関係記事です→「シャフトの硬さについて真面目に考える‥‥その1」
この1週間‥‥シャフトを試打・試打・試打しまくって、ブログ更新をすっかり怠っているマーク金井です(2週間で約200本テスト)
さて、今回もシャフトの「硬さ」につて。クラブ(シャフト)メーカーの多くは‥‥
シャフトを弓なりに反らせて(曲げて)硬さを調べたり、
(ピストンで手元側を押し下げ、シャフトが復元しようとする力を秤で計測)
振動数計で
(手元側を固定してシャフトを縦に振動させて計測)
硬さを計測しています。どちらも数字が大きいほど「硬い」という定義ですが、計測法が違うために両方の数字がリニアな関係にならない場合もあります。
では、曲げて計測するのと、振動させて計測するのとではどちらの方が正確なのか?
人間が使う道具として考えると‥‥
振った時のフィーリングと数値が一致するのがベストですが、「曲げ」「振動」とも、単体計測では硬さの違いを正確にジャッジしづらいというのがボクのスタンス。
(6.7は硬さを表す数字)
例えば、○SPで同一モデルで硬さが微妙にことなるシャフト(曲げ計測値が6.5と6.7kg)の数値を計測してみると、
6.5 振動数256cpm センターフレックス値4.02
6.7 振動数256cpm センターフレックス値4.10
センターフレックスは曲げ計測器とほぼ同じ原理で、シャフトを弓なりに曲げることで
シャフトセンター付近の硬さを調べる機械。数値的に見ると、この2本はほとんど硬さです。ワインのテイスティング、日本酒の聞き酒よろしくブラインドテスト(目隠しテスト)でボールを打ってみると‥‥案の定正解率は66.6パーセント(3回やって2度正解)でした。
ここまで硬さが近いシャフトはそうありませんが、他社シャフトを試打してみても感じるのは、
振動数が上がれば、スイングした時に硬く感じること。振動数が同じ場合は、先調子よりも手元調子の方が振った時に硬く感じる。そして、振動数が同じぐらいだと、センターフレックス(曲げ計測)値が高い方が、振った時に硬く感じることです。
現在、市販シャフト80種以上をフレックス違いで計測、そして実際に試打していますが、途中段階では振動数、センターフレックス値の両方から割り出した硬さと、実際の硬さが違うシャフトは1本もありません。
ただし、今のシャフトは「何だこりゃ~」「ホンマかいな?」というぐらい、硬さ表記(RとかS)があてになりません。例えば、市販モデルのSシャフトは、アフターマーケットのRよりもはるかに軟らかかったり、アフターマーケット物でも、RとSとの硬さの違いが少なかったり、非常に大きい場合もあったりする。打てば打つほど、表示は同じでもホントの硬さはバラバラですわ~。
シャフトの個性をハッキリさせるには硬さにこだわることも必要だと思いますが、硬度設定に幅があり過ぎるとると、ユーザーが硬さを選び「間違える」リスクも出てくるはず。ボクがクラブ&シャフトメーカーの人間だったら、自社製品の硬さの序列を作りたくなっちゃいますね~。
んじゃ。