マーク金井がゴルフを始めたのは中学2年生。今から45年前のことです。当時のドライバーは木製ヘッドで、シャフトはスチールでした。アイアンはマッスルバックで、こちらもシャフトはスチール。カーボンシャフトはまだ登場してません。ゴルフボールは、スモールボールがスタンダードでした。
そして、45年たった現在。ゴルフクラブは劇的に変わりました。木製ヘッドは姿を消し、チタンヘッドがスタンダード。ヘッド体積は2倍以上大きくなり、今では460ccが当り前です。シャフトもスチールではなく、カーボンシャフトがスタンダードです。
ゴルフクラブは素材が劇的に変わりましたが、大型化によってクラブの性能も劇的に変わりました。ヘッドが大きくなったことによって、
- 重心距離が長く(約1.5倍)
- 重心深度が深く(約1.4倍)
なりました。今どきのゴルフクラブはヘッドの大型化によって、昔に比べてやさしくなっています。しかしながら、どんな打ち方をしても上手く打てるわけではありませんし、クラブの性能を引出せるわけでもありません。その証拠と言っては何ですが、プロに比べると、アマチュアの多くはドライバーの飛距離が劇的伸びていません。加えて、クラブが進化しているにもかかわらず、昔も今も、「100を切れない」と悩んでいるアマチュアゴルファーが数多くいます。
ゴルフクラブは、プレーヤーが強引な操作(間違った操作)をしてしまうと、インパクトの再現性が低くなり、ショットが不安定になります。昔も今も、ゴルフクラブを上手く使いこなすコツは、クラブが望んでいる操作(スイング)をすることです。
では、今どきのクラブはどんな風に操作(スイング)することが求められるのか?
昔のゴルフクラブに比べると、今どきのゴルフクラブはテークバックやトップでフェースが開いてしまうと、インパクトでフェースが開きやすくなっています。インパクトでフェースが開けば右のプッシュアウトが出やすく、それを嫌がって無理矢理フェースを返してしまうと、今度は引っかけが出やすくなるのです。初心者や中級者には、ドライバーが「右にも左にも曲がる」と悩んでいる人が少なからずいますが、そういうゴルファーは、クラブが望んでいるスイングをしていません。「右にも左にも曲がる」と悩んでいる人の多くは、テークバックやトップでフェースを開いています。
誤解を恐れずに言えば、今どきの大型ヘッドというのは、テークバックでもトップでもフェースの向きはシャット(閉じた状態)の方が望ましく、これがクラブが望む操作(スイング)なのです。
アナライズでは「スーパーシャットくん」という練習クラブを販売しています。これは今どきのクラブを上手く使いこなすための練習器具です。最大の特徴はヘッド形状にあり、
重心距離は「約50ミリ」。現在市販されているドライバー(アイアン)よりも重心距離を長く設定し、これにより長い重心距離に慣れること、そしてシャフトを短くすることで、スイング中のフェース向きをチェックしやすく設計してあります。
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前置きが長くなりましたが、テークバックでフェースをシャットに使うコツは、左前腕のねじりを意識すること。具体的に言うと、テークバックの開始とともに、左手首を反時計回りにねじりながら、かつ左手首を手の平側に少し折り曲げます。これに伴い、右手首も反時計回りにねじりながら、かつ右手首を甲側に折り曲げます。
テークバックでフェースをシャットに使えているかどうかは、ハーフバック(シャフトが地面と平行)のポジションでまずチェックします。ここで、
- フェースが正面を向いているのはオープンフェース(フェースが開いた状態)
- フェースが斜め45度前後なのがスクエアフェース(スクエアな状態)
- フェースが真下に近い状態なのがシャットフェース(フェースが閉じた状態)
スーパーシャットくんのフェースの裏側(バックフェース)には、丸い凹みがデザインされています。ハーフバックの位置で、ここにボールが乗っている(ボールが落ちない)状態というのが「シャットフェースの状態」です。
42年前にフェースをシャットに使うと「左に曲がる」から良くないと言われてました。しかし、道具が劇的に進化(ヘッドが大型化)したことにより、クラブが求めるスイングが変わりました。今どきの大型ヘッド(重心距離が伸びたクラブ)は、オープンフェースやスクエアフェースよりも、シャットフェースの状態を作った方がインパクトの再現性が高まり、飛距離と方向安定性を得られるのです。次回は、シャットフェースのトップの作り方について説明します~。
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