マーク金井blog

2005年09月24日「適正重心距離」について考える その1

さて、さてお待たせしました。
今回から重心距離について話を進めていきますが、その前に皆さんにやっていただきたいのがこれっ!!

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ヘッドを上に向けたら手を前後に動かして(竹とんぼを飛ばす感じで)シャフトを回転させてみて下さい。シャフトを回せばそれに連動してヘッドも回りますがその時、手には少なからず抵抗が感じるはず。

ゴルフクラブは(フェースバランスのパターを除いて)、シャフトの延長線に重心がありません。シャフトから離れた位置に重心があるため、シャフトを回転させようとした時に手に抵抗を感じたり、ヘッドが暴れた感じになるんです。

言い換えると、重心がシャフトから遠いクラブ、すなはち重心距離が長い(正確にはネック軸周りの慣性モーメントが大きい)クラブほどシャフトを回すのに大きな力が必要になりますし、回そうとした時に抵抗を感じます。逆に、重心距離が短い(ネック軸周りの慣性モーメントが小さい)クラブほど、シャフトを軸にしてヘッドを回しやすくなってきます。

これはクルマに例えると分かりやすく、

重心距離が長い=ホイールベースが長いリムジン
重心距離が短い=ホイールベースが短いスポーツカー

って、ことになります。重心距離が長くなるほど小回りがききませんが、反面、ハンドル操作が下手くそでも(スイングが悪くても)ヘッドが余計な動きをしづらい特性があります。他方、重心距離が短くなるほど小回りさせやすい反面、ハンドル操作を誤るとちょっとした動きでヘッドが回転します。

で、ここからが本題。

打点がバラつく初心者や、シャンクと引っかけが出やすい中級者は、

「重心距離が長め」が適正重心距離。具体的にはドライバー、アイアンとも重心距離は38ミリ以上がいいでしょう。重心距離というのがピンとこない人は、ドライバーはヘッドが大きくて面長フェース。アイアンもフェースが長く見えるクラブを使うことをお勧めします。

理由は2つ。

ひとつは、重心距離が長めの方がスイートエリアの目安であるヘッド慣性モーメントが大きくて打点のばらつきに強いクラブだから。

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フェースにショットマーカーを貼って打ってみて、

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こんな感じになる人は、スライサー、フッカー関係なく重心距離が長めのクラブを使った方が、飛距離、方向性とも安定します。付け加えると、スライサーの場合はフックフェースが強めで、重心アングルが大きいクラブがお勧め。この2つの要素が満たされていれば、重心距離が長めでもインパクトでフェースが開きづらい分だけ、捕まった球が打てます。

そして、もうひとつの理由は、重心距離が長いクラブは小回りがききません。シャンクや引っかけはフェースが開き過ぎたり、閉じすぎたりした時に発生するミスですが、重心距離が長いほどヘッドの挙動が鈍感な分だけ、体、手が悪い動きをしてもクラブの挙動が変化しづらいからです。上級者にとっては自分の意志が伝わりづらいとも言えますが、クラブの挙動を上手くコントロールできない人にとっては、クラブが動き過ぎないことがミスを減らしてくれるわけです。

んじゃ、この続きは明日か明後日にカキコしまっす。


2005年09月22日怒濤の100本試打!?

自分で言うのも何ですが、「マーク金井と言えば、ゴルフダイジェスト」
「ゴルフダイジェストと言えば、マーク金井

と業界内で認知されています。実際、ゴルフ雑誌で原稿を書いているのはゴルフダイジェストだけ(ホンマです)。

にもかかわらず~、こんな本が近日中に書店に並びます(すでに売られているかも?)

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いろんな縁が重なりあって、今回は学研さんから出版する運びになりましたが、恐らく、史上初のリシャフト本でしょう。(おいおい、ちょっと表現がオーバーだろっ) ボクが担当したのは怒濤の100本試打レポート。自前の試打スタジオ「アナライズ」でコンピュータによる弾道計測、そして、実際に野外でもじっくりボールを打ちました。その数は2000球を楽にオーバー!!! 1ヶ月でグローブを5枚も買ったのは初めて、100本のシャフトのフィーリングを言葉にしたのも初めて。もちろん、表紙にデカデカと自分の名前が出ているのも初めて。

1冊 1260円(税込み)

この本の発売に合わせ、ボクの試打スタジオ「アナライズ」では一般ユーザー向けサービスを開始します。まずは最新シャフト試打会。詳細は近日中にブログにカキコしまっす。

「あっ!?」

昨日のブログで「適正重心距離」について書くと行ったのに1行も書いていないっ!!本が出来たので浮かれて、すっかり忘れてました(おいおい、開きなおるなよ~)

大事なテーマなので、近日中に詳細レポートします。
m(_ _)m


2005年09月21日重心距離ゼロのドライバーを打ってみたら‥

8月末のGDOダブルス全国大会に出場した際、帰りに高岡市(冨山)にある地クラブメーカー、カムイプロの本社を訪ねました。で、その時に見つけたのがこれっ。

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中条社長自ら設計された「重心距離ゼロ」のドライバー!!!何でも「重心距離が飛距離に及ぼす影響を知りたくて」作ったとのこと。

「ボール打てるんですか?」と聞いてみたら、
「もちろん、ロボットテストもやりました」(ニコニコしながら答える中条社長)

重心距離が普通のドライバーと比較すると、重心距離ゼロのドライバーは飛距離が少し落ちてしまうそうです。

今まで数え切れないドライバーを試打してきましたが、重心距離がゼロに近いドライバーを打った経験はゼロっす。「打たずにいられなく」なってちゃっかり借りてきちゃいました。

スペックは長さが45インチで、総重量は285.3グラム。

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ヘッド、シャフトともかなり軽めで、素振りしてみるとヘッドがついていない感じ‥‥
シャフトだけ振っているような錯覚に陥り、テークバックやトップでフェースの向きはまったく感じる取ることはできません。

で、アキュベクターを使って弾道計測してみると‥‥

クラブが軽いこともあってヘッドスピードはいつも同じか、若干早めになりましたが(大体47~48m/s)、飛距離はいつもより10ヤード弱ダウ~ン!! 人間試打マシーンもロボット並の精度があるのにホッとしましたが、それよりも気になったのがスイングのしづらさ。

一般には、重心距離が短いほどヘッドを返しやすい。返しやすいからスライサーでも捕まった球が打ちやすいと言われてます。でも、重心距離がゼロに近いと、フェースの向きをまったく感じ取れません。結果、フェースは返りやすいし、開きやすくなる。ハンドリングがシャープ過ぎるクルマと同じで、ちょっとした動きでフェースは閉じたり、開いたりするからです。

で、この試打でボクが分かったのは、ゴルファーにはスライサー、フッカーを問わず「適正重心距離」があるっていうこと。

おーっと、時計を見たら午後11時50分。うわーっ、まだ写真を貼り付けていない‥‥ふぅー何とか間に合った。

この続きは明日。


2005年09月20日シャフトは赤マナ83っす!!

深堀プロも愛用しているファイアーソールのストロング3。
現在、ボクのストロング3に装着したシャフトはこれっ!!!
←クリック
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最初はドライバー同様、赤マナの73を装着したのですが、0.5インチカットして装着したにもかかわらず、切り返した時に「手元側しなり過ぎる」ために断念。5W用にエストリックスさんからお借りしていた赤マナ83を0.5インチカットして使っています。73に比べると83は約10グラム重い。重いシャフトを装着すれば「手元側もしっかりするのでは」ともくろんだわけです。

最初はいつも通り43インチで組み上げましたが、いい感じで打っても手前をダフり気味。振り切れる範囲よりも重い感じがしたので、手元側を0.25インチカットし、現在は42.75インチにして使っています。たかが0.25インチですが結構フィーリングが変わってダフりづらくなりました。

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その結果、
ドライバーが324.3グラム
他方、3Wは337.3グラム
どちらもバランスがD2なり。

3Wの方が13グラム重いので、重量マッチングはかなりグッドです(おいおい、自画自賛するなよ~)シャフト重量差ほど重量差が出なかったのは、ドライバーに鉛を貼っているのが影響しているのでしょう。

で、気になる使い心地ですが、予想通り重いシャフトを装着したことで手元側の頼りなさが見事に解消されました。しなり戻りのフィーリングも83の方がややスロー。先端側のしなり量も控えめなので、いい意味でシャフトが動きすぎません。ティアップして打っても、地面から打ってもタイミング良く振り切れるようになりました。青マナの時もそうでしたが、赤マナもドライバーとFWを組み合わせる時は、73&83という風にFWの方はワンランク上げた方が相性が良さそうです。

明日は陸の孤島、茨城のスプリングフィールズでラウンド。最寄りインターから40キロ以上!! 朝5時起き(トホホ)

今日はこれぐらいにてご勘弁!!


2005年09月20日ファイアーソールは6年経っても現役バリバリ!!

昨日の全日空オープン、プレーオフを制して優勝した深堀圭一郎プロはナイキ契約プロ。にもかかわらず、長年愛用している3Wはこれっ!!

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テーラーメイドのファイアーソール・ストロング3(ロフト13度)!!!自分が使っているFWがテレビで大写しされた時は、「ボクも使ってまっせ~」とテレビに向かって1人突っ込みしちゃいました。

さて、このファイアーソール。6年前の発売当初からツアープロの間では「飛ぶFW」として人気がありましたが、実際、今どきのFWと比較しても飛び性能はピ・カ・イ・チ。深堀プロも今野プロのドライバーとほぼ互角の飛距離を稼いでましたが、その理由は重心位置にあります。

スイートスポット位置の高さは何と21ミリ!!

いきなり21ミリと言われてもピンとこないかも知れませんが、これはボールの直径と同じ高さ。このため、ティアップして打つとトップしない限りスイートスポットよりも上で球を捕らえることができ、ドライバーで打ったみたいな低スピン弾道がオートマチックに打てます。

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低めのティアップでもスピン量は2500回転前後。無風で飛ばせるだけでなく、アゲンスト風でも飛距離ロスが少ない。なので、ボクはアゲンストで飛距離を確実に稼ぎたい時はドライバーではなくファイアーソールを手にします。ドライバーよりも絶対的な重心位置が低いため、確実にフェース上側で球を捕らえることができるからです。

ちなみに、Vスチールをはじめ今どきのFWはここまで低重心に設計されてません。低重心すぎると、ヘッドスピードが遅い人が使った場合、ボールを上げるのに必要なスピンがかからないからです。メーカー側もそれを心得ており、テーラメイドに限らず、モデルチェンジごとにスイートスポットの高さは上がっています。例えば、今、中古市場で人気があるVスチールにしても重心はやや高めで、スイートスポット高は25.5ミリ。たかが数ミリの違いと思うかも知れませんが、同じロフトで打ち比べるとスピン量は500~1000回転ぐらい変わります。

もうひとつの特徴はフェースプログレッションが小さいこと。

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一般的なFWと比べるとフェース面が出っ張ってないので、インパクトでフェースが上向きになりにくく(打ち出しが高くなりすぎず)、ティショットで使っても吹き上がる心配がないのです。

それでいて、シャローフェースなので上がりづらい不安もありません(実測、30ミリ強)

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重心距離も32ミリとFWの中ではやや長めで、フェースの向きは約1度オープン。キャロウェイのスチールヘッドなどに比べると、引っかかりづらく大型ドライバーも相性が◎。

インパクト音が「カポーン」と貧弱な点、ネックが太くて特殊なセルが必要な点はちょっと不満ですが、6年前でもまったく賞味期限が切れてません。と言うよりは、ティショット用の3Wを探している人にとっては理想のFW。音が今イチなので売っぱらおうとしたこともありましたが、ホント手放さなくて良かった、良かった。

おーっと、11時30分になってしまった~。

シャフトについては明日カキコしまっす。

んじゃ。