっています。何年やっても100を切れない、いくら練習してもハンデ10の壁を乗り越えられない‥‥この悪いスパイラルから本当に抜け出したいのならば、ナイスショットではなくミスショットに向き合って下さい。これだけで、努力(練習)は必ず報われ、努力(練習)したら、した分だけスコアも良くなるのです。
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