マーク金井blog

2013年06月01日ゴルフクラブはデジカメと同じ道を歩むのか?

二ヶ月ほど前から、週刊ゴルフダイジェストで「新・買わずに入られない」という連載を始めています。ゴルフ雑誌ですがゴルフクラブを買った話は今のところ一度もありません。デジカメやスイング分析アプリ、ポータブル弾道計測器を衝動買いしたことをコラム的に書いています。ネタがなくなってくればゴルフクラブも登場させるかも知れませんが、目下のところはライバルは週刊アスキー。ゴルファーの視点でデジ物をあれこれ取り上げていきます。

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そんなデジ物大好き人間なマーク金井ですが、今、衝動買いしまくっているのがデジカメ~。
コンデジ(コンパクトデジタル)のちょっと高機能バージョンに嵌りまくり、キャノンG15を所有しているにもかかわらず、ライバル商品のニコンP7700ペンタックスのMX-1を今にも買いそうな勢いでカタログで性能比較しています。そしてカタログを見ればみるほど‥‥デジカメとゴルフクラブには類似点が多いことも分かってきました。

ピンのドライバー同様、表面はマットブラック仕上げ~。

ピンのドライバー同様、表面はマットブラック仕上げ~。

コンデジとゴルフクラブ‥‥
まったく用途が違う商品ですが対象ユーザーは似ています。どちらも道具(ギア)が好きなオジサンが買います。そしてスペック(性能)にうるさい人が買います。だからでしょう。謳い文句はスペックのオンパレード。ゴルフクラブと比較してみると‥‥
コンデジ    光学4倍ズーム
開放F値1.8
有効約1200万画素
秒間10コマの連写

ゴルフクラブ  弾道調整機能 168通り
0.4mmの極薄クラウン
慣性モーメント10%アップ
70トンの高弾性シート採用
デジカメもゴルフクラブも数字を出すことで高機能をアピールしています。形容詞を羅列するよりも、具体的な数字を出した方がユーザーに分かりやすいし性能訴求もしやすいからです。ユーザー側も物理的な優位性、数値的な優位性を求める傾向があることも、数値競争に拍車をかけていると思います。
では、数値が良ければ本当に高性能なんでしょうか?
デジカメについてはこれから数値と実際の性能について吟味していきますが、ことゴルフクラブにおいては、数値競争がそろそろ限界に近づいている気がします。数値に優位性があるクラブが必ずしもゴルファーにとって扱いやすい道具(クラブ)になるとは限らないからです。例えば、慣性モーメント。慣性モーメントが大きいヘッドはミスに強いと言われています。確かにそうで、例えば慣性モーメントが3000gcm2のドライバーと4500gcm2のドライバーを比較すると、後者の方がミスに強い特性があります。慣性モーメントの数値が高くなるほど、ミスヒットした時にヘッドがブレにくく(エネルギーロスが少なく)、飛距離と方向性が安定します。
ただし、これはある程度正しいスイングをしているという前提によって成り立っています。慣性モーメントが大きなヘッドは総じて重心距離が長くて、重心深度(重心の深さ)が深くなっています。結果、重心位置はシャフトの軸線よりも遠ざかります。このため、スイングが不安定なゴルファーが慣性モーメントが大きいヘッドでスイングをすると‥‥重心をコントロールしづらくなったり、フェースの向きをコントロールしづらくなるのです。
例えばテークバックでフェースを開いてしまう人や、トップでシャフトクロスする人の場合、慣性モーメントが大きいドライバー(重心距離が長くて深いドライバー)はスイングとの相性が良くありません。スイング中にヘッドの重心位置を大きく動かしてしまうために、ヘッドの挙動が不安定になります。結果、やさしいはずのドライバーの方が芯で捕える確率が下がってしまう恐れがあるのです。先日、アマチュア120人分のスイング動画を分析しましたが、シャフトクロスになっている人の場合、慣性モーメントが大きいヘッドを使っている人ほど、ヘッドの挙動が不安定になってスライス、プッシュアウト、そして引っかけを打っていました。誤解を恐れずに言えば、シャフトクロスになっている人の場合、慣性モーメントが大きいヘッドを使うと、メリットと同じぐらいデメリットが発生するリスクが高まるのです。
デジカメならばシャッターを押しさえすえば、カメラが持っている性能をかなり引き出せるでしょう。しかしゴルフクラブはそうは問屋が卸してくれません。ゴルファーがちゃんとしたスイングをしないとクラブの性能を引き出すのが極めて難しいのです。
今どきのやさしいクラブの性能を引き出すためには、クラブが求めるスイングをゴルファーがやることが必要不可欠です。ちょっと矛盾しているかも知れませんが、ゴルフの場合、道具(クラブ)がやさしくなればなるほど、技術が求められると言ってもいいでしょう。特にドライバーの場合は、この傾向が顕著になってきました。言い換えると、スイングが不完全なアマチュアが打ちやすいクラブ(特にドライバー)というのは、市場(ゴルフショップ)にはあまり出回っていないとも言えます。
テーラメイドキャロウェイのように飛距離をアピールするのもそろそろ限界が近づいてきました。慣性モーメントの数値もほぼ限界まで大きくなってきましたし、ヘッドを肉薄にすることやシャフトの弾性率を上げることもそろそろ限界に近づいています。

 

ゴルフクラブはこれからどんな方向に進化していくのか? その答えは3ヶ月後ぐらいから徐々に明らかになってくるでしょう。
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ブログで取り上げていたので、ゴルフの竪琴が売れています! クラブの性能を引き出すスイングをするために、ゴルフの竪琴で自宅練習しましょう


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