今日はいつもに増して長文となりそうだが、お許しいただきたい。
スチールシャフト装着のドライバーを使っていると、「やっぱりスチールの方が安定していいんですかね?」と問われることが多い。カーボンではなくスチールの方が…、とどうしても素材の比較になってしまうところが毎度、歯痒く感じるところである。
スチールシャフトにした経緯は、まずヘッドを185gと軽量な「MOE86チタン(230cc)」に変えたこと。最初は80g台の重ためカーボンシャフトを挿れて43.5インチで使っていたが、どうにも軽く振れすぎてしまう。もっと重たいシャフトはないだろうかと探しまくったところ、現在の「NS950DR/X」スチールにたどりついたのだ。このシャフトにすることで、43.5インチと短くしてもスイングテンポが速くなり過ぎない、ちょうど良い「重さ」に調整することができた。
経過をまとめると次のようになる。
- ドライバーを43〜43.5インチ程度で使いたかった
- その長さにぴったりの軽くて小さめのヘッドができた
- 軽いヘッドで短い仕様では、現状のカーボンシャフトでは重さが足りなかった
- 重さ的にスチールシャフトしか選択肢がなかった
素材の話は、いちばん最後。結果に過ぎないのである。
カーボンシャフトが主流になった背景を考えても、まず最初に来るのは「長さ」である。1995年にキャロウェイの「グレートビッグバーサ(250cc)」が登場して以降、ドライバーの長さは45インチ以上となった(それまでは43.5〜44インチが主流)。理由は長い方が理屈的にはヘッドスピードが上がり、最大飛距離を伸ばすことができるからだ。ヘッド体積が大きくなればシャフトを長くしても違和感はない。ヘッド体積が460ccまで大きくなればなおさら。これがドライバーの超尺化が定着した要因といえる。
ラージヘッド&超尺の泣きどころは、振りにくさ、扱いにくさである。この解消のためにシャフトの軽量化が必須となり、ウッド用シャフトはどんどん軽量化され素材もカーボン一択となっていったのである。
つらつらと書いたが、結局は「長さ」がシャフトの重さを決める起点であるのだ。長くすれば軽くしなくてはいけない、短くすれば重たくしなくては逆に振りにくい。それだけである。
ビバ!短尺スチールとマーク金井がいえば、思わずスチールの部分に反応してしまうかもしれないが、興味を持っていただきたいのは「短尺」の部分である。ドライバーを43.5インチ程度の長さにすると何が起こるのか? そこにこそ興味を持っていただきたい。カーボンで重たいものがあれば、マーク金井もビバ!短尺カーボン〜となる可能性は十分にある。大事なのは素材ではなく「短尺」にあるからだ。
個人的には、ドライバーを短くした意味は「他の番手とのギャップを無くすこと」にあった。キャディバッグの中身をドライバー1本だけが超長く・超軽く・超でかい状態ではなくすることが主目的だった。なぜならゴルフは最も短いパターの次に最も長いドライバーを打たなくてはならない。繋がりのスポーツだからである。
(書き手/高梨祥明)
Youtubeチャンネル「マーク金井のオルタナゴルフ」軽量ドライバーを諦める! マーク金井オルタナゴルフ・セルフマネージメント諦めシリーズ編【47】 ぜひ、ご覧ください。