シニアゴルファー向けのクラブの特徴と言えば、「軽量化、シャフトの軟らかさ、長尺」が上げられます。いずれもパワーが落ちてきたシニア層がやさしく飛ばすための配慮ですが、ここで注意したいのが軽量化です。
軽いクラブはメリットだけでなく、弊害(デメリット)もあるからです。軽いクラブはヘッドスピードを上げやすいメリットがありますが、反面、軽過ぎるとクラブの重さを利用しテークバックできません。手先でひょいと上げる打ち方になったり、クラブの重さを利用できない分だけトップが浅くなってきます。
それだけではありません。ドライバーはともかくアイアンの場合、軽過ぎるとリリースのタイミングが遅れるためにトップやチョロも出やすくなって、肝心のミート率も悪くなるのです。
では、シニアゴルファーはどれぐらいの重さを使えばいいのか?
基準となるのは今使っているクラブ重量です。
例えば、今の5番の重量が420gならば410~400gがいいでしょう。10~20g程度の軽量化ならばスイングに悪影響が出ません。また、少し軽くすることで振りづらさも解消できます。目安としては「振り切れる範囲で重いクラブ」を選んで下さい。
ちなみに、今使っている5番の重量が375g未満(軽量アイアン)の人の場合は、軽くしない方がいいです。せめて60歳台の間はその重量をキープしましょう。その方がクラブの重さを利用できます。年をとって体が硬くなってもトップが浅くなってからの打ち急ぎを防止できます。
硬さに関しては、年をとって体が硬くなるほどに、シャフトは軟らかくした方がいいです。今までSだった人はSRとかR。Rだった人は軟らかいRに換えていく。シャフトを軟らかくすると、加齢による体力の衰えをカバーできます。打ち急ぎのミスも減らせます。
年齢による体力の衰えをクラブの軽量化だけで対応しようとしてはいけません。これをやってしまうとスイングの老化現象を早めてしまいます。スイングはクラブによって「良くも悪くもなる」ことを肝に銘じておいて下さい。