マーク金井blog

2013年04月09日初代ロケットボールズ(RBZ)を丸裸にしてみたら‥後編

ネーミング、プロモーション効果からくる飛ぶというイメージ。そして、フェアウェイウッドにしては少し長めの重心距離。そして重ヘッド。この3つを説明しましたが、今回は更に更に初代ロケットボールズを丸裸にしてみたいと思います。

FWに限らず、ウッドクラブは重心位置が低い方がスピンが減って飛距離を稼げます。昔も今も、「飛ぶ」と評判になるFWの大半は低重心になっています。

では、初代ロケットボールズはどうなのか?

左ロケットボールズツアー、右ロケットボールズ

左ロケットボールズツアー、右ロケットボールズ

ロケットボールズの場合、3Wのフェース高は37ミリ。FWとしてはディープフェースですが、スイートスポット高さ(重心高)はなんと

22.7ミリ

市販FWの中ではかなりの低重心。低重心率は約61%です。低重心の効果は、打ち出し角が上がり、スピン量が減ってきます。スイートスポットの位置は重心の深さと密接な関係が有ります。初代ロケットボールズは重心深度27.5ミリと浅めです。これも低スピン弾道が打ちやすい要素となっているのです。

ドライバーもそうですが、FWもスピンが減った弾道は「ラフからフライヤーを打った時」同様、放物線弾道になって飛距離を稼げます。ツアープロがこぞって初代ロケットボールズを使ったのは、吹き上がらない弾道で距離を稼げるからなんです。「低重心と浅重心による低スピン」。これが初代ロケットボールズの正体です。

ただし、「低重心と浅重心による低スピン」は万人にメリットがあるわけではありません。初代ロケットボールズは、ドライバーが300y以上飛ぶ人のために開発されたFW。低スピンを徹底的に意識して設計されています。テーラーのCMに出てくるツアープロ達は、PGAツアーでも指折りの飛ばし屋ばかり。彼らはヘッドスピードが並外れて速いから、普通に打てばスピンが増えてしまう。スピン量を減らすだけで飛距離が極端に変わる。だから「+17y」飛距離アップという宣伝文句が生まれるのです。

なので、なので、ヘッドスピードが速くない人が初代ロケットボールズを使うと、必要以上にスピン量が少なくなって、キャリー不足に陥り、飛距離をロスする可能性が出てきます。その証拠に、テーラメイド契約プロでも女子プロ達は、初代ロケットボールズではなくてグローレを使っています。ドライバーのヘッドスピード40m/s前後だと、ロケットボールズではスピン量が不足して、逆に飛距離が落ちてしまうからなんです。

初代ロケットボールズは全ての人が、飛ばせるフェアウェイウッドではありません。特に3W(ロフト15度)は普通のアマチュアにはボールが上がりづらく難しいFWです。ティアップして打てばバカッ飛びが得られますが、地面から打つとボールが上がり切りません。地面から打って飛距離をちゃんと稼ぐには、ドライバーのヘッドスピードは最低でも45m/s以上必要でしょう。ヘッドスピードが43m/sぐらいだと、初代ロケットボールズで地面から打った場合、3Wよりも5Wの方がキャリーが出ます。

テーラーメイドもそれがちゃんと分かっているのでしょう。日本ではなぜか未発売ですが、本国アメリカではこんな3Wが市販されています。

なぜか日本で未発売~。

なぜか日本で未発売~。

3HL

HLは「High Launch」の略で、直訳すると高い打ち出し角という意味。これは3Wのヘッドでロフトが18度前後あります。通常の3Wよりもロフトを3度ぐらい増やすことで、ボールを上がりやすくしているわけです。これならばヘッドスピードが40m/s前後でもボールが高く上がるので、低重心な初代ロケットボールズでもしっかり飛距離を稼げます。アナライズではこの3HLを近日、市販するつもりです(笑)

初代ロケットボールズはヘッドのポテンシャルが非常に高いですが、ちょっと残念なところもあります。それはシャフトです。。テーラーメイドは何故か昔からFWに軽いシャフトを入れたがる傾向があり、この初代ロケットボールズもシャフトがかなり軽い。50g弱しかありません。加えて、コストダウンの影響でフィーリングも今ひとつ。ドライバーをリシャフトして使っているユーザーの場合、その多くはドライバーに60g台のシャフトを装着しています。

結果、初代ロケットボールズを純正のまま使っていると、ドライバーに対してFWの方がシャフトが軽くなってしまいやすい。FWはドライバーよりも2インチ以上短いにもかかわらず、FWの方がシャフトが軽い場合‥‥その軽さが災いして手打ちになりやすいし、打ち急ぎのミスも出やすくなります。また、トップやチョロも出る危険性が増すのです。実際、初代ロケットボールズを上手く打てないゴルファーを見ていると、その大半はトップ気味のショットが多いです。

FWはドライバーよりも2インチ以上短いことを考えると、ドライバーよりも5~15gぐらいシャフトを重くするのが理想的なセッティングです。これぐらい重くすることでクラブの重量フローが整い、ドライバーと同じフィーリングでFWを打っていけます。加えて、シャフト重量が重くなることで手打ちを防げますし、打ち急ぎのミスも減らせます。アナライズではドライバーよりもFWの方がリシャフトする重要性があると考えており、マーク金井はドライバーよりも先に、FW用シャフトである

「W65」
を開発、設計。これがあまりにも振りやすいから、マーク金井はドライバー用(45インチ以下)にもこのW65を装着して使っています。

初代ロケットボールズについてはまだまだネタがあります。近々、キンドル(電子書籍)で丸裸にしたいと思います~。

んじゃ(▼▼)b

 


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