国内男子ツアーも残すところ4戦。今週はVISA太平洋マスターズが開催されますが、今年の目玉選手は松山英樹選手。予選ラウンドの組み合わせが昨日発表になり、現在賞金ランクトップの谷原秀人選手、そしてアマチュアの比嘉一貴選手が同組。偶然なのか意図的なのか分りませんが、3名とも東北福祉大学ゴルフ部です。ちなみに、松山選手のひとつ前の組でプレーする池田勇太選手も、同ゴルフ部に在籍しています。
松山選手が出場したことで、VISA太平洋マスターズも予選ラウンドから多くのギャラリーが太平洋御殿場につめかけると思いますが、もしも観戦に行かれたら、やってほしいことがあります。ひとつは練習場ウオッチング。太平洋御殿場のドライビングレンジは広々としているので、数多くの選手をスイング、そして弾道をじっくり観ることができます。昨年の同大会にはレフティのバッバ・ワトソンが出場したこともあり、マーク金井はドライビングレンジでじっくりと彼のスイング、球筋を観察させていただきました。テレビで観るのと生で観るのとでは全然違い、ドライバーの弾道の高さ、そしてスピン量の多さに圧倒されました。
そしてコースでプロのプレーを観る場合、試してほしいのが背中側からのスイングチェック。背中側からスイングを観ると手や腕の動き、そしてクラブの動きがかなり見えづらくなりますが、反面、
- フットワーク
- 股関節の使い方
- 体重移動
- 体感の使い方
- 頭とクラブヘッドの位置関係
というのがかなり正確に観察できます。ゴルフ雑誌は絵柄が地味だという理由から、は背面のスイング連続写真をめったに掲載しませんが、実は、背中側から観た方が、スイングの仕組みがどうなっているかが分かりやすいのです。
書きましたが、効率良くヘッドスピードを上げて飛ばしているプロは、インパクト直後に頭がグイッと後ろに下がっています。時計の文字盤に例えると、インパクト直後は、
頭が1時で、クラブヘッドが7時。
頭とクラブヘッドが互いに綱引きしている状態になっています。
ハンマー投げの姿勢とまったく同じで、ゴルフスイングにおいても頭とクラブヘッドが互いに綱引きしている状態になるほど強いパワー、強い遠心力が発生し、ヘッドスピードを上げる源(みなもと)になっているのです。
では、どうすればインパクトゾーンで頭が後ろ(飛球線後方)に下がるのか?
「頭が動いているわけだから、頭の動きを意識すればいい」というのは、早計な答えです。なぜならば、ハンマー投げでもゴルフスイングでも、頭が後ろに残る人のほとんどは、頭の動きなど一切意識していないからです。
では、どんな動作(動き)によって、頭を後ろに下がってしまうのか?
答えは下半身(フットワーク)と体幹の動きです。もう一度、背面からのスイングをご覧になって下さい。ダウンスイングとインパクト直後の動きを比較すると、一番大きく動いているのは下半身と体幹です。ダウンスイングで下半身が飛球線方向に大胆に動いているのが確認できるはず。そしてインパクトゾーンにおいては、背骨の角度がかなり変わっているのが確認できるはずです。
ダウンスイングがはじまった時、背骨はほぼ地面と垂直ですが、インパクト直後になると、背骨は右肩が下がる方向に大きく傾いています。ダウンスイングからインパクトにかけて、腰が飛球線方向にスライドするように下半身を大胆に使うほど、バランス維持するために、頭は後ろに下がってしまうのです。作用と反作用という言葉を使うならば、
腰の飛球線方向のスライドが作用で、その反作用として頭が後ろに残るのです。
作用と反作用というのが、今ひとつピンとこない人は、右足を中に浮かせて左足1本でシャドースイングしてみて下さい。左足1本でスイングした場合、上半身先行でダウンスイングすると、上半身の動きに引っ張られて頭も飛球線方向に動いてしまい、バランスを崩してしまいます。対して、下半身から動けば、下半身が飛球線方向に動いた分だけ、頭は右に残ってきます。そうしないとバランスが取れないというのが分るからです。また、手先や腕だけでクラブを動かそうとすると、頭は飛球線方向に流れてしまいます。
↑上半身先行で、腕や手から動く場合
↑下半身から動く場合
インパクトゾーンで頭を残すためには、下半身の動きが重要です。そしてもうひとつ重要なのは、インパクトゾーンで手や腕をできるだけ振らないで、クラブを振り抜くことです。これについては次回じっくり説明しましょう~。
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