元旦の午後に大阪に戻り、2日から通常通り神田で仕事してます。クラブの試打とラウンドは今日からです。このブログをアップしたら午後から赤羽でハーフ回ってきます。
年末年始はゆっくり休む人も多いと思いますが、マーク金井はこの時期にやるべき大きな仕事があります。それは事務所の本の整理。事務所にはかなり大きな本棚がいくつかありあますが、毎月送られてくるゴルフ雑誌を保管できるほどでありません。ゴルフ以外の本や雑誌も毎月30冊以上購入しているので、ほおっておいたら足の踏み場がないぐらい本が溜まります。定期的に整理していますが、本格的に本を整理するのは年末年始。今年も箱根駅伝を横目に見ながら、手元に残す本と処分する本を仕分けました。その数は300冊を軽く超えていました(笑)
さて、新年2回目のエントリーはゴルフ雑誌のレッスン記事を正しく読み解く方法について。ご存じのようにゴルフ雑誌の看板企画はレッスン記事。ファッションを強く意識したEVEN、クラブを強く意識した月刊ゴルフクラシックやゴルフスタイルを除けば、どのゴルフ雑誌もページの前半はレッスン記事で占められています。巻頭レッスンでは、石川遼プロ、松山英樹プロを筆頭に、有名ツアープロが登場して色んなアドバイスをしています。雑誌のセンター企画や巻末企画では、レッスンに長けているティーチングプロやインストラクター、そしてトップアマの人たちが懇切丁寧にレッスンしています。
さて、これらのレッスン記事。
ほとんどの記事は写真(イラスト)と文章で構成されています。写真で見せて、それを文字で解説するのがワンセットです。写真では良い例と悪い例を比較して紹介している場合も多いです。スライスやフックの直し方しかり、飛距離アップのアドバイスしかり、シャンクの直し方しかり‥‥
いずれの記事もきちんと取材されて構成されていますが、最近のゴルフ雑誌で気になるのが写真と文章がマッチしていないこと。その典型的なのが宮里藍プロとか片山晋呉プロの解説レッスン。二人ともトップでフェースが空を向く、いわゆるシャットフェースなトップを作っています。なのに、記事(文章)を読んたら、「シャットの度合いが良くなってスイングが良くなった」なんてことが書いてあったりします。岡本綾子プロもトップでフェースがかなりシャットですが、解説では「リズムとタイミングがいい」とか「オンプレーン」で振っていると書いてあり、肝心のシャットフェースについての記述がないことが非常に多いです。
それと悪い例については、「こんな変なのいないよ〜」ってな感じの写真がありますが、これにも意味があります。写真でパッと見た時、差をハッキリと出したいために、かなり誇張した感じの絵作りになるんです。結果、「嘘でしょ」って感じの写真が誌面に出てしまうのです。
では、どんな風にレッスン記事を読めばいいのか?
写真と文章に違いがある場合は、写真の方が正しいと理解した方がいいです。こんな風に振りましょうと書いてあるのに、文章と写真が合致していない場合は、文章を鵜呑みにしてはいけません。写真ではしっかり手を返しているのに、「リストターンはしなくていい」と書いてある場合も、写真を信じた方が間違いないです。文章と写真が合致しない理由はいくつかありますが、その多くは現実の形ではなく、「自分が思い描くイメージ」を言葉にしているからだと思います。そして困ったことに、イメージを鵜呑みにしてしまうと、それで迷路に嵌まってしまう場合が少なからずあります。例えば、リストターンを不足しているアマチュアが「リストターンを意識しなくていい」というアドバイスを鵜呑みにすると、ますます振り遅れてスライスが酷くなります。
ボディターンについてもしかり。ハンドアクションが不足しているアマチュアが、手を忘れてスイングしたらますます振り遅れてしまうだけです。
レッスン記事を正しく読み解く上で、もうひとつチェックが必要なのがレッスンをしているプロのバックグラウンドです。例えば、チーピンに悩んでいるプロと、コスリ球に悩んでいるプロとでは教え方がかなり異なります。トップが高いのが気になっているプロと、トップが低いのが気になっているプロとでも教え方が異なります。プロと言えども人間。自分の欠点や修正したいポイントというのはいくつかあり、それがレッスンする時にも少なからず言葉として出る場合があるのです。
なので、レッスン記事を読む場合、そこに登場するプロの持ち球がどんなのかを知っておくことも大事です。例えば、日本のレッスン界を代表する江連忠プロはインパクトで手元が浮くのを嫌います。このため、レッスン記事で「手元を低く」することにこだわるアドバイスが多いです。江連プロだけではありません。インパクトで手元が浮きやすいプロの多くは、インパクトで手元を下げることを強調するレッスンが多いです。
ちなみに、ドライバーショットの場合、インパクトで手元がアドレス位置に戻るプロはほとんどいません。石川遼プロ、松山英樹プロもインパクトで手元が浮いています。対して、アウトサイド・イン軌道が強いアマチュアの場合、インパクトで手元が浮かない人が少なからずいます。
インパクトでの手元の位置に関しての正しい記述は‥‥
自分では手元が浮かないように心がけるが、
遠心力である程度手元が浮いてしまうのは問題ない。
意図的に手元を浮かせるように振るのは浮くのは好ましくない。
手元だけを見るのではなくて、
インパクト時の前傾角度の度合いのチェックも必要。
前傾角度がある程度保たれているのであれば、
インパクトで手元がある程度浮いても構わない‥‥
かなり長くなりましたが、スイングには外側(形)と内側(意識)との間にギャップが少なからずあります。それを理解してレッスン記事を読めるようになって下さい。そんな難しいことを考えるのが難しいのであれば、レッスン記事は写真だけ眺めておいた方が、スイング作りの役に立ちます〜。
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