昨日は、森下千里さんと千葉の丸の内倶楽部でラウンドしてました。もちろんプライベートでななくダイアモンドオンラインの撮影です。気温35度を超える猛暑日でのゴルフでしたが、森下さんは暑さをものともせずベストスコアを更新。これまで一度も90を切ったことがないのに、なんとなんと87のスコアで回ってきました。
森下さんのゴルフの内容については、これからダイアモンドオンラインでじっくり紹介していきますが、昨日は面白いことがありました。彼女はテーラメイドのロケットボールズを使っていたのですが、後半のハーフでは同社のグローレにスイッチしました。記事を書いているT島がたままたグローレを持っていたのを拝借してラウンドしたら、後半はドライバーが安定しましくり、それがベスト更新につながったのです。
さて、このロケットボールズとグローレ。どちらもテーラメイド、どちらも体積は460CCなのですが、クラブの性能は全然違います。ロケットボールズヘッドが返りづらく左のミスが出づらいドライバー。捕まりは良くありません。対して、グローレはヘッドが返りやすくて右にスッポ抜けづらいドライバーが。捕まりが良くなっています。
察しのいい人ならば、もうボクの言いたいことはお分かりでしょう。そうです、森下さんはアウトサイド・インの軌道でスライスが出やすいタイプのゴルファー。にも関わらず捕まりづらいロケットボールズを使っていました。このため、ミスした時には、右に飛び出してそこから右にスライスするボールに悩まされていたのです。それが、グローレに替えただけで右にスッポ抜けるミスが出づらくなり、途中からドロー弾道も打てるようになったのです。ドライバーが良くなったからスコアが良くなるとは限りませんが、ドライバーが確実にフェアウェイキープすれば、スコアが良くなる確率は確実にアップします。
では、なぜスライサーの森下さんはグローレを使うことでドライバーの弾道が良くなったのか?
これを考える上で、まず理解してほしいことがあります。それはスイング(フェース向き)と打球の方向の関係についてです。8月1日のブログでも書きましたが、ドライバーの場合、打球が打ち出される方向はヘッドの軌道よりもインパクト時のフェース向きの影響が大きいです。スライサーの場合、構えた向きよりも右に飛び出すと致命的なミスが発生しますが、インパクトでフェースが開いていると、致命的なミスが発生するのです。アウトサイド・インの軌道で左に引っ張りこむように振っても、インパクトでフェースが開きやすいドライバーを使っていると、狙いよりも右に飛び出すミスが出やすくなるのです。
今発売中のビジョン72で橋本潜プロは、「アイアンは75%、ドライバーでは85%の比率で、インパクト時のフェース向が打ち出し方向に影響する」と言ってますが、マーク金井も体感的には8割以上の比率でフェース向きが打球の方向に影響を与えると思っています。
ロケットボールズに比べるとグローレの特長は
・重心距離は長めだが重心深度が深い
・重心アングルが大きめ(約25度)
・フックフェース(ノーマルポジションで+1度以上)
かつてセイコーの初代Sヤードはスライサーにとってお助けクラブでしたが、初代Sヤードは「何だこりゃ」ってぐらいフックフェース。フェースアングルは+3.5度でした。プロ、上級者が嫌う顔付きでしたが、このフックフェースのお陰でスライサーのスライスを見事に解消させ、それがドライバーの安定性、飛距離アップに貢献したのです。森下さんにとってのグローレもしかり。
フックフェースで球が捕まりやすくなったことが、ドライバーの安定性に大きく貢献したわけです。
フックフェースのドライバーは構えづらい、顔が良くないということでゴルファーは打つ前に敬遠する傾向があります。メーカーもそれを心得ているから、フックフェースのドライバーを積極的に作ろうとしません。しかし、本当にスライスが原因でドライバーを苦手にしているならば、スライスが原因で右OBが多いならば、「何だこりゃ」ってぐらいのフックフェースのドライバーを一度は使って欲しいです。マーク金井がこれまで最高に捕まるドライバーだと感じたのは、キャロウェイの4角ドライバー、「FT-iQ」。
これは重心距離が極端に短く、重心アングルが極端に大きく、フックフェースが極端に強いドライバー。中古ショップにいけば恐らく数千円で買えますが、スライスを本当に治したい人にとっては、10万円の最新ドライバーよりも価値があるドライバーなんです。
おーっと、締切りの催促の電話が入りました。この続きはまた明日~。
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