このインプレッションは、2012年6月に書かれたものです。
アナライズには、今四台の弾道計測器がある。僕は計測器マニア、ベクター、FLIGHTVISION、プロギア、GC2、の四台が使える体制にある。民間でこんな台数の計測器を持っている所は無いはず。どれもかなり高価で、そう簡単には買える金額ではないので、皆さんには勧めにくい。おまけにGC2を除けばパソコンに接続しないと、データを計測できないので更に導入コストがかかってしまう。
しかし一方で、簡易版計測器のユピテルのGST2を発売当初から使ってきた。高価な計測器があるのになぜ?と思うかもしれない。スイッチオンですぐ使えるのがこのGST2の最大のメリット(GC2もつかえますけど)パッと出して、パッと使いたい。GST2は使い始めて4年近くずっと使い続けている。このGST2を作っているユピテルというメーカーは、車のスピード違反のレーダーを探知するレーダー探知機の大手メーカーである。
弾道計測器には大きく分けて2つの計測方法があり、一つはボールの画像を撮り、その画像から初速、と回転数を採るタイプ。もう一つは追尾式といって、ボールに電波をあてて、そのドップラー効果で測るタイプである。スタジオにある4つの弾道計測器はすべて、前者での計測。スピン量が正確なのはこの方式だと僕が思っているから、追尾式で有名なのは、トラックマンというタイプ。よくトーナメント会場で設置されて、TVの画像で弾道や飛距離が計測されている。これはボールを追尾して着弾するまでのデータを解析して数値化するタイプ。
トラックマンは室内でも使えるが、ボールの後方6m以上のとこにセンサーを設置しないといけないので、かなり室内設置のハードルが高く、また弾道を追尾するといっても、室内ではほぼ計算値となるので、僕はそのデータに懐疑的にならざるをえない。
このトラックマンの簡易版ともいえるのが、ユピテルのGSTシリーズ。外見はおもちゃみたいだけど、レーザー探知機の技術を応用しているので、スピードに対して精度が高く、ヘッドスピードやボール初速が簡単に測れる。1Wだけでなく、アイアンもウエッジも制度が高く測れるが、唯一の欠点がボール初速が1~2m/s甘いこと。でもこの点さえわかっていれば何の問題もない。
値段も性能も申し分ないので4年も使い倒していたけどさすがに調子が悪くなり、この度GST4という最新機種に変更した。液晶がカラーでタッチパネルになっていて、でっかいスマホみたいな形状。まあ大きいといっても、簡単に持ち運べる大きさだから、練習場にも気軽に持っていける。
クラブを試打するときに、ゴルフショップに持って行って試打するのも面白い。試打テストするときに非常に重要なポイントがある、それはボールと計測器を同じにすること、クラブ以外を同じ条件にすればするほど、正確な比較ができてクラブを評価しやすくなる。
クラブのテスト方法で一番大切なのは、クラブ以外の条件にをできるだけ同一にすること。条件が変わると評価が不安定になってしまって、テストの信頼度が落ちてしまう。GST4はミート率によりランプの色が変わり練習すのも楽しい。そしてウエッジなどはロフト角の設定も出来るので、より正確な距離が表示される。カラー液晶で表示も楽しいが、最高級機種だけあった電子メトロノーム機能な
ど、僕はあまり必要ないと思える機能もある。
一般的には一番安いGST2B、GST3でも十分、これだとゴルフ一回分で買えてしまう。クラブ選びの基準としてもつかえるし、練習場でミート率やボール初速をチェックするのも楽しいと思う。持っていてソンはない一台だと思う。