テーラーメイドの契約プロのみならず、契約外のプロも次々と使い始めたロケットボールズ(RBZ)のFW。アマチュアの間でも一気に注目を浴び、練習場の試打会では「あの白いFWを打たせてくれの」とゴルファーが大挙して集まり、ゴルフショップに行けば一番目立つ売り場にロケットボールズのFWが所狭しと陳列されています。すでに2代目ステージ2が登場していますが、マークダウンで価格が安くなったこともあって、初代ロケットボールズの人気はまだまだ止まることがありません。
もちろんボクも‥‥3Wは2本、5Wは1本所有しています。シャフトはもちろん純正ではなくてリシャフト済。アナライズW65とフジクラのランバックスのFW専用シャフトを装着しています。
さて、このロケットボールズ。テーラメイドの新ブランドとして登場しましたが、実は、このブランドの登場は結果オーライ的な所があるんです。テーラーメイドには、セカンドブランドとして昔から「バーナー」というブランドがありました。それが、突然消えて「ロケットボールズ」が登場。「バーナー」がまったく売れていないブランドならば、ブランドチェンジはよくあることです。しかし、テーラーの場合はそうではありません。
「バーナ-」はセカンドブランドとしてはかなり人気があって、クラブもちゃんと売れていました。2007年からテーラメイドの独自の戦略を開始し、主力ブランドの「Rシリーズ」は可変システムで高価格、セカンドブランドの「バーナー」はシンプルで低価格、どちらを使うかをプロに委ねて、大々的に打ち出し、どちらも主力の2枚看板的な位置付けして、一躍「バーナー」ブランドは人気となりました。もちろん2007バーナーシリーズの出来が非常に良かったこともヒットにつながりました。
しかしこの人気ブランド「バーナー」を、2012年から突然、市場から姿を消してしまったのです。コレには理由があって、アメリカの大手スーパーマーケットにこの「バーナー」ブランドを売ってしまったのです。そして新たに立ち上げたのが、「ロケットボールズ」というブランド。何の変哲もない、「ロケット」と「ボール」という単語を2つ結びつけただけですが、この名前だけで、「ぶっ飛ぶ」イメージがしませんか?
ボールがロケットのように飛ぶ!!!!!!!!
まさに言葉のマジック。僕はこのブランド名のイメージだけで‥‥
3~5ヤード
は飛距離を伸ばしていると考えています。それぐらいイメージというのは大切な要素なんです。根拠のない信頼感と言ったらいいのでしょうか。フラシーボ効果と言ったらいいのでしょうか。「飛ばない」と感じるクラブよりも、「何となく飛びそう」と思えるクラブの方が、ゴルファーに心理的にプラスに働きます。そして、飛ぶイメージを強烈にゴルファーに訴えたのは、
このソールに深く刻まれた溝でしょう。これにより何となくフェースが弾くイメージが出るじゃないですか。でも、これはテーラーメイドの専売特許ではありません。
アメリカでは人気のアダムスゴルフの考えた特許で、テーラーメイドはロケットボールズ発売前後して、アダムスを会社ごと買収しています。このソールの溝がいかにもスプリング効果を出しそうで、ボールの初速を出してくれそうなイメージを強く醸し出してます。しかし、実際には反発のルール規制がありますので、ほんとにスプリング効果が出ていたらルール違反となります(笑)。テーラーもそれがちゃんと分かってらっしゃるから、正々堂々とソールに深い溝を刻んだデザインを採用したのです。
もちろんロケットボールズの場合、ネーミングだけで飛んでいるわけではありません。ルール適合内でフェースの弾きが良いのも事実です。加えて、ロケットボールズには他のFWと比べて飛ぶ要素があります。そのひとつがヘッドの大きさ。ロケットボールズの3Wのヘッド体積は197CC(ツアーは174CC)と、3Wにしてはかなり体積が大きい。これは、テーラメイドがその昔大ヒットした、ツアープリファードというドライバーよりも少し大きいぐらいです(笑)
ヘッドが大きいということは、ヘッド内部で重量調整をしない限り、重心距離は必然的に長くなります。ロケットボールズの重心距離は32.25ミリ。3Wとしては重心距離が長めで飛びに有利です。もうひとつの要素がヘッドの重さ。テーラメイドはウッドを作るのが非常に上手いメーカーですが、歴代モデルの多くはヘッド重量が重めになっています。ドライバーにせよ、フェアウェイウッドにせよ、歴代のヒットモデルはヘッド重量がしっかりあるのです。
ロケットボールズもしかり。3Wでヘッド重量が
214.7g。
個体差はありますが、これはかなり重い部類です。3Wの場合、軽いモノだと200gを切るクラブもあるぐらいですから。重ヘッドはインパクトの衝突エネルギーが増し、ボール初速を上げることにもつながるのです。そして重さは慣性モーメントの大きさにもつながる。飛ばすという要素を考慮した基本に忠実な設計がなされ、それが飛びにつながっているのです。
打った人が「飛びそう!」というイメージをうまく作り上げ、飛ぶ要素が揃ったヘッドというのがロケットボールズの正体だとボクは考えています。
それだけではありません。ロケットボールズにはもうひとつ飛びに欠かせない要素が盛り込まれています。
おーっと、月刊ゴルフダイジェストの担当者I君から原稿締切り催促のメールが入ってきました。この続きは近日アップしましょう~。
んじゃ(▼▼)b