マーク金井blog

2014年01月10日片山晋呉プロから学ぶ、いまどきのゴルフクラブの使い方!!

米ツアー、ソニーオープンが開幕しました。松山英樹プロはスタート直前で欠場。プロアマ戦に出場したものの、その後「出たかったが、トレーナーと相談し、無理することはないと決めた」と欠場を表明したそうです。

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写真はGDOから転載。記事はこちらの写真をクリック

さて、今日のエントリーは進化したいまどきのゴルフクラブとスイングの関係についてです。

大事なことなので何度も繰り返しますが、昔と今とではヘッド素材が変わり、それに伴ってヘッドが大きくなりました。ドライバーにおいてはヘッドの大型化によってヘッド体積が2倍以上になり、重心距離が最大で14ミリも伸びています。加えて、ヘッドの大型化によってヘッドの慣性モーメントの数値も劇的にアップしました。

パーシモン(木製ヘッド)のヘッド体積  180cc
いまどきのドライバー(チタン)のヘッド体積  460cc

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ヘッドの大型化により、重心距離が長くなり、慣性モーメントの数値も2倍以上になりました。その結果、ミスヒットした時にヘッドがブレにくくなり、
飛距離ロスが軽減され、方向安定性も増しています。ただし、重心距離が長いクラブ、慣性モーメントが大きいクラブは振りづらくなります。重心位置がシャフトの軸線よりも遠ざかるために、ヘッドの挙動、フェースの向きをコントロールすことに関しては昔のクラブよりも難しいのです。

では、どんなスイングすればいまどきのクラブを上手く使いこなせるのか?
どこを意識してスイングすればクラブの性能を100%引き出すことができるのか?

そのお手本となるのが片山晋呉プロです。いまどきのゴルフクラブを最も上手く使いこなしているのは片山プロをおいて他にありません。ツアープロの中でも片山プロは、他のプロよりも進化した道具を使ったのが早かったです。片山プロのツアー初勝利はサンコーグランドサマー。マーク金井の記憶では当時、片山プロは46インチの長尺ドライバー(ヘッドはキャロウェイグレートビッグバーサかビゲストビッグバーサ)。そしてアイアンはキャロウェイの初代ビッグバーサアイアンがX12でした。どちらもヘッドは大きくて、重心距離が大きいクラブ。当時のプロでこの手の進化したクラブを使っていたのは非常に珍しい存在でした。

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そして、片山プロの場合は練習法もオリジナリティにあふれ、ツアーの最中でも他のプロがやらないようなことを平気でやります。その最たるものが2008年の日本オープン。福岡県の古賀GCで開催された大会で、石川遼プロとデットヒートを演じて勝利しました。その片山プロがスタート前に欠かさずやっていたのが、巨大ヘッドを使ってのボール打ちです。アナライズにも同じクラブがありますが、片山プロはXLアイアンという巨大なプラスティック製のヘッドのアイアンでボールを打っていました。このヘッドは通常のアイアンよりも10倍以上ヘッドが大きく、重心距離も10倍以上長いです。トーナメント中にこんな巨大な練習クラブを使ってボールを打つなんてことは前代未聞ですが、誰もやらなかったことをやって片山プロは日本オープンに勝ったのです。

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通常のアイアンと比べるとこんなに大きさが違う!

このXLアイアンは野球のバットと正反対で、重心位置はシャフトの軸線からとんでもなく離れています。そうです、片山プロは重心距離を感じるクラブを使って練習することで、いまどきのクラブに対応できるスイングを見に付けたわけです。そして巨大なアイアンを使うことで、いまどきのクラブを他の誰よりも上手く使いこなしているのです。

XLアイアンを使ってボールを打つと分かりますが、重心距離が長くなるほどフェースは返りづらくなります。テークバックでフェースを開いてしまうと、インパクトゾーンでフェースを戻そうとしても間に合いません。テークバックでフェースを開いたり、トップでフェースが開いていると、かなり積極的にリストターンを意識しても右にプッシュアウトしてしまうのです。

XLアイアンを上手く使いこなす方法はただひとつ。テークバックでフェースをシャットに使い(フェースを閉じて上げ)、シャットフェースのトップを作ること。トップでフェースがシャットな(フェースが空を向いた)状態になっていれば、そこからフェースを返していえば振り遅れず、捕まった球が打てるようになります。そうです。片山プロはXLアイアンを使うことで、フェースをシャットに使う感覚を誰よりも研ぎ澄まし、いまどきのクラブを上手く使いこなしているのです。

マーク金井スーパーシャットくんという練習クラブを作りましたが、このクラブを作った背景にはXLアイアンがあったのです。スーパーシャット君の重心距離は約50ミリ。これは現在市販されているどのクラブよりも重心距離が長くなっています。重心距離が長いクラブを使いこなせれば、いまどきのクラブを手にしても違和感がなくなりますし、なによりもフェースをシャットに使えるようになれば、いまどきのクラブのメリットを最大限に生かせるからです。

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進化は変化。
変化は進化。

ゴルフクラブは年々進化していますが、この進化を受け取るためにはゴルファーが変化することが求められます。そして何より、クラブが進化すれば、スイング理論が変わります。ここをちゃんと理解しておかないと、プロ、アマチュアを問わず、進化したゴルフクラブを持て余すことになってしまうでしょう。

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