マーケティングリサーチが行き届き、望まれているパフォーマンスが高度な設計技術と製造技術によって具現化される。令和の御代にゴルフに興じる我々は、数百年に及ぶゴルフの歴史の中で最も進化したゴルフギア手にプレーを楽しめる超絶ラッキーな世代である。
設計・製造の発達は、プレーヤーニーズが同じであるならば、同じような「正解」を導き出す。例えば「もっとボールを遠くへ飛ばせるクラブが欲しい!」と望めば、各ブランドが定められたルールの中で、最善を尽くして「もっと!」を叶えよう努力する。その結果に生まれるのが、ゴルフ道具の「同質化」だ。
どのブランドの製品を使おうとも、そのパフォーマンスは高いところで平均化してくるのである。これを「つまらない」と切り捨ててはならない。成熟とはそういうものだからである。定められたルールの中で考え抜かれ、かなりいいセンまでいっている優れたゴルフ道具を我々は今、手に出来ているのである。
では、この先、いかなる新製品を手にしてもこれ以上飛距離を伸ばしようがないのだろうか? ある意味ではそうだと言える。しかしながら、多くのアマチュアにとっては「まったくそうではない」とも断言できる。我々はもっと、もっと遠くへボール飛ばすことが可能だ。なぜならば、いま現在、我々はあまり効率的にボールを飛ばせていないからである。
・持っているパワーを効果的にクラブスピードに変換できていない。
・エネルギーロスの少ない打点でボールをヒットできていない。
・狙った方向にボールを打ち出せていない。
もったいないことだらけ。現状の飛距離とは単にその結果である。
せっかくゴルフの歴史上最も進化した素晴らしい道具を手にしているのだから、自分自身の正確性、効率を少しでも上げてやれば、確実に飛距離は伸びていく。同じクラブを使って、ツアープレーヤーがあれほどの飛距離をマークしているのがその証明だ。効率が飛距離を引き上げるのだ。
毎日のようにラウンドをしているマーク金井でさえも、一日の終わりには「フレループ」や「ゴルフの竪琴」を使ったコソ練を欠かしていない。これはスイングを整え、効率を上げるため。短尺スチールもインパクト効率を高めるための手段だといえる。
ゴルフクラブにはエンジンが付いていないから、効率を高め、ロスを減らすことでしかボールを遠くへ飛ばすことはできない。そして、人それぞれの最大飛距離は、道具の進化だけでは生み出すことができないのである。
(書き手/高梨祥明)
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