過去記事↓
良いスイングと悪いスイングはどこが違うのか?
格好いいスイングと格好悪いスイングは何が違うのか?
癖のないスイングと癖があるスイングはどこが違うのか?
自然に見えるスイングと不自然なスイングは何が違うのか?
スイングを評価する場合、身体の使い方とクラブの使い方の両側面からジャッジすることが必要不可欠ですが、ボクがこだわっているのがクラブのポジション。ゴルフは道具(クラブ)の依存度が高いことを考えると、優先順位はクラブのポジションにした方が合理的だからです。
ではクラブのポジションをチェックする場合、まずどこを見れば良いのか?
前回も少し説明しましたが、いいスイングとはスイング中にシャフトの角度が極端に変わらないこと。例えば、アドレスでシャフトとクラブがおりなす角度、いわゆるライ角度が60度だったとしましょう。この場合、テークバックでもダウンスイングでも、そしてフォローでもシャフトの角度が60度前後をキープすること。シャフトプレーンに対して、シャフトがほぼ平行な状態をキープしている時間が長い人ほど、スイングの芸術点、技術点が高くなります。
例えば、タイガー・ウッズ。彼のスイングを見るとシャフトの角度がほとんど変わりません。テークバック前半、テークバック後半はもとより、一番デリケートな部分であるダウンスイング前半もシャフトはシャフトプレーンに対してほぼ平行なポジションになっています。対して、ツアープロでもスイング中に角度が大きく変わる選手が少なからずいます。このタイプのプレーヤーはゴルフは強い(上手い)ですが、スイングの芸術点、技術点は高くありません。また、このタイプのプレーヤーは、総じて調子の波が大きく出やすいです。調子を維持するにはたくさんの練習しなくてはなりません。
では、どうすればシャフトの角度(ライ角度)をキープしたままスイングできるようになるのか?
正しいテークバックの画像
テークバックの前半では、手元とヘッドの位置関係を急激に変えないことがポイントです。ゴルフスイングは円運動と言われてますが、少なくともテークバック前半は、手元もヘッドも、飛球線に沿ってほぼ真っ直ぐ動いていないと、シャフトの角度(ライ角度)はキープできません。アマチュアの多くは円運動を誤解し、こんな感じでヘッドをインに引き、手元が身体から離れています。こうなるとシャフトの角度(ライ角度)はすぐに崩れてしまいます。
悪いテークバックの画像
昔から、「最初の30センチは真っ直ぐ」というセオリーがありますが、これの真意(文脈)というのは、「手元とヘッドをパラレルに真っ直ぐ動かす」「シャフトの角度を変えない」ということなんです。
真っ直ぐ引くなんてやさしいと思うかも知れませんが、中々どうして、これは実際にやると簡単ではありません。インサイドに引く癖がすでについている人の場合、かなりアウトに上げるぐらいでないと手元もヘッドも真っ直ぐ動いてくれないからです。また、真っ直ぐ引くというのを誤解すると、写真のように手元が身体から離れてしまい、それに連動してヘッドが飛球線の外側に上がってしまいやすくなるからです。
ちなみにボクはテークバックの軌道をチェックするのにゴルフの竪琴を使っています。竪琴は右手と左手を離して持つ練習器具なので、クラブを正しいポジションに導くための、両手の役割を理解しやすいからです。
まずはiPhoneでもスマホでも、ガラケーでもいいですから自分のテークバックの軌道をチェックしてみて下さい。アナライズでは2000人以上のアマチュアのスイングが記録として保存されていますが、その80%以上はテークバック直後にヘッドが必要以上にインサイドに上がっています。何年やっても100を切れないとか、ハンデ10の壁を破れない人に関しては、90%以上の人がヘッドをインに引き過ぎていますし、、困ったことに本人にその自覚がまったくありません。
スイングが美しいから良いスコアは出るとは限りませんが、テークバックの前半でヘッドをインに引き過ぎると、そこから先は修整動作の連続になって、インパクトの再現性がかなり悪くなります。練習場のように同じ場所から何発も打てるならば、修整しながらでもナイスショットの数を増やせます。しかしコースのように一発勝負しかできない場合、修整動作が多い人ほどナイスショットが続かないし、ナイスショットの直後にとんでもないミスが出たりします。
次回はハーフバックのクラブのポジションについて説明しましょう。
んじゃ(▼▼)b