昨日のブログの続きです。パターを選ぶポイントはいくつかありますが、マーク金井が一番こだわっているのがロフトです。顔やデザインがどんなに良くても、ミスに強くて転がりが良くても‥‥ロフトが3度未満のパターは購入を見送ります。
ドライバーがフェアウェイウッド、アイアンがそうであるようにパターの場合もロフトが少ないほど、キャリーが出ません。そして捕まりが悪くなります。
ロフトが少ないと左へのミスが出づらいですが、右へのミスが出やすくなるのです。
加えて、ロフトが少ないとハンドファーストに打ちづらい。ロフトが少ない場合、ハンドファーストに打つとロフトが減り過ぎてしまうからです。そしてロフトが減り過ぎると、自分の感覚よりもボールが転がり過ぎてしまいます。結果、インパクトで緩んだり、ハンドファーストに打ちづらくなるのです。
対して、ロフトが多くなってくると(4度以上)、捕まりが良くなります。松山英樹プロは「ロングパットをしっかり打ちきるためには球をきちんと捕まえなくてはならない」(週刊パーゴルフ8月6日号より引用)とコメントしてますが、まさにその通り。パターの場合、ロフトを増やすことで捕まりが良い顔つきになりますし、実際、捕まりも良くなるのです。
もちろん、捕まりが良くなればショートパットで引っかけのミスも出やすくなります。ゴルファーもそれが分かっているから、引っかけ癖がある人はロフトが多いパターを構えると、「顔が良くない」と判断し、積極的に使おうとはしません。マーク金井も5年ぐらい前まではロフトの多いパターに対して食指がそそられることがありませんでした。
そんなマーク金井がロフト大好き人間に変ったのは、このパターに出会ってからです。
毎年開催されるフロリダのPGAショーで、オデッセイのバックストライクを打ってみて‥‥パター選びの概念がガラッと変りました。バックストライクは形状がかなり独特ですが、実にストロークしやすいのです。特に、気に入ったのがアドレスのしやすさとインパクトの向かえやすさ。シャフトの位置が影響しているのだと思われますが、ハンドファーストに構えたくなるし、ハンドファーストに打ちたくなる。そしてハンドファーストに打っても捕まった球が打ちやすいパターです。。
バックストライクは2ボールのように大ヒット商品にはなりませんでした。独特なデザインのために不人気商品となってしまいましたが、デザインを除けばはがゴルファーには受け入れられませんでした。しかし、ハンドファーストに打ちやすいパターというのは、パットを苦手にしているゴルファーにとって非常にお助け度が高い。マーク金井はバックストライクを使うようになってから、ロフト大好き人間になったのです。
では、どれぐらいのロフトが理想的なのか?
顔の好み、打ち方によっても異なりますが、ハンドファーストに打つにはロフトは4度以上あった方がいいでしょう。マーク金井はナチュラパターを設計しましたが、このロフトは7度です。試作で5度、6度、7度を作りましたが、7度で製品化に踏み切りました。パターでロフト7度というのはかなり多いですが、7度あると、ハンドファーストに構えてもロフトが減りません。ロフトが多いのでハンドファーストに構えたくなります。そして、インパクトでもハンドファーストに打ちたくなる。ロフトが7度あれば、手首を使い過ぎるミスをパターで軽減できるのです。
そして、実際にフィールドテストしてみると5度でも7度でも転がりはほとんど変りません。結果、ナチュラルパターでは7度のロフトを採用しました。
たかがロフト、されどロフト。
パターを選ぶ時は顔の良し悪しも大事ですが、それと同じぐらいロフトが大事です。パターの名手と呼ばれているプロは、例外なくハンドファーストに打っています。ロフトが少ないパターでハンドファーストに打つのは簡単ではありません。ロフトが多いパターを使った方が、はるかに簡単にハンドファーストで打てるようになるのです。
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