「ピンG25を丸裸にしてみたら‥‥」←はコチラから
GDOのホットリストでもゴールドに選ばれたピンのG25。すでにGDOで試打レビューをアップしてますが、このドライバーの特徴はヘッドが「重い」だけではありません。重心距離が44ミリ前後と非常に長く、そして超オープンフェース。重心距離が長くてオープンフェースとくれば‥‥これはもうフッカー御用達ドライバーでしょう。コスリ球に悩むゴルファーよりも、引っかけや、チーピンに悩むゴルファーと非常に相性良く仕上がっています。
GDO調べでは重心距離は43.12ミリです。アナライズ計測と1ミリ弱異なりますが、これは個体差、ならびに計測者が異なるからです。ゴルフクラシックでも計測データが出ると思いますが、恐らく、数値は若干異なるでしょう。重心距離、重心高さ(スイートスポット位置)、フェースアングル、重心深度‥‥これらは人間が計測するため、測定者によって数値が若干変わります。ですので、ヘッドのスペックを比較する場合は、同じ測定者の数値でチェックすることが必要不可欠です。
重心深度、慣性モーメントについては見た目通りの数値で‥‥
重心深度42.57ミリ
慣性モーメント5149gcm2
重心距離が長さと慣性モーメントの数値は関連性がありますが、それにしても5149gcm2は大きい!!!!! 市販トップクラスの大きさでしょう。重心も非常に深いので、芯を外すして打ってもヘッドがブレにくい。見た目だけでなく、数値的にも飛距離と方向安定性に優れています。ただし、ここまで重心距離が長くて慣性モーメントが大きいとヘッドの操作性は高くありません。ドローやフェードを微妙に打ち分けることは‥‥かなり難しいドライバーです。
続いてシャフトを丸裸にしていきましょう。
日本仕様の純正シャフト、TFC360Dは
重量53g
トルク5度
スペック的には国内メーカーのドライバーと同じぐらいの数値で、一見、日本人ゴルファー向けのシャフトに見えます。ところが、ところが‥‥ワッグルするとシャフトはほとんどしなりません。それもそのはず、振動数で硬さを調べてみると‥‥
269cpm!!!!!
国内メーカーの純正Sに比べると、「何だこりゃ~」ってくらい硬い。国内メーカーの純正Sの振動数は240~250cpm。振動数だけで硬さのすべては分かりませんが、国内メーカーの純正Sに比べると、G25(日本仕様)の純正Sは2フレックスぐらい硬い。グラファイトデザインやフジクラ、USTマミヤや三菱レイヨンのシャフトと比較しても‥‥G25の純正Sは硬い。アフターマーケット用のSシャフトの、振動数は260cpm±5ぐらいです。純正シャフトはアフターマーケット用シャフトよりも「軟らかい」というのが当たり前なゴルフ業界の中で、このG25だけはその常識を完全に覆しています。ちなみに、純正シャフトにTFC180Dというのもラインアップされていますが、こちらは更に硬く仕上がってます。
アナライズでは硬さを測る場合、センターフレックス計も用いますが、こちらのデータでも硬い。純正S(TFC360D)の数値は‥‥
4.62kg
これはアフターマーケット用シャフトの「S」の平均よりも少し上。Sフレックスでセンター部分が硬めに仕上がっているシャフトの平均とほぼ同じぐらいな感じです。
ピンは昔から硬いシャフトを装着したがる傾向がありますが、このG25においてもその伝統が継承されているのでしょう。純正シャフトの場合、ヘッドスピードが43m/sあれば「S」を使いこなせることが多いですが、G25にはその常識は当てはまりません。G25の純正Sをちゃんと使いこなすには、最低でも45m/s以上のヘッドスピードが必要でしょう。GDOの試打インプレでも書きましたが、ヘッドスピードが43m/s前後ならば、迷わずSRをお勧めします。
硬さについて補足すると、実際に打つと振動数ほどは硬く感じません。マーク金井のメルマガでも書きましたが、それはトルクが多めだから。トルクが多くなるとスイング中にシャフトがねじれやすくなり、その分だけゴルファーは「軟らかさ」を感じるからです。
純正Sシャフトのもうひとつの特徴は手元重心設計。ピンだけでなく、最近はバランスポイントを手元側にシフトしたシャフトを装着するメーカーが増えてきました。手元重心というと目新しく感じますが、要するにカウンターバランス設計です。これは20年以上前からあった考え方で、手元側を重くすることでバランスが出過ぎるのを防ぎます。ピンの場合もそうですが、手元重心に設計すると重いヘッドを装着してもバランスが出過ぎない。重ヘッドとか、46インチ以上の長尺の場合、シャフトは手元重心にした方がクラブ全体のバランスが整ってきます。G25の場合、G20のシャフトのTFC330より更に約2cm手元側に移動となり、合計7cm手元寄りに重心(バランスポイント)が移動しているそうです(メーカー調べ)
カウンターに関して言えば、シャフトの重量配分だけでなくグリップ内に鉛やウエートを装着することでも手元重心にできます。アナライズではグリップ内部に装着するシャフトスタビライザーを販売していますが、これを装着すると15~40g、手元側を重くできます。クラブ総重量はかなり増しますが、手元側が重くなるだけ。ヘッド側が重くなるわけではないので、振った時には重さをあまり感じません。G25に限らず、重いヘッドを持て余している人の場合、手元側を重くすることでかなり振りやすくなります。また、手元側を重くするとダウンでシャフトが寝づらくなって、チーピン、引っかけのミスを軽減できます。
G25は飛びのポテンシャル、そしてやさしさのポテンシャルは今年発売のドライバー中でもトップクラスです。ただ、ボクには純正Sシャフトがちょっと手強い。なので近々リシャフトするでしょう。リシャフトしたら、このブログに詳細をアップします~。
んじゃ(▼▼)b