フェアウェイのど真ん中を目指して、真っ直ぐな球を打とうとしてもなかなか思う通りにはいかないもの。それは真っ直ぐに打ち出し、真っ直ぐにボールを飛ばす技術がないというよりも、そもそもそんな「難しいこと」をやろうとすること自体が無謀なのだ、という説もある。
昔、一般週刊誌でゴルフ関連記事を担当していた時に、某プロがこんなことを言っていた。
「グリーン上でラインをキャディさんに確認して、“真っ直ぐですね”って言われるのが一番嫌なんですよね。そもそも真っ直ぐなラインってあるの? 技術的にも真っ直ぐって一番難しいじゃんって思うんですよ。ほぼ真っ直ぐだとしても、気持ち的にはフックかスライスかどっちかに決めて打っていきたい、という思いがあるんです。それはショットでも同じですね。ラウンド中に真っ直ぐって考えることはないですよ」
例えば、野球のピッチングやテニスのサーブ。「ストレートでズドン!と一点を狙うよりも、意図的に曲げていった方が狙ったところに行きやすい。真っ直ぐ狙いではすっぽ抜けも引っかけもあり得るが、自分に曲げに行けば少なくとも逆球が出ることはない。その方が安心でしょ?」というわけである。
真っ直ぐ狙いでいると、左右に曲がった球、あるいは右や左に打ち出された球は全てミスショットだと感じてしまいやすい。
また、真ん中狙いで打ち出してしまうと、左右どちらかにブレた場合はフェアウェイの幅を半分しか使うことができなくなる。逆にフェードで狙いにいけば、左に打ち出すぶんフェアウェイ全面を使って攻めることができる。多少想定よりも曲がり幅が大きくなってもフェアウェイ右サイドに止めることができるわけだ。
今はゴルフクラブの開発も、どんどん「真っ直ぐ」が「簡単!」という風潮になっているけれど、本当にそうなのだろうか?
テニスや卓球、サッカー、野球など他のスポーツにも視点を広げて考えてみると、何か気づきがあるのではないだろうか。直球とは、最もシビアで遊びがない「難しい」もののように感じてくるのではないだろうか。
私は「真っ直ぐ」にフェアウェイ真ん中を狙っていくならば……。「飛ばさないこと」が最も重要になるような気がしてならない。ドライバーで150ヤードなら、多少ブレたとしても何とかフェアウェイに残りそうな気がする(汗)
(書き手/高梨祥明)
マーク金井がピックアップしている「ヤングタイマー」モデルは、許容性がありつつも意図的に弾道を作っていけるコントロール性を備えています。ラウンドで活きるバランスのよいクラブとはどういうモデルなのか。ぜひ、Youtubeチャンネル マーク金井のオルタナゴルフ【YOUNG TIMER】印のアーカイブをぜひ、ご覧ください。
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