マーク金井blog

2013年05月31日全米シニア覇者、井戸木鴻樹から学ぶダウンスイングの極意!!

初めての米ツアー参戦、初めてのメジャー参戦でいきなり全米シニア選手権を制した井戸木鴻樹。ドライバーの飛距離が出るプレーヤーではなく、フェアウェイキープ率の高さに定評があるプレーヤーです。スイングの特徴としてはテークバックが「ノーコック」と評されることが多く、そして「ノーコックだから曲がらない」と言われています。
しかし昨日のブログでも書きましたが、井戸木も手首のコックはちゃんと使っています。他のプレーヤーよりも手首のコックが入るタイミングが遅い、そして手首をコックする度合い(手首を曲げる度合い)が少ないですが、それでもトップでは左手とクラブの間にはちゃんと角度がついています。と言うか、手首のコックが入らないと‥‥クラブヘッドは‥‥時計の文字盤で言うところの12時を越えたポジションには収まりません。
トップをご覧になっていただければ分かりますが、井戸木プロもトップでクラブヘッドは‥‥ちゃんと2時ぐらいの位置に収まっています。
さて、この井戸木プロのスイング。
トップがコンパクトなので方向性重視のスイングに見えますが、実は、飛ばしの要素もちゃんとあります。それはトップからダウンの切り返しでのヘッドが描く軌道。テークバックでヘッドが描く円弧とダウンスイングでヘッドが描く円弧の大きさの違いをじっくりと見て下さい。トップからダウンの切り返しでは手首のコックが保たれて、ヘッドがほんの一瞬下がり(タメが深くなり)、それからダウンスイングが始まっているのが確認できるはずです。

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トップから切り返しからで手首の角度が更についてるのがわかる

こんな感じでテークバックよりもダウンスイングの方がヘッドが下にあります。ダウンの方が回転半径が小さくなっています。

対して、アマチュアの場合、このヘッドが描く軌道が逆になっています。先週末、千葉県の藤ヶ谷CCにてアマチュア120人のスイングを動画に収めましたが、90%以上の人が切り返しで手首のコックがほどけてしまっています。いわゆるタメが早くほどけたダウンスイングになっていました。

こんな感じでテークバックよりもダウンスイングの方がヘッドが上にあります。ダウンの方が回転半径が大きくなってしまっています。手首のコックが早くほどけてしまうため、シャフトのしなりも上手く使うことができません。コックが早くほどけてしまうと、どんな高価なシャフトを使っても、その性能を引き出しづらくなるのです。井戸木プロはクレージーロイヤルデコレーションを使っていますが、ダウンの回転半径が小さいからシャフトのしなりを上手く使って、正確なドライバーショットを放っているのです。
では、どうすればダウンの回転半径を小さくできるのか?
今週発売の週刊ゴルフダイジェストのフジタの時間で、芹沢信雄プロがこんなアドバイスをしています。

下半身から切り返した時にクラブが真下にストンと落ちる。そんな感じですネ。この無重力感が、飛ばしの素です(週刊GD、6月11日号から引用)
トップで上体が力んだり、手に力が入ってしまうとヘッドはポン上がります。対して、トップの形をキープしたまま、手首のコックをキープしたまま下半身からダウンを開始したら(ほんの一瞬、重心が下がったら)、トップからダウンの切り返しでヘッド上がりません。ダウンの回転半径は小さくなります。

マーク金井は理に叶ったスイングのことを「自転車に乗れている」と例えますが、ダウンでヘッドが描く回転半径が小さいスイングこそが「自転車に乗れたスイング」、ダウンでヘッドが描く回転半径が大きいスイングは「自転車に乗れていなスイング」なのです。
ダウンの回転半径を小さくするための練習法として、マーク金井がよくやっているのはスローモーションドリル。通常のダウンスイングはコンマ5秒ぐらいですが、マーク金井は2秒ぐらいかけてダウンスイングしています。
ダウンの回転半径を小さくするこは決してやさしい動作ではありません。しかし、これがちゃんとできないと‥‥いつまで経っても自転車に乗ることはできないのです。
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PS.自転車に乗れるスイング作りに役立つのがゴルフの竪琴。この竪琴は通常のクラブよりも重いので、クラブの重さを感じながら素振りできます。今回のテーマであるダウンの回転半径を小さくする感覚を養えます~。


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