「構えた時に刃が浮くようなウェッジは、トップしそうで怖い」
とよく言われる。ウェッジはソールにバウンス効果を持たせてあるため、構えた時に「刃(リーティングエッジ)」が浮くのは当たり前で、むしろ刃が浮かないウェッジの方が地面に刺さりそうで“怖い”のではないか? と思うのだが、一般的には刃が浮いて見えると怖い人の方が多いのだという。
もちろん、フローリングとかゴルフショップの床でウェッジを構えれば、それは刃が浮く状態になるだろう。なぜなら、この場合、地面が硬くヘッドが潜らない状態であるからだ。ゴルフ場のフェアウェイやラフ、バンカーの砂がお店の“床”のように硬ければ、そもそもウェッジというソールにバウンス効果を持たせた特別なクラブは誕生しなかっただろう。硬い床はそれ自体がバウンス(抵抗)であるから、クラブ側に潜らせない工夫を施す理由がないのである。
でも実際には、ゴルフ場の地面は“軟らかい”。地面側に抵抗がない場合は、クラブ側に抵抗を持たせておかないとヘッドが地面に刺さって(潜って)しまう。とくに軟らかい砂がたっぷり入ったバンカーでは、ソールにバウンス(抵抗)があった方が簡単に脱出できる。だからわざわざバンカー専用に、サンドウェッジが開発されたわけである。
こうやって道具が生まれた背景を改めて考えてみると、「構えた時に刃が浮くようなウェッジは、トップしそうで怖い」とは思わないのではないだろうか?
シャフトを飛球方向に傾けて構えれば、刃は浮かなくなっていくがそれはバウンス効果をゼロにしてしまうアドレスである。ウェッジをウェッジで無くしてしまう、もったいない行為といえるだろう。ウェッジで「ハンドファーストインパクト」をイメージするのも、そういう意味ではどうなのかな?とも思う。
ゴルフショップや家のリビング、練習場のカスカスなった薄っぺらマットの上で構えれば、コースで活躍してくれるサンドウェッジほど刃が浮くような感じになるだろう。でも、実際にそのウェッジをゴルフ場で構えた時にも同じような感じに見えるのだろうか?
ゴルフ場ではたいていボールが芝生の上に乗っかり宙に浮いている。その状態で刃が浮いて見えるのだろうか?刃が浮くことも、バウンスが跳ねることも実際のゴルフ場ではほとんどない。ゴルフ場の地面は、意外に“軟らかい”。だからクラブ側に抵抗を持たせる必要があるのである。
(書き手/高梨祥明)
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