第五のメジャーと言われるプレーヤーズ選手権(TPC)。タイガーが通算13アンダーで接戦を制して今季4勝目、ツアー通算78勝目を手にしました。同大会の優勝は01年以来2度目です。
今季絶好調のタイガーですが、ツイッターやFBで話題になっているのが彼のウッドクラブに装着されるシャフト。ドライバーはグラファイトデザインのツアーADだったのが、TPCではタイガーは三菱レイヨンの白マナ(3W、5Wも)のXシャフトだったそうです。タイガーのヘッドスピードを考えると、Xだと少し軟らかいような気がしますが、米ツアーの選手の多くはドライバーでもシャフトをチップカットしてます。恐らく、タイガーも1インチぐらい先詰め(チップカット)して使っている可能性が高いでしょう。
さて、今回のテーマはシャフトのフレックス表示についてです。シャフトは、軟らかい順から、R、SR、S、SX、Xという風に表記されています。説明するまでもありませんが、RシャフトはSシャフトよりも軟らかく、SシャフトはRシャフトよりも硬いという意味です。しかしながら現実はどうでしょう。同じSでも「何んだこりゃ」ってぐらい軟らかいシャフトがあるかと思えば、「これってSじゃないの?」て思うようなRシャフトもあったりします。また、同じメーカー、同じモデルでもモデルチェンジでシャフトの硬さがガラッと変ることがあります。
例えば、テーラーメイドのロケットボールズのドライバー(RZB)。初代と2代目とでは純正シャフトの硬さがガラッと変りました。Sシャフトを振動数で比較してみると‥‥
初代ロケットボールズ 237cpm
2代目ロケットボールズ 258cpm
シャフトには個体差がありますが、同じSシャフトでここまで硬さが異なると
「硬さ表記っていったい何なの?」って首を傾げたくなります。クラブ設計家の竹林隆光さん、かつてこのフレックス表記について直接質問してみたら、こんな答えが返ってきました。
そのモデルの中での硬さの序列としてRとかSの表記があるんですよ。だから、アスリート向けのSとアベレージ向けのSでは硬さが同じにならなくていいんですよ。
要するに、硬さの表記というのは絶対値ではなくて相対値というのが今のゴルフ業界のセオリー。そういう風に捕えてシャフトの硬さをチェックしてみれば腑に落ちます。同じモデルでもモデルチェンジがなされれば、違うクラブになります(笑)。前述したロケットボールズにしても、初代のRシャフトとSシャフトを比較すれば、Sの方が硬い。絶対値と考えるのではなく、RとかSという表記を相対値として考えれば、フレックス表記には正当性があるわけです。
なので市販クラブのつるしのシャフト(純正シャフト)を選ぶ時は、「自分はR」だとか決めつけないこと。とりあえず、色んな硬さのシャフトを打ってみて、自分のフィーリングやヘッドスピードにマッチする硬さを選ぶ。買ってから打つのではなくて、打ってから買う。これがシャフトを間違えない基本であり鉄則です。
そして、そしてここからがマーク金井のおせっかいが始まります。シャフトの硬さ表記が相対値であるならば、絶対値に近いモノを出してみたいと思うのがアナリスト魂~(笑)シャフトの本当の硬さを見極めるために何ができるのか日々考えていたら‥‥思わぬ係数を導き出せました。それがこれっ!!!
硬さ係数
硬さ係数とは‥‥
振動数×センターフレックス値
のことです。振動数は振動数計を使って計測。主に手元側の硬さをチェックできます。対して、センターフレックス値はセンターフレックス計を使って硬さをチェック。こちらは主にシャフトセンター部分(シャフト全体)の硬さを測ります。このため、同じ振動数であってもシャフトによってセンターフレックス値(CF値)が異なる場合が多々あります。例えば、
振動数250cmp CF値 4.2kg 硬さ係数 1050
振動数250cpm CF値 3.8kg 硬さ係数 950
振動数が同じでも、CF値が高い方が数値が増えてきます。実際、スイングをしてみても振動数が同じ場合、CFが高い方が振った時に硬く感じますので、この「硬さ係数」はそこそこ信憑性がありそうな気がしませんか。
おーっと、撮影の時間が迫ってきました。この続きはまた明日~。
んじゃ(▼▼)b