このインプレッションは2013年6月に書かれたものです
ネクストゴルフは、まったく新しいシャフトメーカー。そして全く新しいブランドとして登場したのが今回試打する鎬(SHINOGI)。シャフト重量は50g台のみのラインアップだが、硬さはR2、R、SR、Sの4種類がラインアップされている。シャフトはブラックとホワイトのツートンで、手元側のホワイト部分に漢字で「鎬」のロゴが入る。和のテイストを強く意識させるデザインとなっている。
対象ユーザーは40歳台以上の「洗練された大人」のゴルファー。力まかせに打つヒッターよりも、スウィンガー向けであることをメーカーはアピール。シャフトの特徴は素材配分。全長に高弾性シートを採用しつつ、手元側には4軸組布、先端部にはボロン素材、そして中間部分には低弾性素材が用いられている。これにより、タイミングの取りやすさ、振り抜きやすさを実現し、飛距離と方向性を両立させているとメーカー側はコメントしている。
シャフト試打で使うヘッドは「テーラーメイド グローレ」。ヘッドがやや軽めなので、長尺使用(45.75インチ)で使いやすく、シャフトが脱着出来るタイプだ。まずはソフトスペックのRから試打。アフターマーケット用のRとしては軟らかい。シャフトの硬さに合せて軽めにスイングしてみると・・・切り返しで手元側が適度にしなり、ダウンからインパクトにかけてはシャフト全体が力強くしなり戻る。ムチのように中間部分や先端が大きくしなるタイプではなく、中間部分に張りがある。軟らかいが弾き感を味わえ、力強くボールをヒットできる。先端挙動が安定しているので、低スピン弾道が打ちやすく感じる。
Sも挙動は同じ。Rに比べると少し手元側が硬いが、それでも切り返しでは手元がちゃんとしなる。いわゆるトップからダウンの「間」が取りやすい。切り返しでヘッドが遅れるようにしなってから、インパクトでしなり戻るまでのタイミングが実につかみやすい。手元側のしなり感と適度なトルク感で、振り心地がいいシャフトだ。
弾道計測してみると、打ち出しは普通で低スピン。ティを少し高めにするとフェース上部でボールをヒットしやすく、縦のギア効果でスピンを減らせる。方向性に関してはニュートラル。トルク感があるのでドロー、フェードを打ち分けやすいタイプではないが、直進性の良い弾道が打ちやすい。インからあおってもヘッドが急激に返らず、引っかけ、チーピンも出づらいので、フッカーにもいい。また、軟らかいのに弾き感があるのが鎬の特徴だ。手元側がしなるシャフトで切り返しで「間」を感じ取れる。「間」を感じ取りたいゴルファーと非常に相性が良い。
適正ヘッドスピードは
R:37~41m/s
S:43~47m/s
が妥当だと言える。
スペック的にはS、Rとも振動数は低めで、センターフレックス値はやや高め。中調子だが、シャフト中間部分をやや硬くすることで弾き感が出やすく仕上がっている。
【シャフト計測データ】
ネクストゴルフ 鎬SHINOGI(R)
長さ45.75インチ/重さ300.8g/バランスD2/振動数233cpm/センターフレックス値/3.7
ネクストゴルフ 鎬SHINOGI(S)
長さ45.75インチ/重さ303.1g/バランスD2/振動数250cpm/センターフレックス値/4.35
(※ヘッドは「テーラーメイド グローレ」ヘッド重量198g、接着寸32mm、スリーブ重量含む)
シャフトの特性を考えると、小ぶりで重心距離が短いヘッドよりも、大ぶりで重心距離が長いヘッドと相性が良い。少し長めに使った方がシャフトの良さが引き出せるので、重すぎないヘッドと相性が良さそうだ。具体的には、今回試打に使った「テーラーメイド グローレ」「プロギア nabla RED」「ダンロップ ゼクシオセブン」「タイトリスト VG3」あたりで、45.5~46インチと少し長めに仕上げるのをお勧めしたい。