昨日はダイヤモンドオンラインのイベントで、麻倉GCに行ってきました。コンペ参加者のスイングをiPhoneで動画録画して分析しつつ、スイングとクラブの関係、クラブについてあれやこれ話してきました。50名ほどのコンペでしたが、クラブに関してはゼクシオを相変わらずゼクシオを使っているゴルファーが目立ちました。マーク金井は13番のショートホールと練習場で参加者のクラブチェック、そしてスイングをウオッチングしてましたが、今回も色々と勉強できました。13番は池越えですが、多くのアマチュアは手前にある池が気になるあまり、池を越すことが優先順位の一番になっています。120yほどの短い距離にもかかわらず、距離感を合わせることよりも、手前の池に入れないようにすることが多いためにナイスショットするとグリーンオーバーする人が少なからずいました。
ちなみに麻倉の13番は今週開催、マスターズの舞台であるオーガスタナショナルの12番とレイアウトが似ており、奥に外すと下り傾斜になっているので、アプローチが極端に難しくなります。ここではナイスショットしてグリーンオーバーすると、パーでホールアウトするのが非常に難しくなります。
さて、今日のエントリーもボールの選び方についてですが、今回はアイアンの距離感を出しやすいボールについてお話ししましょう。説明するまでもありませんが、アイアンはドライバーのように飛ぶだけではダメです。ショートホールのティショット、ミドルホールのセカンドショット、ロングホールのセカンド&サードショットでアイアンを使いますが、ここで大事なことは打ちたい距離を打つこと。例えば、150y先のグリーンを狙う場合は、140~155yくらいの幅で飛べばナイスショットです。
よほど奥行きのないグリーンを除けば、ピンに対して手前10m、奥5mくらいの幅の中にショットが収まれば2パットでホールアウトできる確率が上がるからです。逆に言うと、イメージよりも飛ばないボールや飛びすぎるボールを使ってしまうと、ナイスショットがナイスショットになりません。特に、イメージよりも飛んでしまうボールを使ってしまうと、グリーンオーバーしてダボを叩く確率も上がるからです。
では、何を基準して選べば、アイアンの距離感が良くなるボールを手に入れることができるのか?
チェックポイントはショートアイアンのスリップの度合いです。
アイアンはロフトが増えてくると、摩擦抵抗が増してスピンが増えてきます。7番よりも9番の方が飛ばないのは、9番の方がロフトが多く、その分だけボールが高く上がり、スピンが増え(結果、空気抵抗が増え)てくるからです。ただし、今どきのボールは、モデル、銘柄によってこの減少が当てはまらない場合もあります。ボールによってはナイスショットしても、ラフからフライヤーを打った時のようにフェース面上をボールが滑り、スピンがかからなくなって、予想外に飛んでしまう場合もあるのです。
例えば、9番で打った場合、ロフトやヘッドスピード、そしてボールによっても異なりますが、ナイスショットした場合のスピン量は
7500~9000回転ぐらいです。
このスピン量が一定になっていれば、9番アイアンの飛距離は大きく変わりません。ミート率がよければ前後のミスは出づらくなります。ところが、ボールによってはインパクトでスリップしやすいモノのあって、ナイスショットしても9番で
5000回転以下
になってしまう場合があります。こうなるとフライヤー減少が発生し、9番なのに8番や7番の距離が出てしまいます。これではナイスショットしているのに距離が20y以上も違ってしまうと、スコアメイクは非常に難しくなります。
スリップ現象は主にボールのカバー素材で決まります。一般的にはディスタンス系ボールがスリップしやすく、ウレタンカバーが採用されているスピン系のボールはスリップしづらいです。そして、スリップの度合いはボールによっても微妙に異なってきます。そしてヘッドスピードが速い人ほど、ダウンブローに打ち込む人ほどスリップ現象が発生しやすくなります。そして困ったことに、まったく同じスイングをしてもスリップ現象が発生したり、しなかったりもあるのです。
一般的には、ドライバーのヘッドスピードが46m/sを超えてくるとスリップ現象が発生しやすくなります。対してヘッドスピードが40m/sを下回ってくるとスリップ現象が発生しづらく、そしてスリップ現象が発生してもボールが飛び過ぎることが発生しづらくなってきます。
アイアンの距離感を求めるならば、ドライバーのヘッドスピードがひとつの基準になり、それを元にしてボールを色々テストすると、アイアンの距離感が合いやすいボールを手にすることができるでしょう。
ヘッドスピード40m/s以下ならば飛距離重視のディスタンス系ボール
ヘッドスピード46m/s以上ならばウレタンカバー採用のスピン系ボール
ヘッドスピード43m/s前後ならばウレタンカバー採用の中間ボール
以上がひとつの目安です。アイアンの場合、ロフトが少ない(30度未満)だとスリップ現象が発生しづらいですが、ロフトが多くなると(30度以上)だとスリップ現象が発生しやすくなります。今どきのクラブだと7番、8番、9番、PWでフルショットした時の距離をジャッジして下さい。これでナイスショットがグリーンを大きくオーバーしたり、飛ぶと思って大きくショートする場合は、スリップ現象が発生している可能性大です。そういう場合は、今使っているボールよりもスピンがかかりやすいボールに切り替えた方が、アイアンの距離感が良くなりますし、スコアメイクもしやすくなってきます。
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