ドライバーで市場占有率の高さを誇るテーラーメイド。現行モデルとしては、R1、グローレ(そしてグローレリザーブ)、ロケット ボールズステージⅡがラインアップされています。いずれも目にも鮮やかな白ヘッドで体積はルール最大級の460CC。カテゴリーとしては、いずれもデカヘッドです。
さて、この3モデル。昨日のブログではヘッド重量で明確なジャンル分けが成されていると書きました。ヘッド重量が195g前後のグローレは非力な人向き、そして長尺向きに作られています。パワーのある女性にも扱いやすく、国内女子ツアーでは使用率が高いです。マーク金井もグローレを使ってますが、ヘッドに鉛を5g以上貼り付けています。対してR1は重ヘッド。米国仕様は210g強、日本仕様も約206g強あります。これは市販で最も重たいヘッド。R1には重量調整ネジが2つついてますが、一番軽く調整しても(1g×2)ヘッド重量は200g前後です。
RBZⅡ(ロケットボールズ ステージⅡ)はヘッド重量が200g強。長尺仕様ですがグローレに比べるとヘッドは重め。ヘッド重量を考えると、45~45.5インチぐらいで仕上げた方がバランスが良く、振りやすくなるでしょう。アナライズではRBZⅡ専用カラーのW65をラインアップしてますが、RBZⅡに装着する場合は45インチ前後を推奨しています。
テーラーの場合、ヘッドの重さ以外にもこの3モデルには明確な性能差があります。そのひとつ目はボールの上がりやすさ。いずれも弾道調整機能でロフトを調整できますが、ノーマルポジションでのリアルロフトとフェース向きががかなり違います。具体的に言うと‥‥
グローレ リアルロフト 13.75度(表示9.5度)
フェース向き +1.5度
R1 リアルロフト 9.5度(ノーマルポジション10度)
フェース向き -3.5度
RBZⅡ リアルロフト 8.5度(表示9.5度)
フェース向き -2度
リアルロフトに着目するとRBZⅡとR1は表示ロフトよりもリアルロフトの方が少ない。これは吹き上がりづらいとも言えますし、ボールが上がりづらいとも言えます。そしてフェース向きがオープン。弾道調整機能が付いているとはノーマルポジションでここまでフェースが開いていると、スライサーにはかなり扱いづらい(構えづらい)でしょう。裏読みすると、メーカー側はフッカーをかなり意識して設計しているのかも知れません。
対してグローレは、RBZⅡとR1と真逆のスペック。リアルロフトが非常に多くて強めのフックフェース。ノーマルポジションで13.75度というのは、非力なオジサンゴルファーを意識したのでしょう。加えて1.5度のフックフェースというのは、フッカーにはかなり扱いづらいスペック。メーカー側はヘッドスピードが遅いスライサーを強く意識して設計していることが、窺い知れます。
リアルロフトの数値で分かることは、同じロフトで比較した時、グローレはR1やRBZⅡよりも、かなりボールが上がりやすくなっています。グローレならば9.5度でもボールが上がるから、ロフトで見栄を張れます(笑)。マーク金井は女性ゴルファーに11.5度を勧めていますが、ヘッドスピード35前後の白ティ女子達は「ボールが楽に上がる」と口を揃えていいます。理由は単純、リアルロフトが多いからでなんです。逆にRBZⅡは「ボールが上がりづらい」という声をよく聞きますが、これはリアルロフトが少ないからに他なりません。よっぽどのハードヒッターを除けば、RBZⅡを購入する場合、普段よりも1度以上ロフトを増やした方が、イメージ通りの弾道を打ちやすいでしょう。
捕まりについても、これまた3モデルで違いがハッキリと出ています。
グローレ 重心距離41.2mm
重心深度38.5mm
R1 重心距離38.5mm
重心深度35.0mm
RBZⅡ 重心距離40.0mm
重心深度32.0mm
一般的には重心距離が長くなるほど「捕まりづらい」と言われてます。重心距離だけでジャッジすると、一番捕まるのがR1、次がRBZⅡ、そして一番捕まらないのがグローレになります。しかしながら、実際に打ってみると一番捕まる(ヘッドが返りやすい)のがグローレ、次がR1、一番捕まらない(ヘッドが返りづらい)がRBZⅡです。
なぜ一番重心距離が長いグローレが、この3モデルの中で一番捕まるのか??
それにはちゃんとした理由があるので、次回じっくり説明しましょう~。
んじゃ(▼▼)b
参考記事
「ロケットボールズ ステージⅡをちょびっとだけ裸にしてみた~」