マーク金井blog

2013年05月30日アマチュアがノーコックを意識することの弊害とは‥‥

始めての米ツアー参戦、初めてのメジャー参戦でいきなり全米シニア選手権を制した井戸木鴻樹。ドライバーの飛距離が出るプレーヤーではなく、フェアウェイキープ率の高さに定評があるプレーヤーです。スイングの特徴としてはテークバックが「ノーコック」と評されることが多く、そして「ノーコックだから曲がらない」と言われています。

実際、他のプレーヤーに比べるとテークバック前半部分では

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こんな感じで手首のコックがほとんど入ってません。左腕とクラブがほぼ一直線。手首がコックされるのはテークバックのかなり後半に入ってからです。

では、アマチュアも井戸木プロのようにテークバック前半で手首のコックを入れない方がショットの方向性が安定するのか。井戸木プロのようにフェアウェイキープ率が上がるのか?
答えは残念ながらノーです。大抵のアマチュアはテークバックでノーコックを意識するほどトップの形が崩れてしまう危険性があります。何故かと言うと、テークバックでノーコックを意識すればするほど、クラブを重く使うことになって、ものすごくパワーが求められるからです。例えば、300gのドライバーでもノーコックで上げようとすると重さは300gをはるかに超えてきます。対して、手首をコックしてシャフトを立てて上げると、300gのドライバーは300g以下になるのです。テークバック中に感じる重さについては‥‥

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ノーコックと手首をコックしたテークバックの静止した形を作れば、違いをすぐに体感できます。ノーコックで左腕とシャフトが一直線になっていれば、クラブヘッドはかなり体から遠くになり、ヘッドの重さがズシンと体に伝わります。これで30秒も我慢できる人はそういないでしょう。対して、シャフトを地面と垂直ぐらいに立ててしまうと、重さはそれほど感じません。30秒ぐらいはキープできるはずです。手首をコックした方がヘッドを支えるのに大きな力が必要ないからです。

 

そして、ここからがポイントですがノーコックのままだと重さに耐えきれなくて、トップ付近ではヒョイと担ぎ上げる形になりやすいのです。

 

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こんな感じで、右ひじだけでなく左ひじも曲がり‥‥結局は弱々しいトップになったり、オーバースイングに陥る危険性が高くなるのです。井戸木プロはこんなひ弱なトップになっていませんが、そうならないのは並外れたパワーを持っていること、体幹の力を上手く使うことができるからでしょう。普通のアマチュアが、ノーコックからだと井戸木プロのようなトップを作るのは至難のワザなんです。

 

ノーコックを意識したテークバックは体にやさしくありません。

 

意外と思うかも知れませんが、テークバック前半で正しくコックをした方が体にやさしいし、正しいトップも作りやすくなるのです。

 

手首のコックはともすれば悪者扱いされます。手首を使うと曲がりそうなイメージを持っているアマチュアも数多くいますが、実は、手首をちゃんと使うことを覚えた方が、プレーンに沿ってクラブを上げやすくなりますし、力強いトップも作れるようになるのです。特に、トップで左ひじが曲がりやすい人や、オーバースイングになりやすい人の場合、テークバック前半で手首を正しくコックすることができれば、トップの形は飛躍的に良くなります。
手首のコックの仕方については来週ぐらいに、このブログでアップします。明日は井戸木プロのスイングから学ぶべきポイントについて書きましょう。
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PS.ゴルフの竪琴で素振りすると、両手の位置関係をチェックしやすく、そしてテークバック前半で手首を正しくコックする感じもつかめます~。


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