先週、週刊パーゴルフが新装刊されました。サイズはB5のままですが、週刊誌のお約束である中綴じから平綴じに変りました。192ページなので中綴じでも作れるボリュームです。わざわざ平綴じにするほど分厚くありませんが、装丁を変えることで「変ったぞ」感はかなり出ています。そしてFBでもちょびっと書きましたが、紙のコストダウンが目立ちます。表紙回りの紙は薄くて頼りないですし、漫画「インパクト」も、紙が安っぽい感じになったのはちょっと残念です。
紙面内容についてはレイアウト優先な感じがしました。昔のチョイスみたいな感じだなぁと思っていたら、グラフィックデザインは元、チョイスのアートデザインをしていた岡本一宣さんだそうです(多分)。レイアウトはシンプルで見やすくなりましたが、反面、雑誌ならではの猥雑な感じ、カオス的な感じがかなり薄れています。そしてなぜか縦組なのに、タイトルや見出しに横組みが多いのもちょっと違和感を覚えました。
そんな週刊パーゴルフですが、マーク金井が注目したのが試打企画。「ショップ店員が進める、高直進性能ドライバーベスト5」
アンサーフリークさんこと遠藤仁志さんと、大本研太郎プロの2人が弾道計測器GC2を使って室内試打してます。ボールはタイトリストV1。ヘッドスピードは44m/s前後。テスト方法がちゃんと明記されているので、試打データが読み取りやすくなっています。データ的には
ボール初速
打ち出し角
打ち出し方向
サイドスピン
バックスピン
最大高さ
キャリー飛距離
トータル飛距離
左右ブレ
かなり細かくデータが出ています。これだけで出ていると多面的にクラブの性能、そしてテスター(試打者)の傾向が分かります。この企画で言うと、遠藤さんは総じて打ち出し角が高く、スピンが多め。最大高さも高めです。対して、大本さんは総じて打ち出し角が低く、スピンも少なめ。最大高さも低めでした(遠藤さんと比べて)。
計測結果は計測器によって偏りがあります。ですのでこのような試打企画では相対的に数値を見なくてはいけません。単にスピン量が3500回転だから多いとか、キャリーが250ヤード出たから飛ぶと見てもクラブの正体を見極められません。それぞれの数値を比較してスピンが多いのか少ないのかを見たり、飛距離をチェックすることが大事です。
そして、もうひとつ大事なことはクラブのスペックと数値の比較。例えば、打ち出し角が高いドライバーがあったとしましょう。この場合、クラブのロフトで打ち出し角が高いのか、テスターの打ち方で打ち出し角が高いのかを知っておかないと計測データを正しく読み取ることが難しくなります。
例えばこのパーゴルフの試打で言えば、ヤマハのインプレスRMXのデータ。
試打クラブの表示ロフトは10度ですが‥‥2人の打ち出し角がかなり異なります。
遠藤さんの打ち出し角 14.1度
大本プロの打ち出し角 8.1度
こんな数値を見てしまうと、RMXのリアルロフト(実際のロフト)がすごく気になります。ドライバーの多くは表示ロフトとリアルロフトに少なからずギャップがあるからです。
にも関わらず、この試打企画ではリアルロフトの表記がありません。重心距離、重心深度、重心高さの表記もないので、弾道結果をアナライズ(分析)することが非常に難しいです。加えて、同じドライバーで打ち出し角が6度も異なってしまうと‥‥試打データだけでクラブをアナライズするならば、ヤマハのインプレスRMXはインパクトゾーンでのヘッド挙動がかなり「トリッキー」だということになってしまいます。
マーク金井もGDOをはじめ、色々なゴルフ雑誌で試打していますが、クラブの実測値(リアルロフト、重心距離、重心深度、重心高さ)については必ず名言しています。紙面上、数値を出せない時もありますが、その時はコメントでリアルロフトが「多い、少ない」については言及しています。そこが曖昧になってしまうと、試打データをちゃんと読み取ることができないからです。
試打結果を数値として紙面に載せるのならば、クラブの計測値も紙面にちゃんと出した方がクラブをちゃんとアナライズ(分析)できます。マーク金井はスペックおたくな所も多々ありますが、これは皆さんにも常識として知っていただきたいことです~。
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PS.クラブが合っているかどうかを知るには、クラブのスペック計測は必要不可欠。アナライズのクラブ診断、マーク金井のクラブ&スイング診断では、現在使っているクラブを計測してからクラブ選びをアドバイスしています~。