メジャー第三戦、「全英オープン」はレフティのP・ミケルソンが混戦をスルスルッとすり抜けて勝利を収めました。最終日、2オーバーの9位タイから出たミケルソンはが6バーディ、1ボギーの「66」で回り、通算3アンダーとして逆転優勝。これが初の全英制覇でメジャー通算5勝目。単独首位で迎えた最終日にスコアを崩して2位に終わった先月の「全米オープン」でのリベンジを見事に果たしました。
さて、このミケルソン。右利きでレフティというユニークなプレーヤーですが、クラブセッティングもかなりユニークです。2006年、二度目のマスターズを制した時は、ドライバーを2本入れてました。今年の全米オープン、そして優勝した全英ではドライバーが1本も入ってません。ドライバー無しでメジャーに挑み、全米では2位、全英では優勝。メジャーを勝つにはティショットは「飛距離よりも方向性が大事」と言われてますが、それを証明するかのようなセッティングをしていたのです。
ちなみに6位に入った松山プロもティショットを見ていると、ドライバーをほとんど使っていません。ミュアフィールドはバンカーが多いこと、そして地面が半端なく硬いこともあって、ロングアイアンもしくはFWでティショットを打ってました。タイガーだってドライバーはほとんど使ってません。唯一例外だったのはマキロイ。予選落ちがほぼ確定した2日目のインではドライバーを使ってティショットを打ってました。
全英覇者のミケルソンですが、使用クラブはこんな感じです。
FAIRWAY WOOD
Callaway X Hot 3Deep (13 degree) with a Fubuki K 70x shaft
HYBRID
Ping Anser (17 degree) with a Mitsubishi Kuro Kage Hybrid shaft
IRONS
Callaway X Forged (4-6) with KBS Tour shafts; (7-PW) with KBS Tour V2 shafts
WEDGES
Callaway X Series JAWS (52, 56 degree) and Mack Daddy 2 (60, 64 degree) with KBS Tour V2 shafts
PUTTER: Odyssey Versa #9 Putter
BALL: Callaway HEX Chrome+
(GOLF WEEKより引用)
キャロウェイの契約ですからキャロウェイが多いのが当たり前ですが、意外だったのがハイブリッド。ピンのアンサー17度をバッグに入れてました。そして、もっと意外だったのが3番アイアンが入っていないこと。キャロウェイのXフォージドの4番のロフトは23度。ハイブリッドが17度なので、番手ロフト差が6度もあります。セッティングとしてはちょっとアンバランスになっていました。恐らくユーティリティで距離を打ち分けていたのでしょう。
ウエッジについては52度、56度、60度、そして64度。ミケルソンと言えばショートゲームの名手、ロブショットの名手です。そんな彼が64度をバッグに入れたということは‥‥よっぽどグリーンがパンパンに硬くて速かったことが伺い知れます。
そして、やっぱり注目すべきはドライバーがバッグに入っていないことでしょう。ドライバー並に飛ぶ3Wを入れているから必要ないとも言えますが、ドライバーと3Wには大きな違いがあります。それは3Wの方が、
クラブが短い
ヘッドが小さい、
ヘッドが小さいから重心距離が短い
ということです。そして付け加えるならば今どきの3Wは低重心、浅重心で低スピン弾道が打てます。ミケルソンは3Wの方がドライバーよりも低スピン弾道が打ちやすいことを知っていた、3Wでもランが稼げるショットが打てるのを知っていたから、あえてドライバーをバッグに入れなかったのでしょう。最終日の17番ではティショット、そしてセカンドを3Wで打って2オンに成功してますが、これはまさにセッティングの勝利でしょう。
そして、このミケルソンのセッティングはアマチュアにも大いに参考になります。ティショットでスコアを崩しているのであれば、ティショットでチョロやOBが多いならば、ドライバーをバッグから抜きましょう。ティショットで使いやすい3w、もしくはティショットで使いやすいユーティをバッグに入れ、それでティショットを打ってみて下さい。3Wもユーティリティもドライバーよりもクラブの長さが短いです。短い方が確実にミート率が良くなってチョロやOBを減らせるからです。
「ドライバーを抜いてラウンドするなんてゴルフした気にならない」なんて野暮やことを同伴者者から言われたら、そんな時は欠かさず、「今日はミケルソンのつもりでラウンドします~」とサラッと言い返しましょう~(笑)
(▼▼)b
PS.FWとユーティリティはシャフト重量がすごく大事です。軽いシャフトが装着されていると手打ちになったり、スイング軌道が不安定になります。ヘッドスピードによっても適正重量は変りますが、手打ちになりやすい人や、チョロ、トップが出やすい人は、シャフトを少し重くするだけでミート率が格段にアップします。アナライズではFW用に65g、ユーティリティ用に70gのシャフトをラインアップしてます。ぜひ試してみて下さい~。
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