昨日のブログでアイアンにおけるバンス角の重要性について書きました。大事なことなので繰り返しますが、練習場でボールを打つことが主たる目的ならばバンスが少ない方が使い勝手がいいですし、ゴルファーは振り抜きやすさを感じ取ることができます。しかし、天然芝で打つ場合においてはバンス角が多いほどやさしく感じますし、ゴルファーは振り抜きやすさを実感できます。
練習場とコースでまったく逆になるのは、地面の固さが逆だから。コンクリートの上に人工芝が乗っている場合はバンスは邪魔な存在ですが、ザックリしやすい天然芝の場合はバンスが強い方がミスを防ぎ、バンスが強い方がソールが滑ってくれて、振り抜きやすくなるのです。
そして、バンス角にはもうひとつ大きな特徴があります。それはスピン量、バンスが少ないアイアンとバンスが多いアイアンを比較した場合、多くのゴルファーはバンスが大きいアイアンの方がスピンが強くかかります。理由を簡単に説明すると、バンスが多くなるほどインパクトではロフトが立つ方向にヘッド回転しやすくなります。バンスが多いほどソールが跳ね、その反動でロフトが立つ方向に回転するからです。そして、ロフトが立つ方向に回転するほど、インパクではボールがフェースに乗った感じになり(インパクト時の球離れが遅くなり)、その結果、ボールに強い摩擦がかかります。摩擦がかかれば当然、スピンも増えてくるのです。
これはウエッジにおいても同じです。マーク金井は現在、クラブの顔にこだわるゴルアー向けに軟鉄鍛造のウエッジを設計してますが、これもMSウエッジ、SSウエッジと同じコンセプトでハイバンス設計。加えて、MS&SSウエッジよりもソール幅が狭くなる分だけ、ソールをできるだけフラットにしています。丸みを帯びたソールよりもフラット(平ら)なソールな方が、インパクトでソールが地面と接地する面積が増え、ボールがフェースに乗りやすくなるからです。
昨日、ファーストサンプルを米原ゴルフクラブで試打してみたら‥‥予想通り、ハイバンス効果でスピンがギュギュッと強くかかります。溝はあえて彫刻溝にしていません。普通のプレスです。マーク金井が彫刻溝を採用しないのは、経年変化で性能劣化するのが嫌だから。彫刻溝だと買った当初はスピンがかかりますが、使っていく打ちに溝が丸くなってスピン性能が落ちてきます。他方、プレスならばそんな心配がありません。経年変化しづらいので安定したスピン量が得られます。そしてなにより、ハイバンス効果があるのでプレス溝でも、市販トップクラスのスピン性能を獲得しているのです。
フラットバンスはバンカーでも効果絶大。バンカーショットは「音」が大事だと言われますが、フラットバンスの方が「パーン」という乾いた音が出やすく、そしてエクスプロージョンショットしやすくなるのです。もちろん、バンカーでもハイバンス効果で強いスピン性能が期待できます。
今日はフェアウェイ、ラフ、バンカー。すべてのシチュエーションで使いましたが、ほぼ満足行く仕上がりでした。セカンドサンプルを作る必要がないのが確認できたので、早ければ8月ぐらいから市販を開始できそうです~。
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PS.
ボールをたくさん打ってもスイングは変わりません。ボールの行方や自分のフィーリングが邪魔をするからです。悪い癖を直したい、本気で正しいスイングを会得したいと思うならば‥‥身体の動きをチェックしやすい方法で練習しましょう。マーク金井はゴルフの竪琴を使っているのは、これが一番身体の動き、そして今どきのクラブに対応できるスイングが身に付けられるからです~。