この夏は、アナライズの『バンパードライバー』を興味深く試している。トゥダウンしにくいセンターシャフト的なネック位置のヘッドに、重ためのスチールシャフトを装着。振りやすさと安定を「適正な長さ」で調整すれば、きっとフェアウェイにある吹き流し(ティショットの狙い目)にだいたい打っていける「魔法の杖」になってくれるのではないか、と踏んだのである。
当初、試していたのは日本シャフトの『950DR』スチール(硬度X)を43インチで組んだもの。これは現在気に入って使っている軽量ヘッドのメタルウッドに挿れているもので、どんなヘッドでもだいたいこのシャフトをこの長さで組んでおけばいい感じになるだろうとタカを括っていたものである。
しかし、結果は微妙だった。『バンパードライバー』では安定して左方向への球が出て、狙った方向へ気持ちよく打ち出すイメージが残念ながら持てなかったのだ。
おそらく、普段、重心距離の長いヘッドのトゥダウンを抑えるためにシャフトの硬度を上げている(硬度X/半インチチップカット)ことが、重心距離がほとんどない『バンパードライバー』ではアダとなったのだと思う。トゥ・マッチというやつである。
“これも試してみてぇ!”とマーク金井が貸してくれた『バンパードライバー』には、アナライズが強力プッシュしている島田の『K’sシャフト』が入っていた。
長さは43.5インチだ。結果は打球をやや右に出せるようになり、軽い左曲がりでターゲットに向けてランディングさせるイメージが持てる。切り返しでほんの少し間(ま)がとれるようになり、ダウンスイングからインパクトでのしなり戻りがゆったり大きめに感じられるようになったのがボールを右に出せるようになった要因だと感じた。
聞けば、アナライズでは基本的に『K’sシャフト』の硬度Rを選択しているという。
これもマーク金井が多くのスチールシャフト打ち、選び抜いたものである。一般的なドライバーの「ヘッド重量(200g)」に装着することを前提に、振りやすいと感じられる「長さ(43.5インチ)」を求め、出球をコントロールしやすい「硬さ」、そして組む際のトリミング(シャフトカット方法)を割り出した。“ビバ、短尺スチール〜“と軽妙なトーンで発信されているが、実は確信を持って、現代ヘッドに合う適正仕様のスチールシャフトを提供しているわけだ。
短いスチールシャフトならば、なんでもビバ!であるわけではないのだ。
シャフトの役割とは、ヘッドの特性を活かすことにあるだろう。ヘッドの重心設計や慣性モーメント、重さが違えば、適合するシャフトが違って当然だ。逆にいえば、アナライズ推奨の「短尺スチール仕様」でパフォーマンスを発揮するヘッドは何?という導き方もできるということ。
それがマーク金井の『オルタナゴルフ』動画でシリーズ化している「ヤングタイマー」モデルということになる。ヘッドの仕様をフィックスすれば適正シャフトが決まり、シャフト仕様を固定化すれば、今度は適正ヘッドが見えてくる。適正とは合わせるモノによって、常に変わるもの。そのことに改めて気がつくことができた夏でもあった。
(書き手/高梨祥明)
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