弾道調整が可能なカチャカチャ式ドライバー。マーク金井は現在、テーラーメイドのR1、グローレ、キャロウェイのXホット、コブラのAPM、ピンのG25、タイトリストの913FD、そしてヨネックスのi-EZONEを所有しています。メーカーによってスリーブの形は異なりますが、なぜか一部のメーカーを除いてねじ穴は同じです。他社のネジを使ってもヘッドとシャフトが脱着できますが、これにはちゃんとした理由があるんです。
カチャカチャ式ドライバーを発売しているメーカーの担当者によると、スリーブの部分は自社開発ではなくてベンダー(ヘッド製造業者)からの持ち込みとのこと。カチャカチャの特許はクラブメーカーが独自に持っているのではなく、メーカーとは関係ない人間が特許を持っているそうです。すべてのメーカーに裏を取ったわけではありませんが、多くのメーカーはその特許を利用させてもらっている。もちろんスリーブの形はメーカーの独自設計ですが、ヘッドとシャフトを脱着させるシステムはメーカーのオリジナルではありません。だからネジとかネジ回しは共有できちゃうのです。
とまあ、前置きはこれぐらいにしておき、今日もカチャカチャ式ドライバーの賢い使い方について説明したいと思います。その前に前回の復習をしましょう。シャフト(スリーブ)を回転させるとロフトが増減しますが、そのメカニズムはこうなっています。写真はテーラーメイドですが、他社のカチャカチャ式も概ねやっていることは同じです。
ロフトを減らす方向に調整すると‥‥
こんな風にシャフトが右から装着された状態になります。右から装着された状態になりますが、ゴルファーはシャフトを垂直にしてアドレス(そしてインパクト)するので、クラブの見え方はこんな風になります。
ありゃ不思議。シャフトを地面と垂直にするとヘッドがゴロンと時計回りに回転し、フェースがゴロッと開きます。そうです。カチャカチャ式の場合、ロフトを減らす方向に調整すると、フェースが開いて捕まりづらくなるんです。
そして、ここからがゴルフクラブの不思議。リアルロフトの計測というのはフェースが開いた状態(フェースが被った状態)で計測しません。上の写真のようにフェースが開いている場合‥‥
シャフトを軸にしてフェースを回転させ、フェーススクエアに戻します。このため、フェースが開いた状態の場合、フェースをスクエアに戻した分(フェースを被せた分)だけロフトが減る。結果、カチャカチャ式ドライバーの場合、シャフトの装着角度を変えただけなのに、リアルロフトが1~2度ぐらい変わってしまうのです。どれぐらいロフトが変わるのかはスリーブの角度によって変わります。写真のR1の場合、スリーブの角度が強くなったため、ロフトの調整幅が±2度になりました。ちなみに前作のR11ではスリーブ角度がR1ほど強くないのでロフトの調整幅は±1.5度でした。
これで復習はおしまい。今日はマーク金井がやっているカチャカチャ式ドライバーの使い方についてお話しましょう。ボクはドライバーのアイアンもライ角がアップライトなのが好きなので、R1の場合はアップライトに調整して使っています。そしてグローレに関しては、ノーマルがフックフェースになっているので、オープンフェース方向に調整して使っています(実際はこれでスクエアフェース)。そして、どちらもシャフトを装着するポジションが決まったら、その状態でリシャフトします。言い換えると、ノーマルポジションでリシャフトしません!!!!
理由は2つあります。カチャカチャ式の場合、調整しようとするとシャフトを回転させることになります(そうじゃないモデルもあります)。このシャフトの回転が嫌なんです。
シャフトは本来、指向性があってはいけないのですが、製造上、指向性が出る場合があったりします。このため、同じシャフトでもシャフトを回転させてしまうと、しなりのフィーリングが微妙に変わる場合があるんです。カチャカチャ式で弾道調整したら、「なんかちょっと違う‥‥」と感じるゴルファーがいますが、その場合、シャフトのフィーリングの違いを感じ取っている場合が少なからずあるのです。すべてのシャフトに指向性があるわけではありませんが、せっかくリシャフトするならば、自分が使うポジションに対してシャフトを装着した方が使い勝手が良くなるんです。
ちなみに純正シャフトの場合は、使いたいポジションが決まったら‥‥リシャフトと同じことをやります。純正シャフトをいったん引っこ抜き、自分が使うポジションに対してシャフトを装着する。これでシャフトを回転させなくても使うことができます。
もうひとつの理由はグリップです。バックライン入りのグリップが好きなので、シャフトを回転させてしまうとバックラインが変な方向になります。それを防ぎたい意味でも、リシャフトする時は、使うポジションを先に決め、その方向にシャフトを装着。そしてバックライン入りのグリップを装着するのです。そうです、マーク金井はカチャカチャ式のドライバーを使う時、いったん調整した後は、よほどのことがない限り再調整はしません。
今日は風が強いからロフトを減らそうとか、今日は練習でコスリ球が多いからフックフェースに調整なんてことはしません。クラブのスペックをしょっちゅう変えると、メリットよりもデメリットの方が大きいと感じているからです。
その一方で、しょっちゅう変えているのがシャフトです。
カチャカチャ式の場合、30秒もあればシャフト交換可能。従来のドライバーと違って、いつでもどこでもすぐに色んなシャフトを試せる。シャフト交換が簡単にできるのがカチャカチャ式ドライバーの最大の魅力。マーク金井はシャフトおたくということもありますが、シャフト交換しやすいクラブは非常に使い勝手がよろしいのです。
んじゃ(▼▼)b
PS.カチャカチャ式ドライバーの最大の魅力はリシャフトが手軽なこと。アナライズではテーラーメイド、タイトリスト用カートリッジが付いたオリジナルシャフトも販売してます~。
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