最近のマーク金井は「ワンオペ・ラウンド動画」にご執心だが、そのいくつかを見ていると“この人は自分自身で素人のゴルフ”を実践しているんだな、とつくづく思う。その最たるものが、グリーンの外し方。動画の視聴ポイントは、マーク金井は常にピンに対して、常にどちらからアプローチをしているのかを見ることである。
テニスのサーブに例え「ゴルフショットにも超えてはいけない縦の距離(エンドライン)がある」というのがマーク金井の持論であるが、確かにテニスのセカンドサービスのような感覚でボールを運ぶように打っている。そして、グリーンに乗らなくても「よーし、まぁまぁ。これでいんですよ」と、常に花道付近からアプローチをしているのである。
ピンをデッドに狙って、グリーンをオーバーしているケースはほとんどない。「ピンより奥はすべてフォルト」というエンドライン意識を強く感じさせる「ワンオペ・ラウンド動画」である。
日本のゴルフコースではほとんどの場合、受けグリーンと呼ばれる手前が低く・奥が高い傾斜のグリーンが採用されている。カップの手前からは上り、奥からは下りのパットになるのはこのためである。ピン(カップ)をエンドライン(それ以上打ってはいけない距離)として考え、その範囲の中でゴルフをしていると、上り傾斜に向かってのアプローチ、パットがほとんどになる。やることが同じなら感覚的にもどんどん慣れていくから、次第に大ミスもしなくなっていくのである。
そして、受け傾斜に向かってのアプローチだからこそ、転がしを使ってのアプローチが有効になってくる。手前から打つからこそ「R25ランニングウェッジ」などの転がし専用クラブがその本領を発揮するようになるのである。
いくらエージシュートするくらいゴルフが上手いマーク金井でも、グリーン奥から転がし(ランニングウェッジ)で寄せるのは難しいはずである。常に手前からのアプローチを残しているから、R25で簡単に寄せていくことができているのだ。
ピンまで150ヤードは、150ヤードをきっちり打つ!ことではなく、150ヤード以上は絶対に打たないということ。常にカップの手前でゴルフをしていれば、マーク金井のように飄々とお散歩ゴルフが楽しめるだろう。
(書き手/高梨祥明)
Youtubeチャンネル「マーク金井のオルタナゴルフ」では、スコットランドや五島列島でのワンオペラウンド、コースマネージメントの考え方を紹介する「素人のゴルフ」を公開しています。ぜひ、ご覧ください。