クラブと手をつなぐ唯一の接点となるグリップ。マーク金井がゴルフを始めた当初は(今から40年ぐらい前)は革巻きとラバーグリップがありました。革巻きはテニスのグリップ同様、幅2~3センチの革をシャフトにグルグルと巻き付けてました。そして革巻きグリップの場合、シャフトの真後ろにピアノ線みたいなのをくっつけ、それがバックラインの役割を果たしてました。他方、ラバーグリップはというと現在と同様、一体成型でシャフトにスポッっと入れるタイプです。ラバーグリップの場合、グリップの肉厚を変えることでバックラインを入れています。シャフトの真後ろ部分だけ肉厚を太くすることで、シャフトの真後ろが出っ張った感じに仕上がります。
さて、このグリップ。選ぶポイントはいくつかありますが、マーク金井がものすごくこだわっているのが重量です。ゴルフクラブはヘッド、シャフト、グリップの3つのパーツによって構成されていますが、ヘッド重量やシャフト重量同様、グリップ重量もゴルファーに与える影響が大きいからです。
では、何グラムのグリップを装着すればゴルファーに良い影響を与え、
何グラムのグリップを装着すればゴルファーに悪い影響を与えるのか?
それを考える前に、まず理解したいのがパーツごとの重量について。例えば男性用ドライバーの場合だと、
40年前
ヘッド重量 195~200g
シャフト重量 100~110g
グリップ重量 50g前後
現在
ヘッド重量 185~205g
シャフト重量 40~80g
グリップ重量 30~50g
昔はパーシモンにスチールシャフト、ラバーグリップも出始めなこともあり、それぞれのパーツは重量に大きな差がありませんでした。このためメーカーが変わっても重量配分はほとんど同じでした。ところが最近はその常識がまったく通用しません。ヘッドは20g前後の重量差があり、シャフトは2倍ぐらい重量差があります。グリップも20g前後の重量差があるのです。このため、ゴルフクラブの重量だけをチェックしただけでは、本当のクラブのスペック(重さ)を伺いしることはできないのです。
そしてグリップに関していうと、自分が使っているクラブのグリップ重量を知らないでいると、グリップ交換した時にグリップ重量が大幅に変わる可能性があり、重さが大きくことなるグリップを装着してしまうと、クラブの性能、クラブを振った時に感じる重さがガラッと変わります。±5gならば大きな変化はありませんが、±10gとかになると、「何これっ?」ってぐらい振り心地が変わります。ですので、グリップ交換する時は、必ず交換前のグリップ重量をチェックし、交換用のグリップはその重量に揃えることが大事です(振り心地を変えたくない場合)
ちなみにグリップ重量で驚かされるのはテーラーメイドのドライバー。今はなくなったブランドのバーナーなんかはヘッドが重たいにもかかわらず、グリップ重量が30g弱だったりして、かなり重量バランスが特殊でした。また、一般にはシニア向けのドライバーほどグリップ重量が軽くなる傾向があります。クラブの総重量を軽くするためには、ヘッドやシャフトだけでは限界があり、グリップも軽くしてしまうからです。シニア向けドライバーの多くは40g前後のグリップが装着されています。対してアスリート向けのクラブの場合は、あまり軽いグリップは装着されません。多くのプロ、上級者が愛用するツアーベルベットが採用されることもあって、
グリップ重量は50g前後が多いです。
ちなみに、交換用グリップの多くは45~52gぐらい。クラブメーカーが装着するグリップに比べると重さのバリエーションは少なく、特に軽量グリップの品種は少ないです。需要がないと見込んでいるのでしょう。アフターマーケット用のグリップの場合、軽量タイプでも40g前後。30gとか35gのグリップを大々的にラインアップしているグリップめーかーは今のところありません。
では、マーク金井はグリップ重量についてどう考えているのか?
結論から先に言うと、グリップは軽いよりも少し重いぐらいの方が良いと思っています。個人差はあると思いますがヘッドスピードに関係なく、グリップ重量は45g以上あった方がいいです。何故かというと、クラブヘッドの重さに対してグリップが軽過ぎるとスイングに良い影響よりも悪い影響が出やすいからです。
具体的にいうと、グリップが軽いとダウンスイングで手元が浮きやすい。グリップが軽いとダウンスイングでシャフトが寝やすくなります。対して、グリップが重いと手元が浮きづらい、グリップが重いとシャフトが寝づらくなるのです。アナライズでは5年ぐらい前からシャフトスタビライザーという商品を販売してますが、これはグリップ内部に20~40gのウエイトを入れる器具。グリップ側の重量を重くするチューニングパーツですが、これを装着するとダウンで手元が浮きづらくなり、プレーンに沿ってクラブを下ろしやすくなる効果が得られます。これまで5年間販売してきましたが、「手元側が重い」方がスイングしやすい、ダウンでシャフトが寝ない、チーピンや引っかけが軽減されたとゴルファーから賛辞の声をいただいてます。
ゴルファーのスイングはクラブによって変わります。ダウンスイングが不安定なゴルファーやダウンで手元が浮きやすいゴルファーは軽いグリップと相性が良くありません。重いグリップにするだけでスイングの悪癖を軽減しやすくなるのです。
アナライズではシャフトスタビライザーに続き、手元側の重量感がます重いグリップを開発中です。昨日、60g前後と70g前後のサンプルが上がってきました。
マーク金井がじっくりテストしてOKが出れば、9月ぐらいから市販します~。
(▼▼)b
PS.ボールをたくさん打ってもスイングは変わりません。ボールの行方や自分のフィーリングが邪魔をするからです。悪い癖を直したい、本気で正しいスイングを会得したいと思うならば‥‥身体の動きをチェックしやすい方法で練習しましょう。マーク金井はゴルフの竪琴を使っているのは、これが一番身体の動き、そして正しいハンドアクシンを会得できるからです~。