先週木曜日(1月9日)はテーラーメイドのSIMの記者発表があり、今週水曜日(1月15日)にはキャロウェイのMAVRIKの記者発表がありました。どちらも今月下旬に開催されるPGAショーの目玉商品、そして2020年の主力商品なわけですから、日本での記者発表もたいそう派手に行なわれました。
ちなみにマーク金井はキャロウェイの記者発表には行けてません。ちょうど同じ時間に、ゴルフ雑誌EVENの取材(YouTube動画)の試打の撮影があり、必死のパッチで試打をしまくってました。もちろんその中には、SIM、SIM・MAX、MAVRIK、MAVRIK SUBZEROも含まれており、トラックマンを使ってデータ計測しながら試打しています。
ゴルフパートーナーの試打職人というYouTubeで、すでにSIMとMAVRIKの試打動画をアップしていますので、ここではこの2モデルの意外な共通点について超私的に書いて見たいと思います。
カラーリングはSIMがブルー(シルバー)がイメージカラーで、MAVRIKはオレンジがイメージカラー。色使いに共通点はまったくありません。ヘッド形状もSIMはこれまでのテーラーの流れを汲んでますし、MAVRIKもこれまでのキャロウェイの流れを汲んだデザインです。
ソール形状についても共通点はなく、SIMはツノのような突起物がソールに配されており、これはかなり目立ちますし。対してMAVRIKはシンプルはデザイン。重量ネジが配されていますが稼働式ではなく、埋め込みタイプになっています。
共通点などまったくなさそうですが、実は、どちらもアピールしているポイントがあるのです。それはバックフェース側の形状で、どちらもシャローバックではなく、ハイバック形状をアピールしています。
ここ数年のドライバー、特に外ブラのドライバーはヘッド後方が低く下がったシャローバックが当たりでした。シャローバックにすることで「重心を深く」かつ「重心を低く」することが物理的に可能になるからです。
ところが、これから発売されるSIM、MAVRIKともシャローバックを意図的に止め、ハイバック形状になっています。これまでの常識を否定するともいえるデザインを採用していているわけです。
テーラーメイドはシャローバックを止めた理由として、、、
空気力学的、そして慣性モーメントを上げるにはハイバックが有利
ただしハイバックにすると重心が上がるのでスピン量が増える(不利)
SIMにおいては空力力学、そして慣性モーメントを上げるためにあえてハイバックを採用しているとアピールしています。そして、形状的にはハイバックだと重心が上がるので、それを下げるために、ソールに廃した突起物の最後方にウエートを廃することで重心を下げスピン量が減る設計がなされているそうです。
MAVRIKもSIMほどではありませんが、空気力学的にはシャローバックよりもハイバックにした方が有利との理由から、ハイバック形状が採用されています。
ゴルフクラブはインパクトゾーンでは時速200キロ近く出ることを考えると、空気力学をアピールすることは至極当然だと思います。しかしながら、ゴルフクラブで空気抵抗を一番受けるのはヘッド後方よりもフェース面ではないかと超私的に思っていますし、フェースの厚みが5ミリ変われば、空気抵抗の数値もかなり変わのではないかと思います。
テーラーメイドが何度も何度も、クラブ作りは「トレードオフ」だと言ってましたが、まさにその通りだと思います。「トレードオフ」は非常に厄介ではありますが、うがった見方をすれば、、、「トレードオフ」があるからこそ、モデルチェンジしたときに新たなセールスポイントを生み出せるのではないでしょうか。
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