来年のことを早く語りすぎると鬼が笑うというが、今日はぜひ新年に試してほしいことについて書いてみたい。
それはゴルフ道具をできるだけ変えないでゴルフをすることだ。
出来れば1年間、同じゴルフボール、同じパター、同じウェッジでゴルフをやり切っていただきたい。そうすることでわかることがあるからである。
筆者は今年一年、同じパターを使い通すと決めてやってきた。元来、モノ好きなため途中途中で色々なモデルを試したくなったけれど、気持ちが揺らぐたびに“タイガー・ウッズ”の使用クラブを思い起こして乗り切ってきた(笑) ご存知の通りウッズは99年の終わりに「スコッティ・キャメロン ニューポート2 GSS」にスイッチして以降、基本的には1本のパターを使い続けている。ほぼ四半世紀、同じパターで勝利を積み上げてきたのだ。
同じパターを「通し」で使ってみて、改めて気づいたこと。それが結果なんていい時もあれば、悪い時もあるということだ。端的にいえば「このパターで良かった時があった」としっかりと記憶すること。今日のミスを道具のせいばかりにしないことが、問題点を浮き彫りにし、自分の成長に繋がることを知ったのだ。
掲載した写真はマーク金井のクラブセッティングだが、マーク金井はパターだけでなく、ウェッジ、アイアン、FW、短尺ドライバーまで基本的には同じクラブを使い続けている。
SNSを通じて、ドライバーはいろいろと試しているように見えるかもしれないが、それは職業柄そう見えているだけ。完全プライベートなクラブセッティングは、ここ数年、固定化されていて、ドライバーも基本的にはキャロウェイのFT-TOURから変わっていないのだ。
ご飯を食べるときに、いちいち箸の性能を気にすることはない。どのお店の箸でもだいたいソツなく使いこなせる。使い慣れるとはそういうことだ。
ゴルフクラブも実は同じ。シンプルで癖のないモデルを選び、使い続けることで道具のせいにすることがなくなってくる。自分の「いい時」と「悪い時」がわかれば、マネージメントとは自分が「悪い時」にどうごまかしながらラウンドしていくか、であることに気づく。
かつてジャンボ尾崎はブリヂストンの開発担当に、「スイングをチェックできるクラブであればいい」と言ったという。余計なことをしないクラブだからこそ、自分の変化に気づくことができるということだ。
ぜひ、来年はゴルフボールとパターを変えずにゴルフに乗り組んでみていただきたい。そして、軽々に道具のせいにぜず、「いい時」と「悪い時」の自分に関心を寄せていただきたい。
(書き手/高梨祥明)
Youtubeチャンネル「マーク金井のオルタナゴルフ」では、コースマネージメントの考え方を紹介する「素人のゴルフ」を公開しています。悪い流れから立ち直る方法は? ぜひ、ご覧ください。