マーク金井blog

2024年04月17日ゴルフの上達に欠かせない「道具」の話 「気持ち良い打感を選択基準にする」

今日は非常に感覚的な話である。「マスターズ」で久しぶりの勇姿を見せたタイガー・ウッズ。彼がブリヂストンスポーツのゴルフボール開発者に、“フェースの乗り感”や“ディープ感”の向上を求めているのは有名な話だ。

 

 

乗り感というのは文字通り、インパクトでフェース上にボールが乗っている時間のこと。球離れのスピードをイメージ通りにしたい、という意味だ。“ディープ感”というのはいわゆる打音。乾いたクリック音じゃなくて、しっとり感のある音をウッズは好んでいるという。

 

 

 

まぁ、しっとりという表現を選んだのは筆者であって、ウッズはDeeperと言っているのみ(汗) 日本語ほど微妙なニュアンスを伝えられる言語もないが、もしウッズが日本語に堪能だったら真意を読み解く開発者の苦労も少しは減るのかな?などと考えたりするのである。

 

 

 

フィーリングというのは言葉で伝えるのはとても難しいが、自分自身が感じることは簡単である。「ゴルフボールは外から眺めただけでは何もわからないから、選ぶのが難しい」という人も多いけれど、実際に打ってみればその違いは歴然。これ硬い、これは軟らかい、これは気持ちいい、これは好き、嫌いと、パターやウェッジで打ち比べてみればいいのである(ドライバーで比べるからよくわからなくなる)。

 

 

筆者はゴルフボールのフィッティングを受けた際、アイアンのスピンが多過ぎたためにスピンを減らすことのできるモデル、タイトリスト『AVX』を推奨された。タイプとしては非常にソフトなフィーリングのボールである。使ってみると確かに弾道が美しくなった気がした。これは最高のボールだと4年間これだけを使った。

 

 

ところが今年、同じくスピンが抑えられるという触れ込みの『プロV1xレフトダッシュ』というボールに出会った。ラウンド途中にこのボールに替えて一発目を打った瞬間、もうボールはコレに決めた!と即断。それほどフィーリングが気持ちよかったのだ。飛び姿も美しかった。

 

 

自分はソフトなフィーリングが好きで『AVX』を使っていたわけではないのだと、しっかり打感の『プロV1xレフトダッシュ』を打って改めて実感したわけである。

 

 

その後のラウンドで『プロV1xレフトダッシュ』の手持ちが尽きて、久しぶりに『AVX』に戻した時、ホールを重ねる毎に力が入っていくような気がした。『プロV1xレフトダッシュ』の音や球離れのスピード感を無意識に欲しがってしまったのだ。もはや『AVX』では物足りないカラダになっていた(笑)

 

 

ゴルフボールのフィッティングでは、必ずラウンドで使用するボールは常に同じ銘柄に統一すべきだと教えられる。ゴルファーは誰でも無意識に球離れのスピード(乗り感)と打音をイメージしながらボールを打っているからだ。それが「距離感」の正体とも言える。

 

 

そう考えると、ラウンドで使うボールとまったく性質の異なるレンジボールで練習に励むことに、どれほどの意味があるのだろう。そんな疑問が湧いてくる。

 

 

先日、マーク金井にその疑問をぶつけてみた。夜な夜な柔らかいスポンジボールを打っているからだ。それって実戦とあまりにも違うのでは?と。

 

 

「実はそこが大きなポイント。屋内で打つ場合、あのスポンジボールだからこそコースで本球を打った時と同じ感覚のインパクトになるのです。もちろん、コースボールと同じ大きさのスポンジボールではダメですよ。それは単に軽くて柔らかいだけ。あの大きさだから球離れのスピードやインパクトでの重さがちょうどになるのです」(マーク)

 

地下のスタジオでコースでのショットイメージを損なわず、スイングチェックするには? と試行錯誤した結果に辿り着いたのが、あの大きなスポンジボールだったと言う。その気に入りようは、メーカーが廃番にするタイミングで、全数を引き取るからと再生産を依頼したほど。今も倉庫には約1万個のストックがあるという。

 

 

大きなスポンジボールについて「インドア練習においては、コースボールを打つよりも効果がある」とまで言う。毎日のようにゴルフに出かける男がそこまでいうのだから、それは本当なのだろう。今度じっくり、フェースの乗り感、打音、大きなスポンジボールの関係についてYouTube動画にまとめてもらいたいと思う。
(書き手/高梨祥明)

 

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