昨日の女子ツアー、20歳の堀奈津佳が逃げ切りツアー初勝利しました。ルールの解釈で色々と物議があったみたいですが、競技委員が「無罰」と裁定を下したわけですから、その時点でプレーヤーには責任はないと思います。かつて日本オープンでは今野康晴プロが優勝争いの最中、「競技委員の裁定で2打罰」を受けてましたが、彼はその裁定を潔く受け入れました。ゴルフは自分自身が審判と言われますが、競技会においては競技委員が必ずいます。日本オープンであれ、ゴルフの場の月例競技であれ‥‥。
プレーヤーは競技委員の裁定に従うのがルールです。ルール専門家のマイク青木さんも、今回の件で問題があるとすれば日本女子プロゴルフ協会側にあるとフェースブックでコメントされています。
さて、今日のテーマはスイングの善し悪しについて。
格好いいスイングと格好悪いスイングは何が違うのか?
癖のないスイングと癖があるスイングはどこが違うのか?
自然に見えるスイングと不自然なスイングは何が違うのか?
前回のブログ(3月30日)で、ハーフバックの正しい形について説明しました。ヘッドをインに引き過ぎているのか、オンプレーン(シャフトプレーンに沿って上がった状態)になっているのかはハーフバックの位置で確認できます。
飛球線後方から見てシャフトが地面と平行、正面から見てもシャフトが地面と平行なポジションがハーフバックです。
ハーフバックの画像
ここでヘッドがシャフトプレーン上にあるのが正しい形ですが、もちろん許容範囲はあります。ヘッド一個分ぐらいは前後に外れても問題ありません。インに引きすぎると、ハーバックでヘッドはシャフトプレーンよりも内側に入ります。アウトに上げ過ぎると、ハーフバックでヘッドはシャフトプレーンよりも外側に位置します。どちらも好ましくない形ですが、二者択一で言うならばアウトに上がる方が良いです。アウトに上がっている場合、シャフトクロスのトップになりにくいこと、そしてダウンスイング前半でヘッドをプレーンに乗せやすいからです。代表例としてはジム・フューリックや青木功プロ。二人ともテークバックはアウトに上がっていますが、ダウンでヘッドはちゃんとプレーンに乗っています。
対して、インに上がってしまうスイングには未来がありません。インに引きすぎるとシャフトクロスのトップになりやすく、そしてダウンスイング前半でヘッドがプレーンに乗りにくい。いわゆるアウトサイド・イン軌道のカット打ちになりやすいからです。ちなみに、今どきのドライバーはヘッドが大きくて重心距離が長い。シャフトクロスになってしまうと、重心距離の長さをもてあますことにもなって、プッシュアウト、スライス、引っかけが出やすくなります。
ハーバックのポジションではもうひとつチェックポイントがあります。それは手首のコック。手首のコックについては、プロの中には「自然にできる」「意識しなくていい」と教える人もいます。確かに意識しなくてもできる人はいますが、アマチュアのスイングを分析すると、そんな人はほんの一握り。アマチュアゴルファーの2割以下でしょう。それ以外の人達は誤ったコックをしているか、もしくは手首のコックがちゃんとできていません。いわゆるノーコックで上げている人が少なからずいます。加えて、ノーコックで上げている人の中には、
「手首を使う=悪い動き」
と決めつけています。高校生にはバイクは危険。だからバイクには乗らせない、みたいな感じで‥‥手首のコックをかなり悪者扱いしています。
確かに、手首を誤って使ってしまうと見た目に格好悪いスイング、美しくないスイング、球がちゃんと飛ばないスイングになる確率がグンと上がります。しかし、手首を使わないテークバックにも問題が「大あり」なんです。テークバックで手首を固定するとヘッドをインに引きやすくなってきます。テークバックで不可欠な右手と左手の位置関係を変えることもしづらくなるのです。そして何より、テークバックで手首を完全固定してしまうとプレーンに沿ってヘッドを上げづらくなるのです。
ツアープロのスイングを見ていると、ほとんどのプレーヤーはハーフバック付近で手首をコックが入っています。手首をコックすることでヘッドをプレーンに沿って上げています。本人に自覚があるか無いかは別にして、手首を使った方がオンプレーンに沿って上げていきやすいからです。
では、正しい手首のコックはどんな動きなのか?
それを実感してもらうのに役立つのがこのドリル。ボクはゴルフの竪琴を使ってやってますが、ゴルフクラブでも可能です。ボールに入ったカゴ等、重たい物をヘッドで持ち上げてみましょう。これをやってみると、手首をちゃんと使えるかどうか、誰でも即座に簡単にチェックできるのです。
手首のコックの答え合わせは、水曜日か木曜日にやりましょう。
んじゃ(▼▼)b
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