毎年恒例のホットリストジャパンの試打が昨日から始まりました。ホットリストとは米国ゴルフダイジェストが始めたゴルフクラブの性能評価&審査で、毎年、評価が高いクラブに賞が与えられます。国内ではGDOが主催し、今年で4年目を迎えます。米国同様、有識者が審査員となって入念に審査し、評価が高いクラブに賞が与えられます。
HOT LIST”とは、米国「Golf Digest」誌が2004年から実施しているゴルフギアのレーティング企画。同誌が30万ドル以上(2012年度)のコストをかけ、100年を超えるゴルフ業界での経験をもとに、ゴルフギアの有識者や一般アマチュアによる試打評価(機能性45%、見た目・音・打感20%)、科学者と有識者による革新性の評価(30%)、販売店関係者とゴルフ業界関係者による需要性(5%)の評価を総合して、ゴールド、シルバーのバッジをつけるもの。日本で発売されている最新のゴルフクラブを対象に受賞クラブを決めるのが“HOT LIST JAPAN”である。(GDOホームページより引用)
昨日はドライバーとパターを80本近く試打してきました。FBで、「1本あたり何球ぐらい打つのですか?」という質問がありましたが、マーク金井の場合は、クラブによって球数が変わります。平均すると5~10球ぐらいですが、実は、いいクラブほど球数を打ちません。
いいクラブは1球打っただけで性能がほぼ分かります。
対して、性能が分かりづらいクラブ、対象ユーザーがはっきりしていないクラブは球数が増えます。打ってもクラブから返ってくるフィードバックが少ないからです。マーク金井に関して言えば、球数をたくさん打ったクラブは評価があまり高くありません。クラブの個々の性能、審査基準については守秘義務があるので、ここでは一切書けませんが、ゴルフクラブはボールをたくさん打ったからと言って性能が分かるとは限らないのです。
ホットリストの審査員はゴルフクラブに造詣が深い人によって構成されていますが、その属性はバラエティに富んでいます。プロゴルファーももちろんいますし、メディアでお馴染みのテスター、そしてもちろんアマチュアゴルファーもいます。年齢構成、ヘッドスピード、持ち球も様々です。そんな中、昨日はユニークなシチュエーションを垣間見ることができました。典型的にスピン量が多いアマチュアと、典型的にスピン量が少ないアマチュアが、並んでドライバーを試打していたのです。まったく同じドライバーを打っているにも関わらず‥‥
スピン量の多いゴルファーのスピン量は4000回転超え
スピン量が少ないゴルファーのスピン量は2000回転前後
ヘッドスピードは2人とも43m/s前後。ヘッドスピードが同じなのにも関わらず、同じドライバーを打つと、スピン量が2000回転以上も異なるのを目の当たりにしました。そこで、今回はスイングとスピン量の関係について説明したいと思います。
スピン量が多いゴルファーの特徴
・クラブの軌道がアウトサイド・イン
・ダウンスイングで手首のコックが早くほどける
・ダウンスイングでヘッドが高い位置から降りる
・ダウンスイング以降、右サイド(右肩)の運動量が多い
・ダウンスイングで右ひじが伸びるのが早い
・インパクトゾーンで手、腕を早く振っている
右手を使って打つタイプ、手打ち(手の運動量が多い)タイプは総じてスピン量が多いです。
対して、スピン量が少ないゴルファーの特徴
・クラブの軌道がインサイド・アウト
・ダウンスイングでシャフトが寝ている
・ダウンスイングで左サイド(下半身)の運動量が多い
・ダウンスイングで右ひじが伸びるのが遅い
・インパクトゾーンで手、腕のスピードが遅い
・インパクトゾーンでグリップが浮く度合が大きい
左サイドのリードが大きいタイプ、ボディーターン(下半身の運動量が多い)タイプは総じてスピン量が少ないです。
FBでスイング動画をアップしましたが、同じタイミングで打ってもらうとクラブの振り方が正反対。スピン量が多いゴルファーはクラブを上から下に振り下ろす度合が大きく、スピン量が少ないゴルファーはクラブを下から上に振り上げる度合が大きいのが見て取れます。
この2人は極端な例ですが、スピン量が総じて多い人(ボールが吹け上がりやすい人)は、程度の差こそあれ右サイドの運動量が多く、クラブを上から下に振り下ろす度合が大きいと思って間違いありません。スピン量が総じて少ない人(ボールがドロップしやすい人)は、程度の差こそされ左サイドのスピン量が多く、クラブを下から上に振り上げる度合が大きいと思って間違いないでしょう。
今どきのドライバーの中には、スピン量をコントロールできるモデルも多いですが、調整機能をフルに活用しても調整できるスピン量は300~500回転ぐらいです。対してスイングが変わるとスピン量は2000回転以上も変わります。極端にスピン量が多いゴルファー、極端にスピン量が少ないゴルファーは、クラブ選びも大事ですが、ほんとうに適正スピン量を打ちたいならば、スイングを変化させることも大事です~。
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