このインプレッションは、2012年6月に書かれたものです。
S-TRIXXさんから新しいシャフトが出たので、チェックしてと取材の依頼が来たので試してみた。S-TRIXXは昔 アモルファスとか軽量の使いやすいシャフトをブランドとして発売していた
S-TRIXXという会社は、もともと三菱レイヨンのシャフトの販売会社なのだが、そこがオリジナルブランドS-TRIXXバルマーというシャフトを発売した。もちろん作っているのは、三菱レイヨンだ。
今日の連載にも飛ばないシャフト、飛ばないクラブを作ろうと思っていると書いたけど、このシャフトは僕のコンセプトに非常に近いシャフトで驚いた。このバルマーは決して飛ばないわけでなく、どちらかといえば安定性志向のシャフト、中折れ感もあるし、センターも柔らかく手元も柔らかい感じ。
VX70のSでセンターフレックスが3.80となかなか無い柔らかさが出た値。センターを固めて弾き感を出しているのが今流行のシャフトのトレンドだけど、このシャフトのテイストは日本シャフトのGTシリーズに近いと感じる。この柔らかさは魅力的、おまけにこちらのが色もデザインもカッコイイ。
まずダブルエックスを試してみたが、データ的にはクレイジーのS(ロイヤルデコレーション以外)ぐらいで、振動数は277cpmとXXといってもおかしくないが、センターフレックス値が4.74と普通のS程度とさほど硬くない。センターが柔らかいので、叩きに行ってもヘッドの挙動が安定してる。シャフトがでしゃばらず自分がしっかり振ればそれに答えてくれる感じ。
70g台のシャフトなので総重量が330gと相当重いが、僕の今年最高飛距離を記録。ボール初速は71m/sというありえない数値が出た。重くて硬いものを振ること、自分のパワーをレッドゾーンまで引き出せば、コレぐらいの数値はまだ出ると新鮮な驚き。とはいいつつ打った後背中がパンパンに張っている(笑)知らず知らず楽に振っていたんだなという気づきとレッドゾーンまで振り切るということは大切に思った。
Sシャフトでは振動数が255cpmで、センターフレックスが3.8ど、メーカー純正のSと、アフターマーケットのSRと同じぐらいで、柔らか目でマッチする人ヘッドスピードの人も多いだろう。
僕が作りたいシャフトはもう少しやわらかくして、44インチぐらいのドライバーが苦手な人の飛ばないトライバー。それまで待てない人はこのシャフトをためしてみるといいだろう。60g台はSRの設定もあるし、FW用も出ている。FW用もチェックしてまたインプレッションしてみたいと思う。
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R11(表示ロフト9度)+S-TRIXX バルマーVX70(S)
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長さ45inch/重さ326.0g/バランスD2.5/振動数255cpm/センター
フレックス値3.80/
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R11(表示ロフト9度)+S-TRIXX バルマーVX70(XX)
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長さ45inch/重さ332.0g/バランスD3/振動数277cpm/センター
フレックス値4.74/