このインプレッションは、2012年3月に書かれたものです。
僕のエースドライバーの1本であるR11が、モデルチェンジ。革新的な初代モデルがモデルチェンジすると、進化するかといえば必ずしもそうではない、二代目は、初代のフィードバックから開発される。初代の”とんがった”部分が減ってマイルドになる場合がほとんど。欠点を解消しようとすると、利点も無くなってしまうのだ。モデルチェンジでヘッド体積が20ccふえて、460ccに、形状は、11が若干三角形気味だったのに、Sはヘッド後方部が長くなり、重心の深さを感じる形状に。しかしウエイト調整のネジの位置がかなりフェースよりになった。ウエイトがフェース寄りになったということは、重心は浅くなる。ただでさえ、フェースはヘッド部分では強度を出すために、一番重いヘッド重量200gだとすると、80g前後はフェースに集中している。ミスに強いヘッドを作ろうとすると、構造上このフェイス部に集中してしまうウエイトを、ヘッド後方に持って来ることで、重心をヘッド後方に持っていきたい。ヘッド形状は、ヘッド後方部が長くなると、必然的に重心は後方へ、ウエイトは前方へという、一見矛盾した構造になっている。可変ウエイトを前方に持ってくるのは実はメリットがあって、フェース部に近いほうが、重心距離は動かしやすい。前方のウエイトを重くすると、重心深度が前方になり低スピン、軽くするとスピン量が増える。男子プロにも女子プロにも対応できるようにしたのでは?と推測する。
もうひとつはフェースの厚みである R11が60mm→R11Sが58mmと若干シャローになっている。そのせいか、R11Sのほうがスピン量が総じて200~300回転ぐらい多い。その分安定した飛距離が期待できるが、R11のが一発飛距離は出ると思う。
重心距離自体は。そんなにかわらない、ウエイトは日本モデルはヒールに6g、トゥに1g、並行はヒールに10g、トゥに1gとなっている。重心距離も調整幅が広がった感じがするし、FCTカートリッジも一段階1.5度の調整幅になっているので、フェイス角とロフトも調整幅が広がった。やはりこのカートリッジの魅力は、ヘッドが同じでシャフトが試せるところ。シャフトによるスピン量の違いなどは全く同じヘッドで、試さないとわからないので非常に便利だ。
さて、R11Sだが、更にヘッドカバーの刺繍が増えて、コストアップしている。この分また、シャフトとグリップの原価が削られていると想像するのは僕だけではないはず。R11は風の強い日、低スピンで飛ばしたい人向き、R11Sは無風の時や、ミスに寛容で平均飛距離を稼ぎたい人向き。
R11Sのクラウンには R11とプリントされている。これはR11S TPが出る布石?と想像してしまっている。実に楽しみだ
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テーラメイド R11S(9度)+RIP Phenom(S)
長さ45.5inch/重さ322.8g/バランスD2/振動数252cpm/センターフレックス値4.74/表示ロフト9度/リアルロフト10.5°/フェイス角-1.0/重心角21.5
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