昨日はインターネットラジオ、ソラトニワ「マーク金井の喋らずにいられない」のオンエア日。ゲストは女子プロゴルファーの別府有里子さん。ティーチングプロとしてレッスン活動をしながらも、自ら会社を経営しておられるバリバリのプロフェッショナルです。いろんな話を伺いましたが、その中でも勉強になったのが、ダウンスイングからフォローにかけての腕の振り下ろし方。ビジネスゾーンと呼ばれる所で、腕をどんな風に振るかでボールが飛んだり、飛ばなかったりするそうです。番組アシスタントのアリエルのスイングを分析してもったら、
「一生懸命スイングしていますが、これだと飛ばないですねぇ」
と。飛ばない原因はどこにあるかと訪ねたら、即座に腕の振り下ろし方について言及されました。アリエルだけに限らず、一生懸命振っても飛ばない人というのは、
ダウンスイング途中からインパクトにかけて腕を振るスピード、手元(グリップ)スピードが減速します。対して、アリエルだけでなく、一生懸命振っても飛ばない人、一生懸命振ってもヘッドスピードが上がらない人は、ダウンスイング途中からインパクトにかけて腕を振るスピード、手元(グリップ)スピードがほとんど減速していません。インパクトゾーンで腕を振るスピードが速い。そして腕を速く振っているがために一生懸命振っているように見えてしまうわけです。要するに‥‥
腕、手元、グリップスピードが減速しない=飛ばない、一生懸命振って見える
腕、手元、グリップスピードが減速する=飛ぶ、軽く振って見える
そうです。軽く振って見える人というのは、腕、手元、グリップスピードが減速しているために、無駄な力感がなく、それが軽さを演出しているわけです。
マーク金井は回りから「軽く振って見えますね〜」と言われますが、本人は軽く振っている自覚は一切ありません。かなり目一杯なスイングをしていてもそう見えないのは、ダウンからインパクトにかけて腕、手元、グリップスピードが減速する度合いが並外れて大きいからです。そして、シャフトを使うのが上手いとも良く言われますが、これも理由は同じです。別府プロもラジオでコメントされてましたが、ダウンからインパクトにかけて、
腕、手元、グリップスピードが減速するのが上手いほど、
シャフトのしなり戻りを効率良く使えるのです。
ちなみに、ダウンスイングで腕、手元、グリップスピードが減速している度合いというのは、昨日このブログでも紹介したスイング解析システムEPSONの「エム・トレーサー」でかなり正確にチェックできます。一生懸命振って見えるアマチュアの多くは、グリップスピードの減速がほどんどなくて、減速の度合いの数値は20%を下回ります。対して、男子プロ、上級者、ロングヒッターになるとこの数値が30%を上回ってきます。マーク金井は気合いを入れてスイングするほどのこの数値が高くなり、マン振りすると、
ヘッドスピードは47.1m/s
ナチュラルアンコックは55.1%
(グリップスピード減速率)
という数値。気合いを入れれば入れるほど、ダウン途中からインパクトにかけて腕、手元、グリップスピードが減速する率が高くなってきます。シャフトを上手く使うことばかり考えた結果、腕を速く振らない方がシャフトを上手く使えることを理解したのでしょう。
では、どんな練習をすれば、ダウン途中からインパクトにかけて腕、手元、グリップスピードが減速するようになるのか?
いくつかの練習法がありますが、別府プロは極端に軟らかいシャフトを使ってボールを打つことを提唱しています。アナライズにも「テンポマスター」という練習器具がありますが、これもムチみたいにクニャクなシャフト。マーク金井はシャフトのしなりを感じてもらうためにウソでしょってくらい超軟らかいシャフトを振ってもらっていますが、実は、これを振るとスイング中のシャフトのしなりを感じ取りやすくなります。加えて、超軟らかいシャフトはダウン後半からインパクトにかけて、腕、手元、グリップスピードが減速しないと上手く打てないことも体感できるのです。
道具(クラブ)でスイングは変わります。
一生懸命振っても飛ばない、一生懸命振ってもヘッドスピードが上がらない人は、身体を鍛えたりすることも大事ですが、もっと大事なことはダウンスイング途中からインパクトにかけて腕、手元、グリップスピードが減速する感覚を養うことが必要不可欠です。それには超軟らかいシャフトのクラブで実際にボールを打つことが非常に効果的です。別府プロが考案した超軟らかいシャフトが装着されたドライバーは、実際打ってみると、まさにうってつけの練習器具です。もちろん、アナライズでも近々販売を予定するつもりです。ボールが飛ばない人、シャフトを上手く使いこなせない人は、ボールをたくさん打つよりも、グニャグニャシャフトで練習した方が確実に努力が実を結ぶでしょう〜。
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