正しいフォームは4つある。血液型がA、B、O、ABと4つに分けられるのと同じく、ゴルファーも4つのタイプに分けられると言うのが4スタンス理論です。
この本の前書きには、
ヒトには生まれつきの異なる血液型があるように、身体の動かし方にも異なる4つのタイプがあるのです。血液型A型のヒトはB型のヒトの血液を分け合えないのと同じく、この「4スタンス」タイプの違う人同士は、立って歩くだけでも分け合えない部分があります。
(ゴルフ4スタンス理論の前書きから抜粋引用)
正しいフォームが4つあると筆者の廣戸聡一さんは述べておられます。4つのタイプはA1、A2、B1、B2とがあって、マーク金井は専属のトレーナーにチェックしてもらった所、「B2」と判定されました。B2はエルスのようなスイングだと廣戸さんはコメントされています。B2について説明を加えると、このタイプはクロスに身体を使うこと、そしてグリップは太めが良いとアドバイスをされています。
この4スタンス理論では正しいフォームは4つあると説いてあります。確かに、プロのスイングを観察しても、タイガー・ウッズとジム・フューリックとでは全然違います。プロによって身体の使い方が違うのは一目瞭然なので、4つのタイプに分けて考えた方が合理的なんだろうと思います。
そして合理的なスイング作りという意味では、4スタンス理論の前に、チェックしたいことがあります。アナライズでMCB(クラブ&スイング診断)をする時、いくつかのチェック項目がありますが、まずやってもらうのがこれっ。
ボールが50~60個入ったバッグを利き手で持ってもらい、30~40センチぐらい引き上げてもらいます。ゴルフスイングとまったく関係なさそうな動作なんですが、実は、これをやると‥‥そのゴルファーが手打ちになりやすい(手打ちになっている)のか、手打ちになりづらいのがかなり正確にチェックできます。
手打ちになりやすい人(手打ちになっている人)の場合、こんな感じでひじを曲げることで重いモノを持ち上げています。察しのいい人はもうお分かりですよね。そうです、ひじが曲がっているということは、手や腕の筋肉だけで動作している何よりもの証拠。ひじが大きく曲がる人は、ゴルフスイングでも手打ちになっている確率が非常に高い。そして、フォローで左ひじが引けたり、フォローで左ひじが曲がっています。手打ちになっている人に、これをやってもらうと95%以上の確率で持ち上げた時にひじが曲がっています。
対して、手打ちになりづらい人(体幹を上手く使える人)の場合、ひじがピンと伸びたまま重いモノを持ち上げています。このタイプの人は、手先や腕の力をほとんど使っていません。下半身、背筋、腹筋、という大きい筋肉を使って持ち上げているのです。腕がピンと伸びるのは、腕に余計な力が入っていないからです。
ゴルフ雑誌のレッスン企画やレッスン書では、手打ちが悪者扱いされています。そして、「身体の大きな筋肉を使え」とか「ボディターン」「体幹を大きく使え」などという言葉が頻繁に使われていますが、具体的に、手打ちを解消するための方法論についての説明が少ない感じがします。なのでアナライズでは、まずは「身体の大きな筋肉を使って動作するとはどういうことなのか?」を知ってもらうためにバッグを持ち上げてもらっているのです。
たかが重たいバッグを持ち上げる動作ですが、日常生活で大きな筋肉を使うことに慣れていない人は、無意識に持ち上げようとすると手先や腕の力に頼ることになって、ひじが無意識に曲がります。言い換えると、手打ちの人が手打ちを解消するためには、かなり意識的に身体を使うことが求められるのです。マーク金井は「不自然な動きをした方が、動きが自然に見える」などと、禅問答みたいなことをしょっちゅう言いますが、このバッグを持つ動作をやると、それがあながち言葉遊びでないことを身をもって体感できます。
アナライズには2000人以上のアマチュアゴルファーが診断に訪れていますが、スライサー、フォローで左ひじが引ける人のほとんどは、重たいバッグを持ち上げる時に、ひじが曲がってしまいます。そして、スイングをビデオで撮ってみても身体の大きな筋肉よりも、手先でスイングする癖がついてます。この癖を取り除くには、まずは身体の大きな筋肉を使う感覚、そして手先や腕を使わないで動作する感覚を養うことが必要不可欠です。
鏡やガラスの前で、重たいバッグや重たいモノを片手で持ち上げてみて下さい。持ち上げた時にひじが曲がってしまうようならば、練習場でたくさんボールを打ってもスライス矯正は難しいし、左ひじが曲がるのも治りづらいです。練習場でたくさんボールを打つことで得られるのはボールを打つことで得られる高揚感、爽快感だけしょう。
昨日のブログで、ゴルフの竪琴を使うドリルを紹介しました。ものすごく地味な練習法ですが、これをやると確実に身体の大きな筋肉を使ってスイングする感覚を養えます。
んじゃ(▼▼)b