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ブリヂストン X-BLADE GR C-1(2010)

このインプレッションは、2010年12月に書かれたものです

最近、僕がプロデュースしているウエッジがある。今年アメリカのPGAショウで見つけてきた。クリーブランドのウエッジ”ニブリック”にヒントを得て、軟鉄鍛造で作っている”MSウエッジ”(M→メッチャ、S→スピン)メッチャスピンがかかるのだ。

このウエッジは、ぶっちゃけニブリックや、PRGRのR35の形状を参考にして作っている。超ワイドスイートエリア、ワイドソールな低重心クラブを作ろうと思うと、独特な形状になる。市販品でもPRGRのeggアイアンなど、フェイス高が低めで、トゥとヒールの高さの差が無く、ワイドソールとなると、いわゆるチッパーっぽいヘッドになってしまう。非常に機能的な形なのだが、チッパーというのはネガティブワードのようで、何使っているの?的な目で見られる。機能的な形は時に、異端とみられる。これはピンアイ2やビッグバーサアイアンなど歴史が物語る。性能を追求すると異端になり、ゴルフ的感性にこだわると性能は犠牲になる。アイアンはいつもこれを繰り返している。

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一般的にアイアンセットはロングアイアン→ミドル→ショートとヘッドが大きくなり、トゥ側の角がだんだん丸みを帯びてくる。この境界線となる番手が、8番アイアン。クラブのことを知ってる人は、

”アイアンセットは8番の顔をチェックしろ”という。

この番手がウエッジへの流れを作っている。構えやすさを判断する番手となる。しかし最近のトレンドは、この角をそのままPWまで残る。今使っているアイアンセットはPRGRのis501という3年前のモデル。もうホントに気に入って予備を持っているほどのアイアン。軟鉄鍛造で大きめのヘッド、グースが適度にあり、フェイスとバックフェイスの間が中空になっていて、そこにジェルが入っているという凝りに凝ったモデル。

そしてシャフトは、DGでは重いし、NS950では軽い。ヘッドスピード46の僕にピッタリの110g台のプロスペックスチールM46(日本シャフト製)が入っている。この重量帯でカタログにラインナップされているのは、キャロウェイのM10DBとこれぐらいという貴重なモデル。

ヘッド、シャフトともホントに気に入ってる。しかしMSウエッジをテストするようになって、ショートアイアンからウエッジへのつながりに違和感が生まれるようになってきた。

そんなときに、取材先の中古ショップで見つけたのが、

ブリヂストン X-BLADE GR C-1だ。

まず僕的に、ヘッドの素材は軟鉄鍛造であること、これはライ角の調整が出来なければならないから。そして、やさしさを持っていないといけない。その為にはヘッドは大きく、グースはある方が日本の芝にはマッチする。そしてキャビティは出来る限り深く、ソール幅も欲しい。

この条件を全てこのモデルはクリアしている。GR C-1は、現行のGR forgedの一つ前のモデル。マークダウン品(新品)中古ショップで買える時代。そして49800円とかなりのお買い得だった。

GR C-1は、軟鉄鍛造でも、大型化やポケットキャビティ化のために溶接して、貼り合わせたヘッドではなく、一枚物とよばれる貼り合わせのないヘッド。当然加工の自由度は減るが、一枚物のメリットはなんと言ってもダイレクトな打感である。一枚物としてはホントにキャビティが深く、易しく仕上がっている。

そして充分なヘッドの大きさがある。ヘッド形状も角がPWまで残っていて、MSウエッジとの違和感もない。標準で装着されているNS950WF(ウエイトフロー)は、通常のNS950よりしっかりしているし、短い番手に行くほど重量がある。一度使ってみたいとおもっていた。

BS X-BLADE GR C-1+NS950WF
———————————DATA——————————

長さ37.75inch/重さ407.9g/バランスD1/振動数324cpm/ロフト25.5°/ライ角60.5(5番アイアンのデータ)

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全番手測ってみて、驚いたことがあるライ角が、カタログ値通りだったのだ、何を驚いているの?当たり前じゃないの?と言われる方がいると思うけど、カタログ値通りになっているデータは、バランスと重さぐらいのもので、ライ角とロフト角がカタログ値通りになっていることはほぼ無いのが、哀しい現実。

メーカー公称値の誤差は、±1度。ということは、ライ角は1番手で0.5°変わっていくが、番手ごとで逆転しているなんて、日常茶飯事。カタログ値通りなんてほぼ奇跡に近い。僕は買ってきたクラブを、自分のスペックに調整してこそ完成品と思っている。

カタログ値通り合っていても、僕の最適ライ角は、5番で65度。身長が183センチと、167センチのT島が同じライ角であるはずがない。それぞれ最適ライ角は違うし、製品誤差もあるので、僕は軟鉄鍛造に拘っている。打感のことを褒める人が多いが、まずこのライ調整が出来ることが大前提。ライ角を60.5度→65度へ変更。

全番手ライ調整して、試打する。やはり一枚物の打感は心地良いし、貼り合わせ独特の高い音になりにくく、落ち着いた音とフェイスにグッと乗っている打感が心地良い。MSウエッジとのつながりも、なかなか素晴らしい。ただやはりNS950WFは軽く感じる。ATTASのアイアン用シャフトがテスト用に来たので、それにリシャフトしてみることにする。もしかしてエースが変わるかも


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