僕があまり国産ブランドを買わないのは、皆さんはよくわかっていると思う。外ブラを使っていないとよく、マークさんらしくないと言われる。今回は計測用に必要だったので、100%買取保証システムがある中古で購入。スリクソンのこのZシリーズはヘッドの大きさが3種類、その中でも一番大きい460ccのZ525をチョイスした。
最初は懐疑的だった国産メーカーもどんどんカチャカチャ搭載ドライバーを出してきた。ヤマハの今度の新製品もカチャカチャ搭載という話。スリクソンのこのモデルは、前のモデルZ-TXはフェースに近い部分にあった調整ウエイトの位置、ヘッドの真ん中より後方に配置してきた。クラブの基本構造として良い傾向だと思う。
ヘッドはフェースが一番重く、フェース側に重量調整のウエイトがある方が、重心
距離など重心位置を変えやすいが、見た目とヘッドの重心位置がズレやすいため、ヘッド性能のバランスが悪くなる。パーシモンの頃はフェースから遠い位置に、「バックメタル」というウエイトを配置していたのは、偶然でなくトライ・アンド・エラーを繰り返してのことだと思う。この位置のウエイト調整は目立たないが、違和感のない範囲で重心位置も調整できるし、単にウエイト調整としても良い位置だ。
ちょっと変なのが可変カートリッジ。一見すると可変式なの?とおもうぐらいスッキリとしていて、その点はいいのだが実際カチャカチャしてみると、下の計測データを見ていただければわかるように、メーカーの発表している変化値との誤差がかなりある。それとスリーブがコンパクトで短い分、シャフトとの接着寸が短いのが不安。この短さが可変のデータがおかしい原因ではないかと推測する。何度も言うけど可変式といっても、クラブの基本性能ありきで、可変したから基本性能がよくなるわけではない。
といは言え今回のモデルチェンジ、僕は評価している。今回試打して思ったのは、最近のスリクソンのドライバーは、やさしさを求めてダンロップの主力であるゼクシオとの差別化が出来てなかったが、この新しいZシリーズは以前のスリクソンのドライバーと同じように完全にゼクシオと差別化できている。
今回試打したZ525はこのシリーズで一番オートマチックだが、完全にアスリート向けで460ccだけど、フェースの面積を少なくしてマニュアル感が非常に出ている。シャフトのMIYAZAKIのケーナは重心が手元に来たとアピールしているが、残念ながら全く感じないグリップが薄く感じて、重量も軽いと想像する。手元の重心を持ってくるなら、グリップの重量も従来通りすれば更に重心も手元に来る。シンプルにシャフトスタビライザーなどのウエイトを入れればもっと顕著できるはず。
これはたぶんクラブ総重量の呪縛。310g台にどうしてもしたかったのだろう。各社ウエイトを手元側に持ってきたというセールスプロモーションをしているが、スペックの呪縛にとらわれて大胆にできない。すると劇的な効果も期待できない。せっかくヘッド重量にこだわって、グリップ側に重量があれば効果があると言っているのだが、総重量を気にせず手元にウエイトを配分すればいい。
これは宣伝だけど(笑)アナライズが日本での販売元となっているシャフトスタビライザーを装着すれば、総重量は増えるが振りやすさは劇的に変わるし、ミズノの新製品ボディフィットがそれを証明してくれている。とは言えこのクラブは、ターゲット層を明確にしているので、売れるのではないかと思う。ヘッドスピード43m/s以下ををはっきり切り捨てた分、コンセプトがはっきりした。低スピンが打てるハードヒッターモデル。残念ながら僕には重心距離が短すぎるので、100%買取保証で引き取ってもらったが、ハードヒッターにはオススメしてもいいと思う
スリクソン Z525+MIYAZAKI KENA Indigo6(S)
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長さ45.25inch/重さ313.0g/バランスD3/振動数261cpm/センターフレックス値4.51/表示ロフト9.5/
ノーマル リアルロフト10.25度/フェイス角-1.00度
NU リアルロフト11.75度/フェイス角1.25度
R リアルロフト9.5度/フェイス角-1.00度
L リアルロフト11.75度/フェイス角2.00度
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2012年10月のインプレッション